私には夢がある"I HAVE A DREAM" speech―わが左利き活動のバックボーン―
“開幕戦の舞台となったアトランタは「わたしには夢がある」の演説で知られる公民権運動の指導者、キング牧師が生れ育った場所。「世界一のショートになる」。夢の実現にむけ、最高のスタートを切った。”
アメリカ大リーグ・メッツに入団した、松井稼頭央内野手のその開幕戦での、初球ホームランを含む二塁打2本3打点の大活躍を伝える4月7日産経新聞夕刊記事で佐藤正弘氏は、こう締めくくっています。
キング牧師(アメリカでは、ドクター・キングと呼ばれます)のこの有名なスピーチを織り込んだこの記事に私は大いに感動しました。思わず目頭が熱くなり、やったぜ松井、これからもがんばれよ、と心の底から叫びたくなりました。
この「お茶でっせ」を始めた時(2003.12.23)に私は「左利き宣言」を発表しました。その中でこのドクター・マーティン・ルーサー・キングDr. Martin Luther Kingの「I HAVE A DREAM 」スピーチにふれました。
このスピーチこそ私の左利き活動のバックボーンともいうべきものなのです。
この中で彼は肌の色の違いによって差別されることのない社会の実現を訴えました。私は、利き手の違いによる差別のない社会の実現を訴えたい、と思ったのです。
私が初めてこのスピーチを知ったのは実は大人になって、それもかなりしてからのことでした。
生れて初めて自分自身の左利き用品を手にし、海外には左利き用品の専門店や左利きの人のための会があり雑誌があるということを『モノマガジン』という雑誌で知り、左利きに「目覚めた」私はぜひこのような世界に近づきたいと思うようになりました。
そのためにはやはり英語を勉強しなければ、と考えた私はNHKのラジオ「基礎英語」「続基礎英語」(当時)の放送で勉強を始めました。
そしてその「続基礎英語」で、このスピーチと出会いました。
ここにその最も有名な部分を紹介しましょう。
"I HAVE A DREAM" speech in 1963 by Dr. Martin Luther King, was born in Atlanta, Georgia, on January 15th 1929.
I say to you today, my friends, so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream. It is a dream deeply rooted in American dream. I have a dream that one day this nation will rise up, live out the true meaning of its creed: “We hold there truths to be self-evident, that all men are created equal.”
I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream today.
今日皆さんに申し上げたいのは、たとえ今日や明日が難しかろうとも、私には夢があるということです。それはアメリカンドリームの奥深くにある夢です。いつかこの国が立ち上がって、「人間はすべて平等に造られているという真実を我々は自明のことと思う」という信条の本当の意味を全うするという夢です。
いつの日か私の四人の小さな子どもが皮膚の色よりも人間性の中身によって評価されるという夢です。今日私には夢があるのです。
斎藤誠毅訳『NHKラジオ続基礎英語1993年1月号』より
それ以来私はこの言葉を心の中で唱え続けてきました。"I HAVE A DREAM"「私には夢がある」と。
そしていつしか、左利きの活動を始めるようになっていたのです。
この夢の実現のために。
左右共存の社会の実現のために。
*キング牧師―人種の平等と人間愛を求めて (岩波ジュニア新書)
辻内 鏡人
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