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2004.01.27

再び「左利き」または「利き手」の問題を考える

私の記事「「左利き」または「利き手」の問題を考える」にいただいたTBでそんちょさんちの「言戯」が大賑わいになっています。これひとえにWeblogの威力というものなのでしょう。(印籠でも取り出したい気分です!)

さてコメントされた方々、右利きさんのSYUNJIさんと両利きのそんちょさん、左利きにあこがれるというディンヒルさん、「わが夫」が左利きという編み助さん、それぞれのご意見拝読し、思ったところ書いてみます。
 
まず共通するのは、なんらかの形で左利き・左手使いである、もしくは近くにそういう人がいる→大なり小なり左利き・左手使いにふだんから関心がある、という点です。

左利き・利き手に関心を持つ人は、それなりの理由があるということです。

この問題に興味を示さないのは、「自分の問題」にならないからです。多くの右利きの人が関心を持たぬ、興味を示さぬのは、人ごと以外のなにものでもないから。
しかし本当にそうなのでしょうか。
大部分の左利きの人は、この世の中を「右利き偏重社会」と認識しています。一方右利きの人にはその認識はありません。「右利き」が「当たり前」「ふつう」のことと思い込んでいるからです。
多くの右利きの人たちは「ふつう」の人間にとってより使いやすいものを作ろうとして、多くのものを「右利き仕様」に変えてきました。
「字」もまたそういうもののひとつと考えられます。「字は右利き用に作られている」のではなく、「右利きの人が使いやすいように改変されてきた」のです。
筆順も習字・書道における「とめ」「はね」なども文字が作られた発生期からセットで作られたものとは思えません。永の年月の間に右手で書く人々がひとつのルールに仕上げた行ったものだろうと考えます。(あるいは、勝手に規則を作ってナニナニ流などと名乗って銭儲けした人によって作られたのかもしれませんが。)

マウスでも「人間工学に基づく」といっていかにも右手に馴染み易そうな曲線をつけたものが出回っています。しかし誰が「人間」はマウスを右手で使うと決めたのでしょう。右利きの人です。(たぶん、限りなく100%に近い右利き!)ここには、右手以外で使う人のことは考慮されていません。

もちろん今あるこの「右利き社会」は右利きの人たちの血と汗と涙の結晶でもあります。右利きの人が少しでも使いやすいものに改良しようと努力した結果生れたものです。右利きの人にとって利き手の存在まで忘れられるほどに自然な動作ですべてがまかなえる世界を作ることができました。とはいえまだまだ理想には遠いものかもしれません。なお日夜新たな取り組みが行われているのでしょう。先のマウスのように。

左右対称形にすれば誰でも使えるものを、右利きの人が少し楽をするために右よりに「改良」することで、左利きの人に不便なものにしてしまうという事態を考慮していないことに、左利きの人は憤りを感じるのです。先のマウスのように。

かつて、身障者のことなど考えずに、町中に階段や段差のある出入り口がありました。公共の建物でも。しかし今では、バリアフリーといって段差の解消に取り組んでいます。身障者が自分の力で社会に出られる世界に変えてゆこうとしています。

今までのように、右手にしか使えないもの、右手でより使いやすいもののみを作って、右利きの天国を作る「右利き偏重社会」も変革を強いられるようになってくるのではないかと期待しています。

ただ現状では「左利き」は、障害ではない、として見放されているようです。ユニバーサル・デザインの研究においても、かならずしも左手使いは考慮に入れられていないという話です。

左利き用品は確かに増えています。市民権を得る傾向です。しかしまだまだ普及しているとはいえません。種類も少なく価格も高く選択権がない、あるだけでもええとせなしょうない、というのが現状です。

ものに関してはこのように個人の力で何とかできる可能性が出てきました。しかし、左利きの人がホントに悩むのは、精神的なものです。まだまだ左利きの対する偏見、誤解、無理解がはびこっています。

以下、次回―

SYUNJIさんのご提案の左側にもついてる自動改札うんぬんは、HP「レフティやすおの左組通信」「レフティやすおの左利き私論/はじめに/左利きの現状について」で左右共存社会の一例として記述しています。ぜひご参照ください。

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