『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子
『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子 角川ホラー文庫
表題作ほか、「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」を収録
「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞、短編集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞
「ぼっけえ、きょうてえ」とは、岡山地方の方言で「とても、怖い」の意
こういう話を読むと「女は怖い」と思う。でも男が悪さしなければ女もそんな怖くはならぬ、という声も聞こえる。
しかし男はそういうものだ、これは男の性よ、しかたがねえ、という気もする。それはないわ、それを言うなら女もそうよ。
女の怖さは、男にしかわからぬ、とも思う。女の怖さは、平気でうそつく怖さだ、ばれないうそをつく怖さだ。
その点男はかわいいもんよ、すぐにばれるうそしかつけぬ。女は男のうそはすぐに見破る、どこに違いがあるのやら、男の身にはわかりゃあせぬ。
この世で一番怖いもの、それは女の身と心。世界で一番怖いもの、それは男の身と心。そうかも知れぬ。そうかも知れぬ。
そう思うのである。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 渡瀬謙の新刊『トップ営業を生み出す最強の教え方』を読む(2019.12.02)
- クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ(2019.11.30)
- 私の読書論125-読書生活書籍購入50年(4)リアル編初期(20代前半)ベスト3(2019.11.15)
- 中国の古代思想を読んでみよう(33)『孫子』後編(2019.10.31)
- 私の読書論124-蔵書と人生(2019.10.15)
Comments