2017.03.26

アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』を読む

前作『湿地』につづき、二年連続で北欧ミステリの“ガラスの鍵”賞を受賞し、さらにミステリの本場イギリスの“CWAゴールドダガー”賞を受賞したという名作で、『湿地』は日本でも好評を博し、期待値が上がっての登場です。
私も前作は大いに楽しみました。

2017.3.22
アーナルデュル・インドリダソン『湿地』を読む


期待を持って臨んだこの作品も、期待以上、といっていい出来でした。

『緑衣の女』アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子訳 創元推理文庫 2016/7/11

地元のパーティで赤ちゃんがしゃぶっていたものを人骨(肋骨の一部)と医学生が見抜く、という発端がなかなかです。
それは、子供が工事中の新興住宅地で見つけ、宝物としていたものだった。
アイスランド・レイキャヴィクの警察のベテラン犯罪捜査官エーレンデュルと、前作でも登場した二人の同僚、シグルデュル=オーリとエリンボルクが捜査を担当する。
かなりの年代物(戦前のものか?)と判明し、考古学者による発掘が行われる。
手を挙げた状態で埋められていたことから、被害者は埋められた時点ではまだ生きていたと考えられる、という。

かつてこの場所の近くにはサマーハウスが建てられていて、イギリスやアメリカ軍のキャンプのバラックも設置されていた。
当時の生存者から、この地のそばにあるスグリの木立の辺りでよく“いびつ”な“緑衣の女”の姿が見られたという証言を得る。
さらに、サマーハウスの持ち主の婚約者が失踪していること、どうやら子を身ごもっていたらしいことも判明します。
はたして遺骨の主は誰なのか、また犯人はいかなる人物なのか……。

事件?の捜査と並行して、悲惨なDV(家庭内暴力)の様子が語られます。
妻の連れ子の娘と夫との男兄弟二人の目の前で、夫は妻を言葉と肉体で暴行します。

それに加えて、捜査官エーレンデュルの麻薬中毒の妊娠中の娘から救助の要請の電話が入り、彼は探索の結果、血まみれの姿の娘で発見します。
生死の境をさまよう娘に付き添い、忌わしい記憶となっている少年時代の思い出を語るエーレンデュル……。

この三つの話を交えて語られるのは、家族とは、家族の絆とは何か、愛とは、人と人との関係とは何かといったことであり、子育てや教育の力とは、といった人生の疑問の数々です。


救いのないDV描写は苛烈ですが、ミッケリーナという女性の存在が救いになっているように感じました。
ラストも悲劇的な中に何かしらホッとするところもあるように思います。

こういうDVを受け入れてしまう女性に関して、色々な意見があるかもしれませんが、私には理解できるところがあります。
ある種の人たちにとって人生というものは、受け入れるしかないものであり、ただ耐え忍ぶしかないものなのです。
嵐がゆきすぎるのを身を低くして、ただただ我慢して時がたつのを待つだけ、なのです。

人をして、そういう人生を送らせてはいけないのだ、ということです。
そのためには子供のころの育て方が重要なのだ、ということです。


前作では強姦事件、今回はDVとかなり厳しい状況を取り上げていますが、その根底にあるこの作家の家族の在り方をテーマにする姿勢にとてもいい印象を持っています。

ミステリ的にも、冒頭の謎といい、中盤の展開といい、ラストの意外性(謎の解決そのものというよりそれ以外の面で)といい、非常によくできた作品でした。

エーレンデュル自身に関しても、次作への興味を持たせるラストでもありました。

*次作:
『声』柳沢由実子訳 東京創元社 2015/7/29


*前作:
『湿地』柳沢由実子訳 創元推理文庫 2015/5/29

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2017.03.22

アーナルデュル・インドリダソン『湿地』を読む

『湿地』アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子訳 創元推理文庫 2015/5/29


北欧ミステリの“ガラスの鍵”賞を受賞した、アイスランドの作家によるレイキャヴィクの捜査官エーレンデュル・シリーズ第三作(2000)で、アイスランド語ではなく、比較的近いというスウェーデン語からの重訳による、2012年本邦初紹介作。

レイキャヴィクの湿地地帯の集合住宅の地下室の貸し部屋で殺された老人。
明らかに突発的な殺人と思われるのだが、犯人は三語からなる書き置きを残していた。

捜査に当たるエーレンデュルは、被害者がかつて強姦の疑いで、女性から訴えられたが無罪となっていたことを探り出す。
その時の女性はその後、四歳で子供を亡くし、自殺していた。

子供の墓碑に刻まれていた言葉は、《邪悪なものの脅威からわたしの命をお守りください》であり、聖書をよく読んでいるエーレンデュルにはその出典がすぐに分かった。
それは、聖書詩篇第六十四篇の言葉であり、彼女の墓碑のために遺したのかもしれない言葉は、それに先立つ《神よ、悩み訴えるわたしの声をお聞きください》だった。

子供の死因は、今回の被害者の姪と同じ遺伝性の病気だったかもしれない、という。

隠せるものも隠さず、不器用で“典型的なアイスランドの殺人”だというのですが……。


アイスランドの北の湿地のジメッとした風土と連日の雨のなかの捜査を背景に、強姦魔と遺伝性の病気、家族(血筋)の絆と悲惨な運命、それを乗り越えようとする思いと現実のつらさ。
しかし、エーレンデュルの棄てた家族――中でもヤク中の娘エヴァ=リンドとの関係を交えたストーリーが悲しくも温かい。

我慢を続けていたエーレンデュルが思わず、エヴァ=リンドに怒りをぶつけるシーンは、巻末の川出正樹さんの解説にもあるように、一つのクライマックスでした。

犯罪といい、エーレンデュルの私生活といい、悲惨な状況の中にも事件解決に至るなかで、人間への信頼や家族の絆に関して、ある種一抹の救いが感じられる物語です。


ミステリ的には、特別に仕掛けがあるわけでもなく、純粋な警察捜査小説。
アナログなベテラン刑事とアメリカで犯罪学を学んだアメリカかぶれ?の若手刑事と中間世代の女性刑事の取り合わせもよく、ストーリーの展開も鮮やかに、短い章立てで一気にページを進めさせます。

トレヴェニアン『夢果つる街』や、警察小説ではないけれどデニス・ルヘイン『ミスティック・リバー』等を思い起こしました。

評判は聞いていたので、いつか読もうと思いつつ、つい最近まで読まずにいました。
タイトルからしても、ストーリーの紹介など見ても、なんとなく重い感じがして。

女性には辛い部分もあるかと思いますけれど(男性でもね)、著者も発言されているように、現実をしっかり見つめ、描く必要があると思います。

CWAゴールドダガー賞受賞という次作が楽しみです。


*他のアーナルデュル・インドリダソンの作品
『緑衣の女』柳沢由実子訳 創元推理文庫 2016/7/11

『声』柳沢由実子訳 東京創元社 2015/7/29


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2017.03.15

私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編

―第195号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2017(平成29)年3月15日号(No.195)-170315-
「私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編」

本誌では、今回は「幼少期編」(小さいころから小学校時代あたりまで)に続き、小学校5年生の夏休みの課題のプリントから父親に買ってもらった本の思い出です。

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(画像:上=少年少女新世界文学全集第37巻 日本古典編(2)・下=雨月物語)


講談社から出版された、お子様向けの文学全集の一冊、『少年少女新世界文学全集第37巻 日本古典編(2)』です。
この本には、三つの長編と一つの短編集が収録され、他にも俳句がいくつか紹介されていました。

「太平記」「雨月物語」「八犬伝」「東海道中膝栗毛」
それぞれ軍記や怪奇短編、伝奇小説、滑稽本です。

私が後年、幻想と怪奇の短編や、冒険ものを好むようになった原点がここにあるのかもしれません。
そういう意味でまさに、〈私をつくった本〉と言えるでしょう。

今一番好きなのは、『雨月物語』ですね。
当初は、「夢応の鯉魚」のようなファンタジー系のものでしたが、だんだんと「蛇性の淫」のようなものを好むようになりました。

「蛇性の淫」好きは、東映動画のアニメ『白蛇伝』を見た影響もあるのでしょうね。

 ・・・

詳細は本誌で!


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


*参考:
◎「太平記」◎
【入門書】
『太平記』長谷川端/訳 小学館〈日本の古典をよむ〉 2008/03


◎「雨月物語」◎
【現代語訳】
『雨月物語』上田秋成/作 高田衛、稲田篤信/訳 ちくま学芸文庫 1997/10


◎「八犬伝」◎
【入門書】
『南総里見八犬伝 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』石川博/編訳 角川ソフィア文庫 2007/10


◎「東海道中膝栗毛」◎
【入門書】
『現代語 抄訳で楽しむ 東海道中膝栗毛と続膝栗毛』大石学/監修 KADOKAWA 2016/9/22


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2017.03.06

ロバート・F・ヤング『時をとめた少女』を買う

以前、発売予定を紹介しました記事↓に書いた
2月23日に発売されたロバート・F・ヤングの短篇集『時をとめた少女』を、25日買ってきました。

2017.2.8
ロバート・F・ヤング新短篇集『時をとめた少女』2月23日発売

Rfyoung


4冊すべて、日本オリジナル短篇集です。

【ロバート・F・ヤング 日本オリジナル短編集】
『ジョナサンと宇宙クジラ』伊藤典夫編訳(ハヤカワ文庫SF/1977→新装版2006/10)
全10編


『ピーナツバター作戦』桐山芳男編(青心社/1983→新装版2006/12)
全5編


『たんぽぽ娘』伊藤典夫編(河出書房新社《奇想コレクション》/2013→河出文庫2015/1/7)
全13編


*参考:2013.05.27
たんぽぽ娘 (奇想コレクション)ロバート・F・ヤングを買う


先の『たんぽぽ娘』が長年待たれた傑作選だとすれば、今回の短篇集は落ち穂拾いといった感じでしょうか。


『時をとめた少女』シライシユウコ/イラスト 小尾芙佐・深町眞理子・岡部宏之・山田順子/訳 ハヤカワ文庫SF 2017/2/23
全7編


〔収録作品〕
わが愛はひとつ One Love Have I 深町真理子訳 [SFマガジン 1971年10月号
妖精の棲む樹 To Fell a Tree 深町真理子訳 [SFマガジン 1972年7月号
時をとめた少女 The Girl Who Made Time Stop 小尾芙佐訳 [SFマガジン 1972年6月号
 『見えない友だち34人+1』集英社/コバルト・シリーズ(1980/09/15)
花崗岩の女神 Goddess in Granite 岡部宏之訳 [SFマガジン 1969年9月号
真鍮の都 The City of Brass 山田順子訳 [SFマガジン 1986年6月号》
[長編化作品『宰相の二番目の娘』(山田順子訳 創元SF文庫)の原短編
赤い小さな学校 Little Red Schoolhouse 小尾芙佐訳 ★本邦初訳
約束の惑星 Promised Planet 山田順子訳 ★本邦初訳
解説/牧眞司


内容については、未読ですので、何も言えません。
またいずれ書いてみます。


*参考:
【ロバート・F・ヤング 長編化作品】
『時が新しかったころ』中村 融/訳 (創元SF文庫)2014/3/22
―原題"Eridhan"(1983) 「時が新しかったころ」"When Time Was Young"を書きのばしたもの


『宰相の二番目の娘』山田 順子/訳 (創元SF文庫)2014/10/31
―原題"Vizier's Second Daughter"(1985) 中編「真鍮の都」"The City of Brass"を書きのばしたもの

二冊ともいかにもヤングらしい作品になっています。
新たなアイデアを加えて、ストーリーにも変化を持たせ、でも、ヤングらしさは変わらず、より楽しめる作品になっていました。
松尾たいこさんのカバー絵もかわいらしくて、ヤング作品らしさを出しています。


【主なヤング作品収録アンソロジー】
『たんぽぽ娘―海外ロマンチックSF傑作選2』風見潤/編(集英社文庫―コバルトシリーズ 1980/2/15)

―「たんぽぽ娘」(伊藤典夫訳)収録


『見えない友だち34人+1―海外ロマンチックSF傑作選3』風見潤/編(集英社文庫―コバルトシリーズ 1980/9/15)

―「時を止めた少女」収録


『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』中村融/編(創元SF文庫/2009)
―「時が新しかったころ」収録


『時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選』 (創元SF文庫)2013/7/20
―「真鍮の都」収録

他。

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2017.03.05

永久の未完成これ完成である〈宮沢賢治スペシャル〉NHK100分de名著2017年3月

NHK『100分de名著』2017年3月は、名著63「宮沢賢治スペシャル」です。
久しぶりにまた宮沢賢治です。

 ・・・

名著63 宮沢賢治スペシャル

(Eテレ)
毎週月曜日/午後10時25分~10時50分
<再>水曜日/午前5時30分~5時55分、午後0時00分~0時25分

第1回 3月6日放送 自然からもらってきた物語
第一回は、「注文の多い料理店」におさめられた童話などを中心に、賢治と自然との関わり方を読み解き、自然を奥深く感じ取り作品にしていく豊かな感受性を学んでいく。》「注文の多い料理店」「鹿踊りのはじまり」「貝の火」「イーハトーボ農学校の春」
第2回 3月13日放送 永遠の中に刻まれた悲しみ
第二回は、既存の詩の枠内におさまらない新たなものを作りたいという野心と気概が込められた心象スケッチ「春と修羅」、童話「やまなし」などを読み解くことで、賢治が向き合った「生と死」の問題に迫っていく。》詩集「春と修羅」~「永訣の朝」「オホーツク挽歌」、童話「雪渡り」「やまなし」
第3回 3月20日放送 理想と現実のはざまで
第三回は、作品に描かれた賢治の葛藤を克明に読み解きながら、私たちが理想と現実にどう向き合っていけばよいかを考える。 》詩「雨ニモマケズ」、童話「毒もみのすきな署長さん」「土神ときつね」「なめとこ山の熊」
第4回 3月27日放送 「ほんとう」を問い続けて
第四回は、「銀河鉄道の夜」「マリヴロンと少女」などの作品や彼の晩年の生き様を通して、「ほんとう」とは何か、そして、それを求めていくことの意味とは何かを考える。》童話「学者アラムハラドの見た着物」「ポラーノの広場」「銀河鉄道の夜」「マリヴロンと少女」

【指南役】山下聖美(日本大学芸術学部教授)
…「宮沢賢治のちから」「賢治文学『呪い』の構造」等の著作で知られる文学研究者。
【童話の朗読】原田郁子(クラムボン・ボーカル)
【詩の朗読】塚本晋也(映画監督)


○NHKテレビテキスト
「100分 de 名著」宮沢賢治スペシャル 2017年3月
 16作品が照らし出す心の真実

2017年2月25日発売

永久の未完成これ完成である
善も悪も清も濁も、同時に存在する――。

永久の未完成これ完成なり
「人間とは何か」という大きな問いに、独特の感覚で向きあい続けた宮沢賢治。その作品は童話や詩としても読める形式でありながら、世代や時代を超えて愛されてきた。『注文の多い料理店』『春と修羅』をはじめとする諸作品を読み解き、日本近代文学史に屹立する異才の謎に迫る。

【はじめに】 宮沢賢治の豊穣な文学
第1回 自然からもらってきた物語
    「注文の多い料理店」「鹿踊りのはじまり」「貝の火」「イーハトーボ農学校の春」
第2回 永遠の中に刻まれた悲しみ
    「永訣の朝」「オホーツク挽歌」「雪渡り」「やまなし」
第3回 理想と現実のはざまで
    「雨ニモマケズ」「毒もみのすきな署長さん」「土神ときつね」「なめとこ山の熊」
第4回 「ほんとう」を問い続けて
    「学者アラムハラドの見た着物」「ポラーノの広場」「マリヴロンと少女」「銀河鉄道の夜」


【指南役・山下聖美さんの賢治本から】
『NHKカルチャーラジオ 文学の世界 大人のための宮沢賢治再入門―ほんとうの幸いを探して』 NHK出版 (2015/12/25)


『新書で入門 宮沢賢治のちから』 (新潮新書)2008/9


 ・・・

この番組で、宮沢賢治を扱うのは、2011年12月『銀河鉄道の夜』が最初だったのではないでしょうか。
私もその後ほとんど読んでいないので、久しぶりです。

2011.12.6
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK

今回は、いくつもの作品を通して宮沢賢治の世界を扱うようです。

あまり有名でない作品もあり、私の未読のものもかなり登場するようで、楽しみです。
小学5年生の時の授業で、先生が「風の又三郎」を朗読して下さったのが、賢治作品との最初の出会いだったか、と記憶しています。

その後、高校生の時に、当時ラジオで朗読だったかドラマだったか、そういう番組で、賢治の童話をいくつか放送されたことがあり、それをきっかけに新潮文庫の賢治作品集2冊を読んだものでした。

私のお気に入りは、「グスコーブドリ――」や「虔十公園林」。
他には、二大名作ともいうべき「風――」や「銀河鉄道――」、「セロ弾き――」等です。


「永訣の朝」については、東日本大震災後の2011年3月末に、私の出しているメルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』特別編 でふれています。

2011年3月31日号(No.54)-110331-特別編 宮沢賢治の詩「永訣の朝」


今回紹介されるのは、あまり有名でない作品も多く、どのように読み解かれるのか楽しみです。


【新潮文庫の宮沢賢治作品集】
『新編 風の又三郎』 (新潮文庫) 1989/3/1
―「貝の火」「虔十公園林」「グスコーブドリの伝記」「風の又三郎」など16編


『新編 銀河鉄道の夜』 (新潮文庫) 1989/6/19
―「マリヴロンと少女」「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」など14編


『ポラーノの広場』 (新潮文庫) 1995/1/30
―ブルカニロ博士が現れる「銀河鉄道の夜〔初期形第三次稿〕」、本物の風の子又三郎の話「風野又三郎」など17編。


『注文の多い料理店』 (新潮文庫) 1990/5/29
―生前唯一の童話集『注文の多い料理店』全編と、地方色の豊かな童話19編、「注文の多い料理店」「雪渡り」「土神ときつね」など


『新編宮沢賢治詩集』 (新潮文庫) 1991/8/1
―「永訣の朝」「雨ニモマケズ」など132編

*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
1 2011年11月放送:2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
2 2011年12月放送:2011.12.6
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK
3 2012年1月放送:2012.1.5
吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK
4 2012年2月放送:2012.1.29
新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK
5 2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月
6 同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで
7 2012年4月放送:2012.4.3
紫式部『源氏物語』NHKテレビ100分de名著
8 2012年5月放送:2012.5.2
確かな場所など、どこにもない―100分 de 名著 カフカ『変身』2012年5月
9 2012年6月放送:2012.6.6
<考える葦>パスカル『パンセ』NHK100分 de 名著2012年6月
10 2012年10月放送:2012.10.2
鴨長明『方丈記』NHK100分 de 名著2012年10月
11 2012年12月放送:2012.12.5
<心で見る努力>サン=テグジュペリ『星の王子さま』NHK100分de名著2012年12月
12 2013年1月放送:2013.1.11
呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月
13 2013年2月放送:2013.2.5
待て、そして希望せよ~NHK100分de名著『モンテクリスト伯』2013年2月
14 2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
15 2013年4月放送:2013.4.11
真面目な私とあなた―夏目漱石『こころ』~NHK100分de名著2013年4月
16 2013年5月放送:2013.5.20
水のように生きる『老子』NHK100分de名著2013年5月
17 2013年6月放送:2013.6.5
生きる喜びは、どこにあるのか?『戦争と平和』トルストイ~NHK100分de名著2013年6月
18 2013年7月放送:2013.7.9
哲学とは、愛である『饗宴』プラトン~NHK100分de名著2013年7月
19 2013年11月放送:2013.11.10
「物語」に終わりはない『アラビアンナイト』~NHK100分de名著2013年11月
20 2013年12月放送:2013.12.11
切り離された者たちへ~ドストエフスキー『罪と罰』~NHK100分de名著2013年12月
21 2014年1月放送:2014.1.21
花とは何か~『風姿花伝』世阿弥~NHK100分de名著2014年1月
22 2014年3月放送:2014.3.4
戦わずして勝つ『孫子』~NHK100分de名著2014年3月
23 2014年12月放送:2014.12.3
生きるべきか、死ぬべきか-シェイクスピア『ハムレット』~NHK100分de名著2014年12月
24 2015年4月放送:2015.3.29
自分を救えるのは自分自身である-NHK100分de名著『ブッダ 最期のことば』2015年4月
25 2015年5月放送:2015.5.5
何もないことを遊ぶ『荘子』-NHK100分de名著2015年5月
26 2015年6月放送:2015.6.2
運命と人間―ギリシア悲劇/ソポクレス「オイディプス王」NHK100分de名著2015年6月
27 2015年7月放送:2015.6.30
ラフカディオ・ハーン/小泉八雲『日本の面影』NHK100分de名著2015年7月
28 2015年8月放送:2015.8.5
自然淘汰による進化「生命の樹」-ダーウィン『種の起源』NHK100分de名著2015年8月
29 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
30 2015年10月放送:2015.10.7
処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月
31 2016年1月放送:2016.1.4
真面目なる生涯~内村鑑三『代表的日本人』NHK100分de名著2016年1月
32 2016年4月放送:2016.4.4
弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月
33 2016年5月放送:2016.5.1
人に勝つ兵法の道-宮本武蔵『五輪書』NHK100分de名著2016年5月
34 2017年2月放送:2017.2.6
欲望から自由になれ-ガンディー『獄中からの手紙』NHK100分de名著2017年2月
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2017.02.28

中国の古代思想を読んでみよう(12)『孟子』を読む (前編)

―第194号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2017(平成29)年2月28日号(No.194)-170228-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(12)『孟子』を読む (前編)」

本誌では、「激しい論争家・孟子」として、『孟子』について書いています。

本誌でも書きましたが、『孟子』は、以前途中まで読んだことがありました。
岩波文庫版の二巻本、上巻の途中まで。

『論語』を読んだ後、『論語』の後は「孔孟」というぐらいだから、『孟子』だろうと思い、読み始めたのです。
ところが、思いのほか気に入らず途中でやめてしまいました。
議論の進め方がかなり強引な印象があったからです。

孔子の言行録と言われる『論語』では、孔子はもっと穏やかといいますか、いかにも好々爺の先生という印象で、「子のたまわく」で始まるものが多く、教科書的でした。

その点『孟子』は、議論から始まり相手を説得するという手法です。

戦国時代における儒家の社会的地位の変化というものもあったのかもしれません。
諸子百家の一人としての孟子が自己の思想を主張するために、より強く出るしかない、ということだったのでしょうか。

まあ、とにかく今回は抄訳本を中心に少しは読めたので、ホッとしています。
リベンジできた、とは言えないかもしれませんけれど。

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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*本誌で取り上げた本:
『ビギナーズクラシックス中国の古典 孟子』佐野大介/著 角川ソフィア文庫 2015/2/25
―抄訳の訓み下し・原文・現代語訳と解説、コラム。


『孟子』貝塚茂樹/著 講談社学術文庫 2004/9/11
―孟子の時代背景の説明から著作『孟子』の解説・抄訳まで。


『中国の思想III 孟子』今里禎(ただし)訳 徳間書店 1996/7
―「解題」と全七篇の抄訳(現代語訳・訓み下し・原文)。 

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2017.02.15

私の読書論90-私をつくった本・かえた本(1)幼少期編

―第193号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2017(平成29)年2月15日号(No.193)-170215-
「私の読書論90-私を作った本・かえた本(1)幼少期編」

本誌では、今回からしばらく(思いついた時に、ですが)「私をつくった本・かえた本」の題で幼少期の読書関係の思い出を綴ってゆく予定です。

私という人間がどのような本に触れてでき上がってきたかについて書いてみよう、というわけです。

今回は、「幼少期編」として、小さいころから小学校時代あたりまで。
次回は、同じく小学校高学年からの予定です。

小学校時代の私を作ったのは、やはり一番は、小学館の学習雑誌でしょう。
これなくして語れない、というところです。

他に本と言えば、教科書ぐらいしか我が家にはありませんでした。

本のない家庭に育ったのです。

それでも、小学館『小学○年生』という学習雑誌は一年から六年まで買ってくれました。
それが我が家の家庭教育だったのでしょう。

あとは、お正月などに子供向けの雑誌を買ってくれるぐらいでした。

本関係以外では、やはりテレビ番組の影響が大きいんでしょうね。

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

*本誌で取り上げた本:
『コンチキ号漂流記』トール・ハイエルダール/著 神宮輝夫/訳 (偕成社文庫 3010)1976/3
―お子様版。

『コン・ティキ号探検記』トール・ヘイエルダール/著 水口志計夫/訳 (河出文庫)2013/5/8
―完訳版。


『翼よ、あれがパリの灯だ』チャールズ・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 (ちくま少年文庫)1977/9
―お子様版。

『翼よ、あれがパリの灯だ』チャールズ・A. リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 (恒文社)1991/10
―完訳版。↓の文庫版の復刊単行本(?)。

『翼よ、あれがパリの灯だ 上』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 (旺文社文庫)1980/12

『翼よ、あれがパリの灯だ 下』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 (旺文社文庫)1980/12
―お手持ち本はこれ。下のみ。半端ものを古本屋の100均で。

Tubasayo

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2017.02.09

2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む

以前、近刊の紹介をしました↓の本を購入しました。

2017.1.12 『左利きあるある 右利きないない』本が2月7日発売予定

『左利きあるある 右利きないない』左 来人/著 小山 健/イラスト ポプラ社 2017/2/7


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(画像:本書『左利きあるある 右利きないない』、左利きに不便な道具等を語る『左利きの人々』)

この本、奥付の日付が2月10日になっていまして、これは、やはり〈左利きグッズの日〉に合わせているということなんですね。

(2月10日が〈左利きグッズの日〉になった経緯:
 2月10日⇒0・2・10(れ・ふ・と)⇒レフト(左)の日⇒〈日本版・左利きの日〉
 のちに、〈左利きグッズの日〉に改称)

2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される
―〈左利きグッズの日〉の由来が書いてあります。
 また、国際版の〈左利きの日〉INTERNATIONAL LEFT-HANDERS DAYの由来も。
 後者は、『左利きあるある右利きあるある』の「左利きトリビア(94)」に“採用”されています。


「左」利きの人だけでなく「らいと→ライト→right」右利きの人にも読んでもらおうということで、「右利きの人から見た左利き観」といったものも加えるべく、左利きの人と右利きの人の共著でしょうか。》という予想通り、本書の著者名が「左・来人(ひだり・らいと)」で、右利きと左利きの人の共著でした。
(「右利きの人から見た左利き観」的なものは、今一つかな、というところ。)

右利きと左利きのライターによるユニット。右利きの人々に「左利きの世界観」を啓蒙すべく活動している。》「奥付」
そうです。
ラストページに、
世の中のさまざまな本や/ウェブサイトを参考にしながら、/何人もの左利きの方々に取材して作ったもの[...]/「これは事実とは違うのでは?」とか/「私は、こんなことないなあ」など/色んなご意見があるのではないか[...]もし、そのようなご意見や感想がありましたら、/ぜひ編集部まで[...]
とあります。

その前のページに、参考文献と参考サイトが挙がっていて、まあ、今の人ならこんなところかという気もしますが、もう少し読んでほしい本や、見て欲しいサイトもあります。

(ちなみに、大路直哉さんの本『見えざる左手』(三五館)やフェリシモとの共著『左ききでいこう』(フェリシモ出版)は、左利きについて考えるために必読。古本で手に入ります。『CLUB LEFTY』大路さんのサイト。目新しい情報はありませんが、過去を知る意味でも必見。
 イギリスの左利き研究の権威クリス・マクマナス『非対称の起源』原題 RIGHT HAND, LEFT HAND(講談社ブルーバックス) も。左利きの人の問題だけでなく、世の左利き右利き全般についても記述。
 左利きに不便な道具等を語る渡瀬けんさんの『左利きの人々』(中経の文庫)は、同じような趣旨でもある。
 「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知るという意味では、箱崎総一さんの『左利きの秘密』(立風書房)は重要。古本屋で購入可能。etc...)


とりあえず、私のこのブログ(『レフティやすおのお茶でっせ』)を挙げてもらっていますので、ありがとうというところです。


【内容紹介】
p.4・(代表的な左利きあるあるをイラスト付きで紹介)
p.14・まえがき「左利きの世界は、実は相当新鮮である」左来人(右利き担当)
p.16・左利きマンガ「左利き創世記」
p.19・「1左利きの日常編」(79個)
p.56・column1「左利き年表」0-30歳
p.59・「2左利きを取り巻く環境編」(80個)
p.98・column2「左利きの有名人 外国人編」
p.101・「3左利きを悩ませる道具編」(71個)
p.128・column3「左利きの有名人 日本人編」
p.131・「4カッコイイ左利き編」(47個)
p.154・「おわりに」左来人(左利き担当)
p.157・「参考文献・参考サイト」
(下欄)・「左利きトリビア」1-120


それぞれのあるあるにチェックボックスが付いていて、「おわりに」に左利き度チェックがあります。

私がざっと数えたところ、277項目ありましたので、30個以上で《かなり左利き度が高い人》というのは、遠慮しすぎな数値に思います。
私はもっと多くても大丈夫な気もしますが。
(それともこれは、第一章だけのことでしょうか。
 そんなことはないよね、つながりのあるあるがあるなので、一つ外れると、何個かずっと該当しないこともあるようです。)


前の記事でも書きましたが、《ネットから拾って来たような情報だけで作られている》、と言われてもいたしかたないような内容です。

ただ、それを実際にまとめて本にするというのは、パワーがいるというものです。
何を拾い上げ何を捨てるか、またどう配列してどのように読者に提示するかというのも、一つの技術がいります。

まあ、そういう意味ではこれも一つの著述といってよいでしょう。

それで、1000円が高いか安いかは、また別の問題でもありますけれど。


左利きの人だけでなく、右利きの人に見て欲しい、という気がします。
そうはいっても、多分左利きフェチという人以外はスルーされることでしょう。

『左利きの人々』の時もそういう傾向がなかったわけでもないですし。
ある程度は仕方ないのでしょうけれど、ね。


人間、所詮自分は自分で、自分のこと、自分の関心のあることにしか注意は向かないものです。
人のことも思いやれ、といっても難しいものです。

まあ、だからこそ、人を思いやる気持ちを持て、というのですけれど。


ぼやきで終わってしまいましたが、左利き本だからといって、差別しないで欲しいものです。

多数決原理では、少数意見は廃棄されますが、少数意見を尊重するという建前になっています。
それが、民主主義の原則のはずです。

少数派を扱った本でも、いやだからこそ、ぜひ多くの人たちに手に取っていただきたいものです。


実態は、そんな大層な御託を並べるような質の本ではないので、気軽に手に取り、単純にあるあるないないと思いつつ見てやってください。


【「参考文献」以外の私のおススメ左利き本】

*利き手と左利きの科学的研究に関する本:
(日本)
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』に先立つ左利き研究の学術書。

(イギリス)
『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。原著"Righthand Lefthand"から英語に関する部分等を省いたという抄訳。


*左利きの研究+αの本:
『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館 (1998/10)
―左利きの著者による社会学的アプローチの本。明治以降の日本の社会での左利き受容、および現状と未来の考察。巻末に「左利き筆法」。

『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版
―左利きの常識を身に付ける入門書。巻末に、実用的な左利き用品カタログや「左利き筆法」、ギター、編み物のページを収録。

『左利きの秘密』箱崎総一/著 立風書房マンボウ・ブックス 1979.6
―「左利き友の会」主宰者による「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知る本。

*右利き社会での左利き生活の不便さ解説本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。


*左利き「矯正」に反対する本:
『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18
―左利きの元教師の本。自身の書字「矯正」体験と左に戻した体験を通して語る「矯正」を否定し反対する本。

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2017.02.08

ロバート・F・ヤング新短篇集『時をとめた少女』2月23日発売

映画『君の名は』等の人気に乗ろうと言うのか、手持ちの時間SFの類の作品集を次々企画に乗せているようです。

昨年末には、梶尾真治新版短篇集『美亜へ贈る真珠〔新版〕』が《12月緊急刊行決定!》されました。

『美亜へ贈る真珠〔新版〕』梶尾真治/著 (ハヤカワ文庫JA)2016/12/20


今度は、ヤングの新短篇集『時をとめた少女』が登場します。

『時をとめた少女』ロバート・F・ヤング/著 (ハヤカワ文庫SF)2017/2/23
小尾 芙佐、深町 眞理子、山田 順子、岡部 宏之/訳

たぶん、以前『SFマガジン』に掲載されたもの――たとえば、ヤング特集号(S-Fマガジン 1972年06月号 (通巻160号)
)とか――を編集したものでしょう。
(多くの訳者名が出ているからです。)

ヤングは、〈ボーイ・ミーツ・ガール時間SF!〉とどこかの本の惹句にありましたが、まさにそう呼ぶのがふさわしい一連の小説群が日本では受けています。

三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~』(メディアワークス文庫 2012/6/21)でとりあげられ、人気が再燃したようです。


その後、ながらく出版予定のみ掲げられていた傑作選とも言うべき短篇集『たんぽぽ娘』が出版されました。

さらに、短篇を長編に書き改めたものが2作出版されました。


『ビブリア―』で気になった人たちというのは、あの一作だけで、残念ながら他の作品には興味を抱かなかったようで、私のようなオールド・ファンが期待したほど評判にはなりませんでした。

それでも、今回こういう形で新たな短篇集が出版されるというのは、やれやれ(一安心)、という思いです。

楽しみです。


【ロバート・F・ヤング短篇集】
『たんぽぽ娘』伊藤典夫/編訳 (河出文庫)2015/1/7


『ジョナサンと宇宙クジラ』伊藤典夫/編訳 (ハヤカワ文庫SF)2006/10


『ピーナツバター作戦』桐山 芳男/訳 (青心社Seishinsha SF Series)2006/12  


【ロバート・F・ヤング長篇化作品】
『時が新しかったころ』中村 融/訳 (創元SF文庫)2014/3/22


『宰相の二番目の娘』山田 順子/訳 (創元SF文庫)2014/10/31


(他にも、ヤングの短篇が収録されているアンソロジーがいくつかあります。)

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2017.02.06

欲望から自由になれ-ガンディー『獄中からの手紙』NHK100分de名著2017年2月

NHK『100分de名著』2017年2月は、ガンディー「獄中からの手紙」です。

実に昨年6月の「五輪書」以来の『100分de名著』でしょうか。
たまには、お勉強してみようというわけです。

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(画像:『獄中からの手紙』他、参考にした本)

名著62 「獄中からの手紙」
第1回 2月6日放送 政治と宗教をつなぐもの
歴史の転換点となった「塩の行進」の意味を読み解き、近代人が回避してきた「政治と宗教の本来の関係」を見つめなおしていく。
第2回 2月13日放送 人間は欲望に打ち勝てるのか
「獄中からの手紙」にも描かれたガンディーの生き方を通して、「人間は欲望とどう向き合っていけばよいか」を見つめていく。
第3回 2月20日放送 非暴力と赦し
ガンディーの非暴力思想に込められた深い意味を読み解いていく。
第4回 2月27日放送 よいものはカタツムリのように進む
ガンディー思想の根底に流れている宗教観や労働観など、奥深い思想を読み解いていく。

【指南役】中島岳志(東京工業大学教授)
【朗読】ムロツヨシ(俳優)

「プロデューサーAのおもわく。」より

「歩く」「食べない」「糸紡ぎ車を回す」といった日常的行為を通して、政治の中に宗教を取り戻そうとしたガンディー。彼の人生は「宗教的な対立や抑圧を起こすことなく、政治と宗教の有機的なつながりをつくるにはどうしたらよいか」「すべての生命の意味を問い、近代社会の問題や人間の欲望と対峙しながら、具体的な政治課題を解決していくことは果たして可能か」といった壮大な課題に取り組み続けた人生でした。その精髄が込められた「獄中からの手紙」を読み解くことで、「宗教と政治の本来の関係とは?」「自分の欲望とどう向き合うのか?」「非暴力は現実に立ち向かえるのか?」といった現代にも通じるテーマを深く考えていきます。

○NHKテレビテキスト
「100分 de 名著」獄中からの手紙 2017年2月(2017年1月25日発売)
欲望から自由になれ
よいものはカタツムリのように進むのです。


【名著】
『獄中からの手紙』ガンディー/著 森本達雄/訳 岩波文庫 2010/7/17


【指南役・中島岳志さんの著作】
『ガンディーからの<問い> ―君は「欲望」を捨てられるか』 日本放送出版協会 2009.11
―2008年12月放送『NHK知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』「マハトマ・ガンディー 現代への挑戦状」番組テキストに加筆、禅僧・南直哉さんとの対談を終章「ガンディーの〈問い〉を考える」として追加したもの。


 ●ガンディーのイメージ

実は、ガンディーと言えば(私の世代では、「ガンジー」の方が馴染みがありますね)、もちろん「インド独立の父」として「マハートマ」と呼ばれる人権擁護派の民族解放運動の指導者として有名なわけですが、私としては、ソロー⇒ガンディー⇒キングといった「非暴力不服従主義」の歴史的な流れのなかの一人といった印象を持っていました。
ソローを敬愛する私にとっては、そういうふうな見方に傾いてしまいます。

『平和をつくった世界の20人』(岩波ジュニア新書)などはそういう流れの本のように思います。
「第Ⅰ部 非暴力を選ぶ」では、ソローに始まり、ガンディー、キング、アンデルソン・サー(ブラジルのミュージシャン)と続いています。
(ソローをイギリスに紹介したソローの伝記本の著者ソルトも登場しています。
 イギリスに留学した時、ガンディーは母の教えを守り菜食主義者で、菜食主義者のソルトの本を読み知り合いになっているそうです。)

今回初めて『獄中からの手紙』を読み、その他のガンディーに関する本をいくつか読んで、必ずしもそうではないことを知りました。

特に、政治家(政治運動家)的なガンディーではなく、宗教家としてのガンディーが感じられました。

今回、本書巻末の訳者・森本達雄さんの解説によりますと、政治がらみで服役中の刑務所からの手紙ということで、政治に絡む議論を避けたため、宗教色の強い内容となったといいます。
しかし、当然そういう制限があったとはいえ、やはりガンディーのめざすもの、思想の中心にあるのは、信仰に基づくストイックな生き方にあるということでしょう。

宗教の根本にある真理に基づく政治をめざした、ということのようです。


 ●『バガヴァッド・ギーター』について

以前、私のメルマガ『楽しい読書』でインドの古典を取り上げた際、『バガヴァッド・ギーター』も紹介しました。
2014(平成26)年4月30日号(No.126)-140430-「生き方の秘訣-古代インドの宗教詩編-『バガヴァッド・ギーター』」

このとき、『ギーター』がガンディーの愛読書であることをしりました。

『ギーター』は、インドの二大英雄叙事詩『マハーバーラタ』のなかの一章です。
『ギーター』の訳者・上村勝彦さんはこう書いています。

『マハーバーラタ』は人間存在の空しさを説いた作品である。... しかし、作中人物たちは、自らに課せられた苛酷な運命に耐え、激しい情熱と強い意志をもって、自己の義務を遂行する。この世に生まれたからには、定められた行為に専心する。これこそ『ギーター』の教えるところでもある。》『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦/訳 岩波文庫「まえがき」 p.16

ガンディーが『ギーター』から学んだものは、こういうところかと思います。

自己の義務(ダルマ)の遂行は、不完全でも、よく遂行された他者の義務に勝る。本性により定められた行為をすれば、人は罪に至ることはない。(47)
何ものにも執着しない知性を持ち、自己を克服し、願望を離れた人は、放擲(ほうてき)により、行為の超越の、最高の成就に達する。(49)》『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦/訳 岩波文庫 第18章 p.137

インド人の哲学者アニル・ヴィディヤーランカール氏の著作『ギーター・サール バガヴァッドギーターの神髄』(長谷川澄夫/訳 東方出版)には、

... ギーターは、一般にはヒンドゥー教の聖典と認められているが、それは正しくない。ギーターで説かれている宗教は、世界の全ての人々のためであり、我々はそれを普遍宗教という名で呼ぶことができる。》p.196
とあります。


 ●本書の内容

1930年の「塩の行進」ののち投獄された時に、サッティヤーグラハ闘争の拠点アーシュラム(修道場)の同志たちに書き送った、信条や戒律に関する論文です。
以下の15通の手紙と釈放後、雑誌に発表された論文からなります。

1.真理
 ――サティヤー(真理)の他には何一つも存在しない。神は一つ、それぞれの人に合わせて違った姿で現われる。
2.アヒンサー=愛
 ――アヒンサーとは「不殺生」「不傷害」の意。政治闘争の場での「非暴力」の意味に用いた。(訳者注)
   アヒンサーの道は剣の刃渡りに似ている。肉体の限界を認識しつつ、日々、力の限り理想に向って精進する。
3.ブラフマチャリヤ=純潔・禁欲・浄行
 ――完全なブラフマチャリヤ(無私)なくして、アヒンサー(あまねく万人への愛)の成就はあり得ない。
4.嗜欲(味覚)の抑制
 ――いかに困難であろうと、理想に到達しようと不退転の努力をすること⇒人間生存の目的。
5.不盗(アステヤ)
 ――最高の真理はそれ自体で存在する。真理は目的であり、愛はそこに至る手段。
6.無所有即清貧
 ――不盗に関連する。富者は知足の精神を広めるよう、率先して無所有を励行する。
   完全な自己放棄の理想に到達し、肉体が存続する限り奉仕する。奉仕が生命の糧。
7.無畏
 ――「無畏」とは恐れなきこころ、真勇を意味する(訳者注)。
   真理を求め、愛を心に抱き続けるためには、無畏をなくす。
8.不可触民制の撤廃
 ――嗜欲の抑制同様、新しい戒律。不可触民のみならず、あらゆる生きとし生けるものを己の命のように愛することで成就する。
9.パンのための労働
 ――トルストイの言葉「人は生きるために働かねばならない」。
   パンのための労働は、非暴力を実践し、真理をあがめ、ブラフマチャリアの戒律を自然行為たらしめようとする人にとって、真の喜び。
10.寛容即宗教の平等(一)
 ――樹の幹は一つでも枝葉が無数にあるように、真の完全な宗教は一つ。
11.寛容即宗教の平等(二)
 ――他の宗教のどの聖典にも同じ基本的な精神性を見出した。双方が互いの見解の違いを宥恕(ゆうじょ)する。
12.謙虚
 ――検挙は戒律になりえない、アヒンサーに不可欠の条件。謙虚は人間性そのものの一部。
13.誓願の重要性
 ――誓いを立てるのは、不退転の決意を表明すること。
   古今東西の人間性についての経験は、不撓の決意なくして進歩は望めないことを物語る。
   世のビジネスはすべて、人は約束を守るものだとの想定の上に成り立っている。
14.ヤジュニャ=犠牲
 ――報酬を望まずに行う他人の幸福にささげる行為。強力な信仰心が必要。
   「おまえ自身のことは、いささかも思いわずらうな。いっさいの悩みを神に委ねよ」―すべての宗教の訓(おし)え。
15.ヤジュニャ(承前)
 ――自己犠牲の生活こそは芸術の最高峰、真の喜び。
   純粋(まこと)の献身は、無条件に人類への奉仕に生命をささげるもの。
16.スワデシー=国産品愛用
 ――私たちに課せられた法(のり)〔行動規範〕。
   国産品愛用主義は、純粋なアヒンサー〔愛〕に根差した無私の奉仕の教理。


これらに示されているガンディーの厳しい戒律や考えは、一に己に対してであり、二にアーシュラム(修道場)のメンバーに対するもので、一般人に対するものではありません。
また、ここで、考えておくべきことは、インドの、ヒンドゥーの社会に於ける文化的な背景です。

輪廻という考えがあります。
日本にも仏教を通して伝えられています、六道輪廻というものです。
天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄と人は死んでも生まれ変わる(輪廻転生)。

輪廻というものは、言ってみれば、一生を回し車のなかで走り続けるハムスターのようなものかもしれません。
そう見なせば輪廻し続けるのは苦痛でもあり、その輪廻を抜けるためには修行をし悟りをひらけばよい、そうすれば輪廻を抜ける(解脱)ことができるというのです。


ガンディーが死を恐れず断食に挑むのは、ある意味で、死んでもまた生まれ変われる、善行を積んで死ぬ時は、地獄に落ちるのでも畜生に生まれるのでもなく、また人間に、あわよくば天に生まれ変われるかもしれないから、という見方もできるのです。

また、ガンディーの戒律の厳しさも、ヒンドゥーの上位カーストの「再生族」の男子の理想の生き方である四住期――師についてヴェーダ聖典や宗教を学ぶ学生期、結婚し家長となり子を育て一般社会人として活躍する家住期、家庭的社会的な務めを果たし終えると人里を離れ、森に入り修行をする林住期、そしてすべてを放擲し遍歴を続け解脱を求める遊行期を迎える――の先にあると考えることもできます。

そういう背景を考えますと、このような厳しさも、われわれの考えるものほどではない、とも言えるでしょう。
もちろん、厳しい内容であることは事実ですけれど。

理想の先に勝利があると考えられるならば、この戦いも難しいものではないのかもしれません。


 ●宗教について

私が一番興味深く読んだのは、宗教の根本は一つだということ。

宗教には、キリスト教やイスラム教、仏教、ヒンドゥー教等様々あるけれども、それらの根源は一つであり、それぞれの人びとに合わせて異なる姿を示している、という考え方です。

ちょうど一本の樹は幹は一つですが枝葉が無数にあるように、真(まこと)の完全な宗教は一つですが、それが人間という媒体をとおして表されるときには多となるのです。》「10.寛容即宗教の平等(一)」p.70

わが家は真言宗ですが、法事の際にお坊さんの法話で、山の頂上は一つでもそこまで登る道はいくつもある、そのようにそれぞれの宗教や宗派もめざすものは同じでも行く道は異なるものだ、ということでした。
(このお話について、『ガンディーからの<問い>』のなかで、ガンディーのたとえ話の一つとして紹介されていました。)

弘法大師空海の密教によりますと、(ごくいい加減な表現になっているとは思いますが、簡単にいえば)大日如来という根本仏があり、他の仏は皆その化身で、それぞれの人びとに合わせて姿を変えて現れたものだ、といいます。
ブッダ(お釈迦様)は、聴く人の能力や素質に合わせて、その時々の状況に合わせて教えを説いた(対機説法)といいます。
それと同じ発想で、その延長線の考え方でしょう。

印パの分離独立につながった宗教的な対立の問題に関して、ガンディーの言わんとするものも、正にそういうものではないか、という気がします。

その辺のお話が私の興味を惹くポイントでした。

岡倉天心は、インドの人と世界宗教会議のようなものを催したと聞きます。
世界の諸宗教をまとめようという、そういう背景となる何かがインドの人たちの中にあるのかな、という気がします。


 ●多神教と一神教

『ガンディーからの〈問い〉』の対談で、禅僧の南直哉さんは、ガンディーの主張に反論することになるかも、と言いながら《「諸行無常」と「絶対神」が同じ頂上に至るわけがない。そんなのは幻想です。》(p.179)とおっしゃっています。
確かに理念的に頂上を究めて行こうとすると、そうかもしれません。

しかし、出発点的に人間が幸せに生きてゆくにはどうすればいいのか、といった――一種「地べたの真理」とでもいうのでしょうか――そういったものを見つめる時、様々な宗教にある黄金律(ゴールデン・ルール)には、共通した項目が見られるのも、現実です。
そこには共有できるものがあるのではないか、という気がするのです。

南さんも、宗教同士が《もし本当に協力し合いたいなら、「共通の真理」じゃなくて、「共通の問題」を見出さなければいけない。それによって折り合えるんです。》(p.182)とおっしゃっています。
これがそれにあたるのでしょう。


一神教と多神教的なヒンドゥー教や仏教との違いは、確かに相いれない部分があります。

多神教的な世界の人々から見れば、一神教の神の存在の絶対性というのは理解しがたいですし、逆に、一神教の人々からみれば、他の宗教は邪教以外の何ものでもなく、他の神の存在は悪魔以外の何者でもないわけで、受け入れがたいものがあるでしょう。
それをいっしょくたにされたら、信仰が成り立ちませんから。

密教の大日如来の発想もキリスト教の影響だとも言われているようです。
それでも、基本的に多神教的な風土があるので、その枠組のなかで納得できる解釈が成り立つのでしょう。

岡倉天心の世界宗教会議といったものも、多神教的な世界に生きているインドの人たちには共感されたようですが、他の国の宗教人からは今一つだったようです。


 ●足るを知る

ガンディーもソローも、知足(足るを知る)という『老子』等の中国の古典に出てくる考えと同じように、過度な欲望が人の心を狂わせたり、迷わせたりする、だから、必要以上のものを欲するな、欲望をコントロールせよ、ということを教えたのだと思います。
そういう点では同じ思想です。

ガンディーが鉄道のような近代文明を否定したとも言います。

これもソローは『ウォールデン 森の生活』で、歩いて一日かかる移動を鉄道なら一時間に短縮できるかもしれないが、その料金を払うために一日働かねばならないのなら、自分は歩いてゆくというふうに書いています。
また、毎朝一杯のコーヒーを楽しむ生活の豊かさを得るために、余計な労働を強いられるのなら、目の前にあるおいしい自然のままの水を楽しめばよい、とも書いています。


ガンディーの教えというものがあるとすれば、それは、人権侵害や民族の分裂、あるいは他民族の支配からの解放や宗教の衝突など様々な問題の源は、すべて過度な欲望(物欲であれ名誉欲であれ)に振りまわされている人間の心にある、ということでしょう。
大事なことは、人生の真実を知ることであり、物事の真理を究めること――それがどんなに難しいことであって、諦めることなく努力し続けよ、ということ教えではないでしょうか。

 ・・・

さて、中島さんはどのように読み説いて下さるのでしょうか。
楽しみにしています。

【『バガヴァッド・ギーター』に関する本】
『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦/訳 岩波文庫 1992/3/16
―学術的にも定本となっている感の一書。訳注・解説が豊富。『バガヴァッド・ギーターの世界』と併読すると理解しやすいか。

『バガヴァッド・ギーターの世界 ヒンドゥー教の救済』上村勝彦/著 ちくま学芸文庫 2007.7.10
―NHKラジオ文化セミナーのテキストを基にした1998年NHKライブラリー版の文庫化。『マハーバーラタ』中の一巻である『バガヴァッド・ギーター』の解説書。仏教との比較で理解を誘う。

『ギーター・サール バガヴァッドギーターの神髄』アニル・ヴィディヤーランカール/著 長谷川澄夫/訳 東方出版 2005.7.11
―『ギーター』700詩編から150詩編を選び、サンスクリット語原文・カタカナ読み・和訳・解説・原語フレーズを添えて、『ギーター』のエッセンスを、心の問題として生き方の助言を解説する。
CD付き・改訂新版 2007/10/10

【その他の関連書】
『平和をつくった世界の20人』ケン・ベラー&ヘザー・チェイス/著 作間和子、淺川和也、岩政伸治、平塚博子/訳 岩波ジュニア新書 2009/11/21
―1 非暴力を学ぶ 2 平和を生きる 3 多様性を大切にする 4 あらゆる命を重んじる、5 地球環境を大切にする、の5部。ソロー、ガンディー、キング、マザー・テレサ、シュヴァイツァー、レイチェル・カーソン等々の生き方と言葉を紹介。


『M.K.ガンディーの真理と非暴力をめぐる言説史 ヘンリー・ソロー、R.K.ナラヤン、V.S.ナイポール、映画『ガンジー』を通して』加瀬佳代子/著 ひつじ書房(シリーズ文化研究2) 2010.2
―ソロー⇒ガンディー⇒キングといった非暴力の思想の〈歴史的事実〉に関して、ガンディーの非暴力の思想が、ヘンリー・D・ソローの影響を受けたものかについてのくだりを興味深く読んだ。
 ガンディーがイギリス留学時、菜食主義者のソローの伝記の著者であるソルトと出会っているという事実はあるが、ガンディーがソローの「市民の抵抗」を読んだのは、1907年だという。
 ガンディーのイギリス留学は3年で、その後南アで初めて人種差別に合い、人種差別と闘うことになるのであり、留学当時にソルトからソローのことを聞いていた可能性はあっても、そのシンプルライフの思想には関心を持ったとしても、市民的不服従の考えと行動に興味を持ったかどうかは何とも言えません。


『ウォールデン 森の生活(上下)』ヘンリー・デイヴィッド・ソロー 今泉吉晴/訳 小学館文庫 2016/8/5
―2年間ウォールデン池のほとりの小屋での自給自足の生活実験から導かれた省察録。


『市民の反抗―他五篇 』ヘンリー・デイヴィッド・ソロー 飯田実/訳 岩波文庫 1997/11/17
―誰にでもできるけれど誰もやらなかった抗議行動を語る、市民的不服従の講演録「市民の反抗」他エッセイ5編。


*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
1 2011年11月放送:2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
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3 2012年1月放送:2012.1.5
吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK
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新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK
5 2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月
6 同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで
7 2012年4月放送:2012.4.3
紫式部『源氏物語』NHKテレビ100分de名著
8 2012年5月放送:2012.5.2
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9 2012年6月放送:2012.6.6
<考える葦>パスカル『パンセ』NHK100分 de 名著2012年6月
10 2012年10月放送:2012.10.2
鴨長明『方丈記』NHK100分 de 名著2012年10月
11 2012年12月放送:2012.12.5
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12 2013年1月放送:2013.1.11
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13 2013年2月放送:2013.2.5
待て、そして希望せよ~NHK100分de名著『モンテクリスト伯』2013年2月
14 2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
15 2013年4月放送:2013.4.11
真面目な私とあなた―夏目漱石『こころ』~NHK100分de名著2013年4月
16 2013年5月放送:2013.5.20
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17 2013年6月放送:2013.6.5
生きる喜びは、どこにあるのか?『戦争と平和』トルストイ~NHK100分de名著2013年6月
18 2013年7月放送:2013.7.9
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19 2013年11月放送:2013.11.10
「物語」に終わりはない『アラビアンナイト』~NHK100分de名著2013年11月
20 2013年12月放送:2013.12.11
切り離された者たちへ~ドストエフスキー『罪と罰』~NHK100分de名著2013年12月
21 2014年1月放送:2014.1.21
花とは何か~『風姿花伝』世阿弥~NHK100分de名著2014年1月
22 2014年3月放送:2014.3.4
戦わずして勝つ『孫子』~NHK100分de名著2014年3月
23 2014年12月放送:2014.12.3
生きるべきか、死ぬべきか-シェイクスピア『ハムレット』~NHK100分de名著2014年12月
24 2015年4月放送:2015.3.29
自分を救えるのは自分自身である-NHK100分de名著『ブッダ 最期のことば』2015年4月
25 2015年5月放送:2015.5.5
何もないことを遊ぶ『荘子』-NHK100分de名著2015年5月
26 2015年6月放送:2015.6.2
運命と人間―ギリシア悲劇/ソポクレス「オイディプス王」NHK100分de名著2015年6月
27 2015年7月放送:2015.6.30
ラフカディオ・ハーン/小泉八雲『日本の面影』NHK100分de名著2015年7月
28 2015年8月放送:2015.8.5
自然淘汰による進化「生命の樹」-ダーウィン『種の起源』NHK100分de名著2015年8月
29 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
30 2015年10月放送:2015.10.7
処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月
31 2016年1月放送:2016.1.4
真面目なる生涯~内村鑑三『代表的日本人』NHK100分de名著2016年1月
32 2016年4月放送:2016.4.4
弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月
33 2016年5月放送:2016.5.1
人に勝つ兵法の道-宮本武蔵『五輪書』NHK100分de名著2016年5月
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