『のら犬ローヴァー町を行く』マイクル・Z・リューイン
『のら犬ローヴァー町を行く』 ROVER'S TALES マイクル・Z・リューイン (田口俊樹訳)早川書房
マイクル・Z・リューインは私の好きな作家の一人で、<心優しき知性派>私立探偵アルバート・サムスンのシリーズが特にお気に入りです。
で、ローヴァーです。その名のとおり放浪者である一匹の犬を主人公にしたハードボイルド犬物語。
ちょっとサムスンに似ているかもしれませんね、その性格は。ただサムスンより、格闘では強いかも。
猫が嫌いで、徒党を組むのが嫌いで、家に縛られるのも嫌というまさに一匹狼ならぬ一匹犬。でも女性(雌犬です、当然)は好きで気に入った女性には優しく迫って…。若者をちょっとすぎた分別ある中年と言うところでしょうか。まだまだ若いものには負けない体力もある。気力もある。ちょっとおせっかいなところもあるが、悪いやつらは許せない。困ってるやつは見捨てて置けない。でもホントはちょっとロマンチストかも。
というわけでいく先々で出会う犬たちのトラブルに巻き込まれながら、時には人を懲らしめあるいは助け、独立心旺盛な一人前の自由犬として生きてゆく。
世の中がよくなる可能性など、あってなきに等しいものかもしれない。それでも、自分が世の中にいなければ、その可能性はゼロになる。参加もせずに勝てるゲームなどありはしない。
38のエピソードからなる、小品。挿絵もかわいくて、犬好き、動物好き、人間嫌い(?)なら楽しめるかも。
とはいえお子様よりは大人向け、オッチャン向けかもしれません。
私の好みの一編は、やはり「プリンセス」ですね、ロマンティストですから。
寝る前にポツリポツリと一話ずつ読んでみるのが正しい本書の読書法かなぁ、と思います。
放浪する犬といえば、昔のテレビ番組で「名犬ロンドン物語」というのがありました。お話は……(この項続く?)
*マイクル・Z・リューインのホームページ(日本語のあいさつ文がある)
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Comments
はじめまして。
1年遅れですが、当館でも「ローヴァー」を紹介いたしました(書いた後でこのページに気がつきました)。よろしかったらご笑覧ください。奇しくも同じ箇所を引用しています。名セリフですよね。
Posted by: びんぞこ館長 | 2005.04.02 09:06 PM
びんぞこ館長さま、初めまして、コメントありがとうございます。
一年遅れのコメント、お気遣い無用。本好きのド近眼、という共通項を持つ人との出会いはうれしいものです。図書館はいつもお世話になっているので、一段と親近感が増します。
私も、マクリーンの『女王陛下のユリシーズ号』(圧倒的!)、ヒギンズの『脱出航路』(『鷲―』よりこっちや『死にゆく者への祈り』?でしたっけ、の方が好き!)、ライアル(航空ものの何とかの方が好き。最近とみに記憶力が…。)なんか昔読みましたね。ホーンブローワー?なんかも好きでした。ディック・フランシスも大好きな作家でした。残念ながら、ジョン・ボールは読む機会に恵まれぬままでした。
これからもよろしく!
Posted by: レフティやすお | 2005.04.02 11:54 PM