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2005.02.22

エレナー・エスティス『モファット博物館』

『モファット博物館』エレナー・エスティス/作 松野正子/訳、岩波書店 岩波少年文庫118 価格:798円


モファットきょうだい物語シリーズ第四巻。前作から四十年ぶりの最終編。イラストも著者自身が手がけています。訳者も変わりましたが、ほのぼのあたたかいお話はかわりません。

第一作からひとつずつ年齢を重ねたきょうだいたち―一番すえっ子の左利きのルーファスも四年生になります。
そしてこの仲良し家族、きょうだいに大きな変化が訪れます。

ジェーンは家の納屋をモファット家の博物館にしようと考えます。きょうだいが自転車に乗れるようになった思い出の古自転車"バイキー"はじめ、冬用のソリ、シルビーの絵などなど。
すると、ルーファスはマダム・タッソーのロウ人形のルーファス版を作ります…。

そしていよいよ、一番姉のシルビーの結婚式です。シルビーの結婚式にジェーンはフラワーガールになります。ジェーンは今を盛りと咲き乱れるバラの花びらを集めます…。

結婚したシルビーの元を訪れるジェーンの冒険。ルーファスとジョーイの市街電車のお話。"麦わら帽子の日"の思い出などなど。

最後はジョーイの就職です。高校を辞めて働くことになったジョーイは、通信教育で製図工の勉強を始めます。ルーファスも新聞配達を始めます。モファット博物館も一時休館です。そんないろいろあった一日をシルビーに手紙に書くジェーン。
モファット家のあたたかさが胸に残るラストとなりました。

場所も時代も違っていても、そこにあるのは家族のあたたかさ、兄弟の仲の良さ、隣人とのやさしいふれあいです。
いつまでも心に残るハート・ウォーミングな物語です。
大人になった貴方も一度ふれてみてください。
そして優しい気持ちになってください。


モファットきょうだい物語シリーズは、「レフティやすおの本屋」支店「こどもたちの世界」本棚「アメリカのこどもたち」で紹介しています。
第一作・2004.11.28 ほのぼの児童文学『元気なモファットきょうだい』
第二作・『ジェーンはまんなかさん』
第三作・2004.11.05 左利きの本だなぁ:児童文学編『すえっ子のルーファス』は左利き
第四作・2005.02.22 エレナー・エスティス『モファット博物館』

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