楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)ウォーミングアップ-週刊ヒッキイ第697号
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】
第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」
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8月以来の「楽器における左利きの世界(34)左利きの
ヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える」の
三回目です。
第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(33)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.8.2
週刊ヒッキイ第697号-
楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-d94232.html
過去6回に渡ってご紹介しました、
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章をヒントに、
私なりに左利きにおける楽器の演奏について考えてみよう、
という企画です。
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◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
{左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -
左利きと楽器演奏について考える
左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ
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●まつのじん(松野仁)さんの左利きエッセイ
まつのじん(松野仁)さんの本とサイトの左利きエッセイは下のとおり
↓
著作:
『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅
未來社 1992/1/1
(Amazonで見る)
a.「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>
第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a
サイト:
まつのじんのエッセイ&書評 Essays(Japanese)
b.「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e8%80%83/
第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d
c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/
●左(手)利きならでは! の動作
今回は、c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
から、主に「左利きヴァイオリニストあるある」についてのご意見を
みてみましょう。
第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.1
週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
↑でも書いていますが、
基本的には、左手が利き手の左利きの人が、無理をして、
右手を右利きの人と同じように使って演奏することから来る、
違和感といいますか、不都合な部分が表に出ている状態を指している、
と考えられます。
私に想像できる範囲でしかお話しできませんが、
【演奏編】におけるまつのさんの「左利きアルアル」(1)~(31)
《●左(手)利き弓弦楽器演奏者の「このような体験ありませんか?
弓を右手にもつ「苦労」も満載ですが、左(手)利きならでは!!の
動作もあります。》
は、ほぼ皆それに尽きるように感じられます。
上記メルマガでも筆者が書きましたように、
《左利きゆえに、利き手ではない右手に持った弓を
繊細・微妙に動かすことは難しい》
という現実です。
●<ウォーミングアップ>が必要な左利き演奏家
次に「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」のパートです。
例えば、弓の動きに関する項目――
冒頭、<突撃する弓>という段落で、
(1)(2)(3)について説明されています。
《右(手)利きの方にとっては、どうして雑音が発生したり、
演奏途中に右手の持つ位置が変わったりするのだろう》
という疑問に、
《「着地点がわからないままジャンプしてしまったような感覚」》
と説明されています。
弓の長さの感覚が認識できていないのだ、と。
次の<ウォーミングアップ>では、
右利きの人には不要なウォーミングアップが必要だ、と。
これはよく左利きの人が右利き用の道具(例えば、一眼カメラのような)
を使うときに言う台詞「慣れればいっしょ」という言葉を連想させます。
筆者に言わせれば、右利きの人は、右利きの用の道具を使うとき、
そのような「慣れる」ための「ウォーミングアップ」は不要なのです。
それは自分の「身体に合っている」からです。
筆者が、初めて左手用のカメラ「京セラSAMURAI(サムライ)Z2-L」を
手にしたときのことを思い出します。
その時、今までどのようなカメラを手にしたときも感じることの
できなかった「フィット感」を抱きました。
今初めて手にしたのに、もうずっと昔から使ってきたような手応えが
ありました。
新しいカメラで写真を撮るというのに、まったくの違和感なく、
手に、身体に馴染んだ状態で取ることができました。
まさに「自分のために作られたカメラだ」と実感したものでした。
「左利きの人は左利き用の道具を!」という思いを抱かせた体験でした。
左利き活動を始めるきっかけになったのは、当然のことと思えます。
それに対して、身体に合っていない道具を使う、
右弾きの左利きヴァイオリニストの場合は、
右利き用の楽器に「慣れる」ための「ウォーミングアップ」が欠かせない
ということになります。
以下まつのさんの「企業秘密」が明かされます。
例えば、
《右手が把握(認識)できる距離感を手と脳で感じ取りながら、少しずつ
距離を増し、弓先まで手元が認識できるよう広げてゆきます。》
とか。
そして、いよいよ、
《仕上げのウォーミングアップ〈左(手)利き編〉の時》
が来たといいます。
《うまくゆくと、音の出発点から〈左(手)利きコントロール〉の
「見せ場」&「聴かせどころ」となるでしょう。》
●<自分の指なのに…>
ここで、指使いのうまい右利きの演奏家をみると、
《手と弓が一体化している印象を受けます。》
と。
《指先の細やかな動きが求められる楽器演奏は、
脳と指先の関係が重要です。》
脳と指の関係、さらに、手と弓の関係についても語っておられます。
自分の指なのに、思うように動かせない、という不思議。
だからこそ、ウォーミングアップが必要なのだ、ということでしょう。
●<右手は今どこにいるのだろう…>
手(指)と空間の認識のようすを知るために、
眼を閉じて、両手の人差し指先を眼の高さで合わせてみましょう、
ぴったり合うといいですね、と。
《どちらかというと利き手の指先の意識が高く、非利き手の指先を
そこに近づけてゆくスタイルが多いのではないでしょうか。
非利き手が空間をさまようことがよくあります。》
と。
《ヴァイオリンやヴィオラ を演奏する時、音程を押さえる指や弓の
当たるところを目視する余裕はありませんし、見たところで定まる
というものではありません。むしろ見ない方が、
直感力や空間の認識力が鍛えられます。》
と。
私たちは、利き手を中心に生活しているのだと思います。
利き手を意識しない人(主に右利きの人に多いようです)でも、
無意識の内に利き手を主体に使って、生活のすべてを規定している
ように思います。
一方、非利き手は、どちらかというと、見捨てられている、
あるいは、無視されていて、日常の用を満たす機会が与えられていない
ことが多いようです。
しかし、両手には、それぞれ役割があると言います。
利き手には利き手の、非利き手には非利き手の役割が。
知らず知らずに、使い分けしているのです。
右利きの人は右利きなりに。
左利きの人は左利きなりに、といいたいところですが、
左利きの人の場合は、ちょっと違ってくるようです。
それは、社会が右利き仕様になっていることが多いので、
左利き本来の姿としては、
ここで左手を利き手として使いたい場面であるのに、それができない。
そういう状況が生まれているのです。
まつのさんのヴァイオリンという楽器の場合もそうです。
本来は利き手ではない非利き手である右手を、
利き手のように使わなければいけない状況に追い込まれている。
一歩、利き手を非利き手のような使い方を余儀なくされている。
こういうケースは、楽器演奏だけではなく、
日常のありとあらゆるところで出くわしています。
筆者が問題とするのは、そういう部分です。
単なる不便で済むのなら、まだ良いのですが、
それが左利きの人の心、精神に及ぼす影響というものも、
かなりの部分あるのではないか、という気がしています。
●利き手は「心」を反映する
結論として、筆者は、当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、
右利きの人たちと同じように、
「利き手で弓を持って演奏する」方が自然で、
左利きの人の場合は、左手に弓を持って弦を弾く、
そういう演奏スタイルこそが、自然だと思うのです。
演奏しようと思えば、利き手が先に動いてしまう、のですから。
「左利きの人は左弾きで!」
それが演奏に「心」を反映する一番の方法だ、と。
なぜなら筆者の持論、「利き手は心につながっているから」です。
無意識のうちに勝手に「心」を反映して動くのが、利き手。
「心」のままに意識的に動かそうとしないと、
意志的な動きができないのが、非利き手。
筆者はそのように理解しています。
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(34)左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える(3)ウォーミングアップ」と題して、今回は全紹介です。
無理からに筆者の持論にもっていっているのでは? と思われるかもしれませんが、それはありません。
「利き手は心につながっている」というのは、利き手の偏りの強い人なら、誰でも感じるところではないか、と思っています。
利き手の要件として「好み」というのがあります(もう一つは「巧みさ」です)。
なにかのとき、ついつい出る手が利き手。
何かしら使ってしまうのが、利き手というものです。
眼の前にモノが飛んできたとき、身を守るべく、手を上げて払う時など。
本文でも書いていますが、左利きの人が右用の道具類を使う時に「慣れたらいっしょ」という、この「慣れ」といわれるのは、まつのさんのいう「ウォーミングアップ」のことだったのだ、と理解できました。
誰でもある程度のウォーミングアップは必要だと思われるかも知れませんが、身体のあった道具を使う時には、不要なのだと思います。
右利きの人たちはそういう風にかる~く生きているのですよ。
左利きなのに、右利き用を使うから、そういう余計な作業が必要になるのだ、と。
これは筆者の実感なのです。
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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