左利きのやっちゃんの嫌な言葉
私のいちばん嫌(いや)~なことば――それは「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
春は新しい出会いの季節です。期待と不安を胸に新たな世界へ飛び出してゆくとき――楽しみな反面、こわい所もあります。特に新しい人との出会いには。
「○○君は、ぎっちょか!? 器用やなぁ。」
初めて会う人から言われるいちばん嫌なことばです。
「ぎっちょ」の部分は、最近は「左利き/サウスポー」と表現されます。ここまでは事実を指摘している内容ですので仕方ありません。が、このあとの「器用やなぁ」という発言には大いに問題があります。
このことばだけを取るとほめことばのようですが、何を指すかによって変わってくると思うのです。
右手であれ左手であれ、利き手を起用に動かせるのは、当たり前のことですから――
〔ぎっちょ/左利きの人〕=〔器用な人〕 という発想ならば、それは文字通りほめことばです。
でも、〔ぎっちょ/左手を使うこと〕=〔器用〕
すなわち〔器用〕だから → 〔ぎっちょ/左手を使う〕 という発想ならば、それは明らかにまちがいです。
左利きの人は、自分は器用だから「右手でもできるのに、わざと左手を使っている」というわけではなく、右利きの人が無意識に右手をつかうのと同じように、「自分の意志にかかわらず、ごく自然に」左手が動いてしまうのです。
ただ単に、左手が利き手だから、器用に動くだけです。
もちろん、発言者はそんな厳密な意味を考えて話しているわけではなく、何も考えずに、ちょっとした話のきっかけといった程度に、単純に軽い気持ちで自分の驚きをあらわしているにすぎません。
しかし、私にはうわべだけのことばと聞き流すことができません。このような発言に接するたびに、何かバカにされている、茶化されているように思えてならないのです。
これは単に、私の思いすごしにすぎないのでしょうか?
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Comments
先日は私の書き込みにコメントしてくださり、有り難うございました。
実は私、左利きフェチ(って言うかな)なんです。
喫茶店や通勤の車内で左利きの人を見ると、つい観察しちゃいます。
左利きの何が好きかって言われると、説明が難しいのですが、例えば仕草。
右利き用の道具を使うとき、横書きで文字を書くとき、ご本人は不便と思っているはずなので、大変失礼かと思うんですが、なんとなく惹かれます。
右手につけた腕時計も何だかカッコよく見えたりして。
人とは違うとか特別っていう風に見えるのかな。
あと、左利きの人はある意味器用な人が多いと思いますよ。
姉は、右利きの人(母)がセーターを編むのを見て、対面のまま裏返しで編み方を習得しました。
普通は、母が後ろに回って背中側から手をとって教えるのですが。
なんか、まとまりが無いコメントで失礼しました(^^;
Posted by: 神渡 りり | 2004.03.04 01:11 PM
やっちゃんです。
りりさん、コメントありがとうございます。
左利きに魅力を感じると聞くと、正直うれしいです。
たまに左利きにあこがれているという方もおられますが、これもちょっとうれしいです。
でも、子供のときは「ふつう」というか「みんなといっしょ」の方がよかったな、と思ってました。
左利きの人って、口に出さなくともまわりに気を使ってる人が多いのですよ、お姉さんもきっと…。
でもりりさんやお母さんのようにわかってくれる人がそばにいると、助かりますが。
またよかったら、遊びに来て下さい。
Posted by: レフティやすお | 2004.03.04 11:23 PM
レフティやすおさん。いかがお過ごしですか。日ごろは当方の
blogによくコメントをくださり、たいへんうれしく思っており
ます。おかげさまで、もうすぐアクセス1000件になるとこ
ろです。それもこれも、レフティやすおさんがweblogを紹介し
てくださったからです。確かに言葉というものは、とらえ方に
よっては、いろいろに解釈できますね。「器用だから左手も使
える」と見られるのも、左利きの方にとっては、複雑な気持ち
になるかもしれません。言葉には気をつけたいものです。
Posted by: ミスター投稿 | 2004.03.05 10:07 AM
投稿さん、コメントありがとう。
無意識に使う言葉、難しいですね。
自分ではそんなつもりはないのに人を傷つけてしまうときがあります。
これはある程度は仕方ないと割り切らねばならないのかも知れません。私たちは神様ではないのですから。
ただ同じ過ちを二度繰り返さないということでしょうか。
また遊びに来て下さい。お待ちしてます。
Posted by: レフティやすお | 2004.03.05 11:35 PM