クリスティー文庫全100巻完結!
昨年から刊行が開始された早川書房のクリスティー文庫全100巻が、11月18日発売分で完結しました。
今月発売分は、クリスティーの生んだ二大探偵の最後の事件2点、ポアロ『カーテン』、ミス・マープル『スリーピング・マーダー』、短編集2点、"神秘の探偵ハーリ・クィンの活躍"『謎のクィン氏』、"本国では慣例の「クリスマスにはクリスティー」"『クリスマス・プディングの冒険』、"クリスティーのビギナーとマニアにおくるハンドブック"2点、早川書房編集部・編『ビジュアル版アガサ・クリスティー99の謎』、われらがアガサ・クリスティー・ファンクラブ会長、数藤康雄・編『アガサ・クリスティー百科事典』、です。
文庫本より少し大きめサイズで、活字も大きめ、新訳も含めて、非常に読みやすいものになりました。従来の真鍋博画伯のイラスト表紙がお気に入りだった方には少しさびしいものになってはいますが、統一されたカバーも雰囲気は上々です。
私の老後は読書三昧で過ごしたいと思い、いくつかの本を大切に保存してきましたが、このクリスティー文庫は格好の的となりました。
過去に読んだものはまだ40冊ぐらいのはずで、半分以上はまったくの手付かずのままです。昔の記憶も薄れていますし、ほとんど白紙の状態で読むことができるでしょう。
縁側に腰掛けて日向ぼっこしながら、番茶にせんべいやおかきも良し。ウッドデッキでロッキングチェア、テーブルには紅茶と何とか言うお菓子でも良し。
寒くなれば掘りごたつに足を突っ込んで、あるいは暖炉の前で…。
かつてイギリスのクリスティーの版元の出版社では「クリスマスにはクリスティーを!」といってクリスマス・プレゼントにクリスティーの本を贈るキャンペーンを実施していました。
そんな出版社に応えるように晩年になってもクリスティーは毎年優れた作品を書き続けていました。
テレビでは今、クリスティー原作のアニメも放映中です。
今年はぜひ貴方も「クリスマスにクリスティー」の本をプレゼントされてはいかが?
*
私のおすすめクリスティー作品
<名作編>
アクロイド殺し(名探偵ポアロ)
オリエント急行の殺人(名探偵ポアロ)
ABC殺人事件(名探偵ポアロ)
ナイルに死す(名探偵ポアロ)
そして誰もいなくなった(ノン・シリーズ)
<最初の事件>
名探偵ポアロ:スタイルズ荘の怪事件
ミス・マープル:火曜クラブ(短編集)牧師館の殺人(初長編)
<最後の事件>
名探偵ポアロ:カーテン
ミス・マープル:スリーピング・マーダー
<マイ・フェイバリット>
茶色の服の男=初期のノン・シリーズの青春冒険ミステリ
親指のうずき=老境に入ったトミーとタペンスの冒険
謎のクィン氏=ミステリアスな探偵クィン氏の推理短編集
*
参考サイト
早川書房
早川書房 アガサ・クリスティー日本オフィシャル・サイトCHRISTIE TIME
アガサ・クリスティ・ファンクラブ
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Comments
初めまして。クリスティー文庫は装丁も良くて読みやすいですね。僕は全100冊は集められないけど、しばしクリスティーにはまりたいと思います。
Posted by: Yuseum | 2004.12.10 12:48 AM
Yuseum様、コメントならびにトラックバック、ありがとうございます。
そうですね、全100巻を集めるのは大変ですね。週に一冊ずつ読んでいっても丸二年。
私のように、老後の楽しみにはちょうどいいかもしれません。
若い人でも、読書は手軽なストレス解消になりますし、テレビや映画のように受身でなく、自分で読み進まないといけないので、見た目以上に頭も使う能動的な趣味です。
いい機会ですので、少しはゆったりした時間をおすごしください。
『百科事典』ですが、この「作品事典」の解説に関しては、クリスティーファンクラブ会長の数藤さん(同名のよしみで初期から会員させていただいています)から協力要請のメールをいただいていたのですが、自分のサイトが忙しく無作法してしまいました。(数藤さん、ごめんなさい! こちらでお詫びいたします。)
マイ・フェイバリットに選んでいるものなど、自分で手がけたい作品もいくつかあったのですが…。
その代わりといってはなんですが、「レフティやすおの本屋」の支店「名作ミステリ」でクリスティーの名作を幾つか集めていますのでよろしく!(なんて、宣伝しちゃって、ごめんなさい!)
では、お互いに「クリスマスにはクリスティーを」と行きましょうか。
Posted by: レフティやすお | 2004.12.10 11:10 PM