左手が大活躍?する映画「ボーン・コレクター」
5月15日のテレビの「日曜洋画劇場」(テレビ朝日系)で、「ボーン・コレクター」をやっていました。後ろの方を見ただけでしたが、原作の『ボーン・コレクター』ほか一連のリンカーン・ライムのシリーズのファンなのでちょっと書いておきましょう。
原作『ボーン・コレクター』は、名うての"どんでん返しスト"ジェフリー・ディーヴァーの1997年刊のベストセラー・ミステリ。
ここで「左利きの本だなぁ・小説編」用のメモを引用しましょう。
ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』池田真紀子訳 文藝春秋(1999年9月刊)
THE BONE COLLECTOR (1997)
映画化もされた傑作ミステリです。左利きの名探偵は出てきませんが、主人公のリンカーン・ライムは動かせるのが頭と首と「左手」の薬指だけという脊椎損傷による肢体障害者。彼は犯罪科学捜査のエキスパートでしたが、犯罪者の逆恨みによる爆弾事件で被害にあい、一線を退き、死を望む生活を続けていたのですが…。
変質狂の連続殺人犯対リンカーン・ライムとその手足となる科学捜査班との知恵比べ。
ライムは、ストラップで左手を固定した、エヴェレスト&ジェニングス製環境制御装置のパネルの上で薬指をほんのわずかに動かして数度クリックし、(略)
原作では、このように首から下は左手の薬指だけが動かせるという設定で、それゆえ私は<左手・左利き>仲間の一員として認知しています。
映画(1999年アメリカ映画、2000年日本公開)では、ライム役のデンゼル・ワシントンは左手の人差し指を使って機器を動かしていました。
また、彼の手足となって活躍する女警官アメリア・ドナヒー(原作ではアメリア・サックス)役には、左利きで有名な女優さんアンジェリーナ・ジョリー(「トゥームレイダー」では左手で銃を操っていました)が扮し、随所で左利きらしい所作を見せていました。
例えば、懐中電灯を手に歩く場面では左手に懐中電灯を、証拠を採取するときは左手または左手に持ったピンセットで、拳銃と懐中電灯を両手に突入するときは、ライトを右に(オヤジギャグですいません!)拳銃を左手に、ライムの額の汗を拭うシーンではタオルを左手に、また高いところの本を取るときは、おもいっきり左手を伸ばして、―というように。
一番の見せ場は、やはりライムとの心の交流を示す場面での左手に重ねる手でしょうか(と言いながら、実はよく見てなくて、左手に左手を重ねていたかどうか自信がありません)。
ラスト、右手を負傷した犯人がライムを襲う場面では、左手にナイフを握って大きく振りかぶります!
ここで、われらが?アメリアが現われ、左手に右手を添えて両手で包み込むように拳銃を持ち、両腕をいっぱいに伸ばして発射します。
いやあ、実によく左手が活躍する映画でした。こんな見方をする人は私ぐらいでしょうか。
ところで、原作ではアメリアは左利きという記述はなかったように思います。あれば、私のことですから、きっと見落とすことはないでしょう。
小説の場合、このライムのような状況にある人なら別ですが、通常、手を動かすシーンでも特に右左の描写はないものです。その点、映画やテレビドラマ、マンガといったヴィジュアル系の物語はその辺が明確になり、人物の利き手を確認できるので、楽しみ方が増えるというものです。
さて、ライムとアメリアのように、"特異な左手"を持つインテリ男性と女捜査官の取り合わせといって思い出すのは、『羊たちの沈黙』ですが、これも映画化されて人気を博したものでした。
…(以下、いずれ)
※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載して、gooブログ・テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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