スポーツでは左利きが有利?
いま、アテネ・オリンピックで盛り上がっています。
今までとは違い、日本の選手が金メダルを量産しています。ついつい見てしまいます。
で、結果として、更新が滞っています・・・。
さて、スポーツでは左利きが有利だといわれます。
特に、1対1で向かい合って争う競技、ボクシングとか、卓球やテニスなどでは確かに対戦相手としての左利きが少ないので、右利きの選手は不慣れから戸惑い、左利きが有利になることは考えられます。
また、競技フィールドが左右にある程度の広がりを持つ競技、サッカーやバレーボールなどでは、サイドを有効に活用する上で左利きの選手の存在が大きな価値を持つこともあるでしょう。
あるいは、野球やソフトボールでは、左打席の方が一塁に近いということで有利だといわれたりします。
(ただしここでは、ベースランニングが左回りで、進塁してゆく過程では右利きが有利となります。守備でも、一塁への送球が優先されるため、内野手では右利きの選手の方がポジション的には有利です。)
しかし、これらの希少性から来る有利さというものを除外しても、他の分野と比べたときに、やはりスポーツの分野では左利きは有利かもしれません。
いえ、正しくは利き手による「有利不利」というより、左利きでも、「機会が対等に与えられる」と言うべきでしょう。
他の分野に比べて、スポーツの分野では左利きを対等に扱ってくれることが多いのではないでしょうか。
結果として、左利きでも能力のある人は好成績を上げ、左利きゆえに目立つので、左利きは有利といわれることになるのではないでしょうか。
(一部の道具を使うスポーツでは道具がない、もしくは少ない等の理由から不利になるケースもありますが。)
たとえば教育の場では、教育の根本である、スタート地点であるところの「字を書く」というところから既に制約を受ける場合があります。
字は右手で書くものだ、という人がいるからです。左利きの子はまずここを乗り越えなければなりません。
さらに、以前の記事6.16「左手書き(左利き)に優しい改良版「ユニバーサル百マス計算」のすすめ」
で書いたように左手書きに対する配慮に欠けた100マス計算問題用紙が使われたりします。他にも、左手使用者に不利なテストの解答用紙などが各種試験等で出てきます。
(教育現場でいえば、今でも記憶に残っているのは、小学生時代のソフトボールの授業での左バッターボックスの白線です。
ここでは常に右も左も対等にセッティングされていました。左打ちを指導してくれる先生をいなくても、打席は常に用意されていました。)
日常生活でふれる道具や機械、設備などでも、左手使用者を無視したようなものが随所で見られます。
以上のように、他の分野では、左利きは常にある程度のハンディキャップを覚悟しなければなりません。
それに対してスポーツでは、字を書くときは左手使いにうるさい人でも、左手でボールを投げる・ラケットを振る・左足でボールを蹴る、といった動作にいちいち文句をつける人は少ないように思われます。
「左手でボールを投げるのはみっともない」とか、「左手でラケットを振るとは無作法だ」という人はまずいないでしょう。
(それどころか逆に、野球などでは左打ちを教えたりするかもしれません。)
まず入り口が公平に用意されています。競技全般を通して対等に扱ってもらえるのではないでしょうか。
(野球のベースランニングや陸上競技・アイススケートのスピード競技などのトラック走は、右側が強い右利きの人が有利と言われる左回りで行われ、左利きには不利になりますが、それはあくまで一部でしょう。例えば、走り高跳びなどは助走を左からでも右からでも許されています。)
さらに、初めに述べたように、時には希少性から優遇されるケースもあります。(「優遇」ではなく「珍重」されているだけだとけなす人もいますが。)
スポーツはからだを使います。
からだの本来の機能というものを優先的に考え、基本的に左右どちらかに片寄るのではなく両方を均等に使うことを要求されるので、左手使いはダメとか、左利きを直そうといった偏狭な考えが出てこないのかもしれません。
スポーツ同様他の分野でも、偏狭で片寄った固定観念を廃し、左利きにも対等の機会を与えるように考えて欲しいものです。
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