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2004.10.08

イチロー、松井と左利き

シアトル・マリナーズのイチロー選手(大リーグシーズン最多安打新記録達成おめでとう!)も、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手(地区第一位、プレーオフ進出おめでとう!)も共に右利き(どの程度のものかは存じませんが)で左利きではありません。
では彼らと左利きの関係は?

大リーグで活躍する二人の共通点は、右投げ左打ちの選手だということです。
一般的に見て大多数の人は、右利きの人では右投げ右打ち、左利きの人は左投げ左打ちです。ところが彼らは右利きであるにもかかわらず、左打席に立ちます(守備側から見て向かって左側)。

左打ちは一塁に近い、右投手のボールの出所が見やすい(右利きが多いので当然右投手が多い)等の理由から右打席より有利といわれています。歴代のプロ野球の首位打者にも左打ちの選手が多数名を連ねています。王、張本両選手など。
そこで右利きでも左打ちをマスターして、好成績をあげる選手が出てきました。そういう選手の代表格がイチローであり松井秀喜選手です。もちろん他にも何人もの選手がいます。昨年二千本安打を達成した中日の立浪選手や二年連続パ・リーグの首位打者になった小笠原選手など。

彼らをまねて、左打ちをマスターしようとする右利きの子供たちも増えているでしょう。なかには日常の生活から徹底的に左手を使うように心がけるという場合もあります。
そういう子供たちの中には、左利きの子にあこがれを抱いたり、左利きをカッコイイと考える子もいるようです。

こうして左利きに良いイメージを抱くようになる、好都合な現象が起きつつあるのだとすれば、これは非常に喜ばしいことだと考えられます。

しかし、もう一方では、彼らが右利きであるにも関わらず有利とされる左打ちをマスターするために努力したように、左利きの人も右利きにあわせる努力をするべきだ、そして右利き優先の社会における右手使いの便利さを享受するべきだと考える人もいます。
極言すれば、やれ右利き優先社会だ、右利き偏重社会だと不平不満を言う前に、自ら進んで右手を使う努力をして自己変革するべきだ、ということでしょうか。まあ、そこまで言う人はまずいないでしょうが…。

たとえば、習字のような字を書く技術において。
字は右手で書きやすく作られている。右手で書く方が自然な動きで書ける。だから右手の方がきれいな字が書ける。
イチローや松井が努力したように、左利きの子も左手で字を書くのではなく、右手があるのだからこれを鍛えて右手で書く練習をすれば良い、というのです。

確かにイチローも松井も、あるいはその他の多くの右利きの選手が左打ちをしています。
ところが、みんながみんな左打ちをしているわけではありません。
いくら左打ちが有利とわかっていても右打ちを続ける人もいます。
そして好成績をあげている選手もいます。清原、古田、城島、中村紀、谷選手などいくらでもいます。左打ちの選手に負けず劣らず多いのではないでしょうか。
どうしてでしょうか。
また、毎年この時期になると年齢的なことや成績によって辞めていく選手がいます。そんな選手の中には成績を上げようと左打ちを練習しながらもものにできずに終わった人もいるかもしれません。

イチローや松井がすごいのは、やはりそれだけの努力に見合う才能があったからではないでしょうか。右利きだけれど左打ちができる才能を持っていたのでしょう。
そういう持って生れた才能があって、さらに努力を重ねた結果としてあれだけの成績を残しているのではないでしょうか。

誰でもイチローや松井になれる、と考える方が人生は楽しいでしょう。
しかし、みんながみんななれるものではない、というのが現実です。
人は持って生れた才能を最大限に発揮して、生きてゆくべきだと思います。
右利きは右利きとして、左利きは左利きとして。

もちろん可能性を否定するものではありません。試みることも大事なことでしょう。それは個人の自由です。本人が決めることです。

しかし、子供たちにとってあこがれの的であるイチローや松井を手本に挙げて勧めるのはどうでしょうか。
ちょっと卑怯な気がします。
単に自分に都合のいいように利用しているだけでは、とも考えてしまいます。
こういう論議に使われていることを知れば、結局、本人たちが一番困惑するのかもしれません。

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