将棋界の左利き
10月26日の産経新聞朝刊、将棋欄「棋聖戦」2次予選特選局第5局 丸山忠久九段対行方尚史(なめかた ひさし)七段の対戦の第3譜で、観戦記記者・斎藤哲男氏が「左利きの将棋棋士」について書かれていた。
長くなるが引用してみよう。
将棋界の左利きはどうか。実践派の才人ぞろいだ。振り飛車党が多く、居飛車党も定跡形を好まない棋士が目立つ。「読みと理論の右」にたいして「感覚と勝負の左」というのが記者の分類だ。大内延介九段、鈴木大介八段、久保利明八段、山崎隆之五段らだ。本局の行方も左利きである。/右図で行方の左手がつまんだのは7筋の歩。理を越えた魔手だ。自玉の頭の歩をぶつけて戦端を開くなんて10万局に1曲もないだろう。
将棋は日本の伝統文化のひとつで、当然礼儀作法を重んじる。大きな棋戦では、棋士は和服の正装で挑む。
とはいえ、左手指しが嫌われるということは聞いたことはない。
左利きの棋士はたいてい左手で駒をつまんで指す。
ただ取った駒を置く台―駒台は盤の右側に置くことになっている。
これは左手指しの棋士にはちょっと不便で、秒読みにせかされるときなどは不利といえるかもしれない。
しかし、これもそのうち人によりどちらに置いても良いようになるかもしれない。
左利きの人は左に置いたら、と発言する解説の棋士もいるぐらいだから。少なくとも棋士の間では、左利きの左手指しに対する違和感はないようだ。
さて、左利きの棋士として私の記憶に残るのは、大内延介(のぶゆき)九段である。
もうかなり以前になる(1970年代半ば頃?)が、大内九段は一時期各棋戦で穴熊戦法を使って大活躍した。穴熊戦法の著書もある。当時、金銀香桂歩で王様をがちがちに固めるこの戦法はプロではあまり使う人は多くなかった。大捌きをしてもいきなり王手されることのないこの戦法はアマチュア向きとされていたのか、プロ好みではなかったようだ。その戦法をあえて使ったのだから、やはり、「左利き特有の感覚」と言われればそうかもしれないとうなづける。
この大内九段門下には、左利きの棋士が多い。塚田泰明(つかだ やすあき)九段、鈴木大介(すずき だいすけ)八段といった元タイトル保持者や、昨年度の新人王戦優勝の田村康介(たむら こうすけ)五段がいる。
やはり師を選ぶときに左利きということで親近感を抱くのか、性格的にその将棋に惹かれるのか、その辺はお聞きしないとわかりませんが。
80年代後半に大活躍した南芳一(みなみ よしかず)九段はタイトル計7期保持。
他には、伊藤果(いとう はたす)七段、小林健二(こばやし けんじ)九段、あたりが左利きだったと思う。
さらに、真部一男(まなべ かずお)八段、畠山成幸(はたけやま なるゆき)七段、北浜健介(きたはま けんすけ)七段、女流の斎田 晴子(さいだ はるこ)女流四段も左利きだという。
昔は日曜日のNHK教育テレビの将棋番組を見ては、左手指しの棋士をチェックしたものだ。
最後に、今、私が最も期待しているのは関西出身の久保利明(くぼ としあき)八段、昨年度のNHK杯優勝者である。ぜひ羽生世代を追撃して欲しいものだ。
こういう「左利きの将棋棋士」という記録はほとんどないのだが、貴重な資料になると思う。
最近の右脳がどうのこうのと言う研究のサンプルとしてもおもしろいと思うのだが…。
* 参照:将棋豆知識 サウスポー棋士(左手で指す方)
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Comments
おわびと訂正―
この記事の初稿において、新聞の記事を引用した部分で、山崎隆之五段のお名前が間違っていました。
謹んでお詫び申し上げます。
お読みいただいた左利きの方から、メールをいただきました。
「やまさき五段で左利きとすると、おそらく山崎隆之五段かと思われます。
かなり強くて、既に十分活躍していますが、今後がさらに楽しみな若手棋士です。
テレビ対局で左手で指していました。」
失礼いたしました。先日のきくやネットさんの住所(○「神奈川県」を×「香川県」と誤記)に続き、またまたミスしてしまいました。
山崎五段のお名前「孝行」は「隆之」の誤りです。
これは私の変換ミスです。どうもすみませんでした。
記者氏のミスではありませんので、改めてここにお詫びいたします。
すばやくミスをご指摘いただきましたS様、ありがとうございました。
今後十分注意いたします。
皆様、これからもお気づきの点がございましたら、その都度ご連絡いただけると幸いです。
こんな粗忽ものですが、これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: レフティやすお | 2004.11.01 11:04 PM