平等に不便になる選択―少数派からの提案
人は生まれつき不平等なものです。だからこそ生きていく上で機会の均等、平等を求めるのです。せめて機会ぐらいは平等に与えられるべきだ、と。
しかし社会は効率を考えます。民主主義は多数決という決定手段を取ります。それゆえ少数派は隅に追いやられたり、忘れられたりすることもあります。
そんな社会も成熟してくると、単なる効率第一主義ではなく、ゆとりの必要性を感じるようになります。潤いを求めるようになります。
人に対する思いやりの重要性を感じるようになります。
そんな考えを具体的に現したものに、ユニバーサルデザインがあるのではないでしょうか。
誰にも扱いやすいものを作ってゆこうとする考え方。
しかしこれはむずかしく考えると何もできなくなります。
たとえば障害者といっても人それぞれです。それをひっくるめてみんなが満足できるものを作るのは非常に難しい。
そうではなく、この程度の不便ならみんな我慢して使えるというものに発想を変えてみるのひとつの方法でしょう。
左利きの私は、右側にコインの投入口がある自動販売機の類が苦手です。つい、左手が投入口の位置に来るように右側によって立ちます。
もしこの投入口を真ん中に寄せれば、左利きの人はもちろん、右利きの人でも右手に荷物を持つ癖があり左手を使わねばならない人にとっては、従来のものよりずっと便利になるはずです。左側にあればベストですが、今までよりは進歩したことになり、ベターといえるでしょう。
一方、右利きの人はどうか。確かに多少は不便になるかもしれません。しかし、左側になるよりはましです。これで幾人かの人の不便が解消されるとなれば幾ばくかの満足感も得られるのではないでしょうか。
左手を使う人にも多少の不便。右手を使う人にも多少の不便。でもどちらの場合もさほど困りはしない。
こんな平等があってもよいのではないでしょうか。
平等に不便になる選択―こんな方法もおもしろいかもしれません。案外、ユニバーサルデザインの基本かもしれません。
少数派からの提案です。
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