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2004.02.15

『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子

『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子 角川ホラー文庫
表題作ほか、「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」を収録
「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞、短編集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞

「ぼっけえ、きょうてえ」とは、岡山地方の方言で「とても、怖い」の意

こういう話を読むと「女は怖い」と思う。でも男が悪さしなければ女もそんな怖くはならぬ、という声も聞こえる。
しかし男はそういうものだ、これは男の性よ、しかたがねえ、という気もする。それはないわ、それを言うなら女もそうよ。

女の怖さは、男にしかわからぬ、とも思う。女の怖さは、平気でうそつく怖さだ、ばれないうそをつく怖さだ。
その点男はかわいいもんよ、すぐにばれるうそしかつけぬ。女は男のうそはすぐに見破る、どこに違いがあるのやら、男の身にはわかりゃあせぬ。

この世で一番怖いもの、それは女の身と心。世界で一番怖いもの、それは男の身と心。そうかも知れぬ。そうかも知れぬ。
そう思うのである。


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