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2004.11.28

ほのぼの児童文学『元気なモファットきょうだい』

『元気なモファットきょうだい』エレナー・エスティス THE MOFFATS(1941,1969) 渡辺茂男訳 岩波少年文庫115 1988.11.18第一刷、2004.5.18新版第一刷 小学5・6年以上

以前紹介した『すえっ子のルーファス』(11.5記事「左利きの本だなぁ:児童文学編『すえっ子のルーファス』は左利き」)のシリーズ、"モファットきょうだい物語"三部作の最初の一冊。

ニューダラー通りの黄色い家に住んでいた時代の物語。二女ジェーン9歳を中心に、すえっ子ルーファス5歳、長男ジョーイ12歳、長女シルビー15歳、洋服の仕立てで一家の生計を立てる未亡人のママ、飼い猫キャサリンの一家の明るく愉快な日々を描いた物語。ちょっと貧しい生活かもしれないけれど、負けずに元気に育つ子供たちの生き生きとした暮らしぶりが12のエピソードからなる楽しい読み物になっています。

『ハリー・ポッター』のような、現実離れした夢あふれるファンタジーも楽しいけれど、日常のありふれた出来事に一喜一憂する家族の物語はとても心打つものがあります。

貧しさも昔語りになればそれはそれで楽しめるものです。
ランプや馬車や石炭ストーブなど、一昔前の風俗が出てきます。
発表当時既に昔話として語られているお話です。

でも変わらぬもの、それはやはり人の心、子供の心です。
そして、子供たちのちょっとした遊びです。遊びの本質は変わりません。

おまわりさんが怖かったことはありませんか? 初めてゆく学校は? お使いのお金をなくしたことは? いじめっ子をぎゃふんといわせたかったのでは? 電車に乗るときは一番前で運転士さんの仕草を見ていたのでは? 引越しの楽しみと寂しさは?

そんな普遍性に満ちた、元気な子供たちのなんということもない、ほのぼのとした生活物語です。


モファットきょうだい物語シリーズは、「レフティやすおの本屋」支店「こどもたちの世界」本棚「アメリカのこどもたち」で紹介しています。
第一作・2004.11.28 ほのぼの児童文学『元気なモファットきょうだい』
第二作・『ジェーンはまんなかさん』
第三作・2004.11.05 左利きの本だなぁ:児童文学編『すえっ子のルーファス』は左利き
第四作・2005.02.22 エレナー・エスティス『モファット博物館』


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