2017.02.09

2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む

以前、近刊の紹介をしました↓の本を購入しました。

2017.1.12 『左利きあるある 右利きないない』本が2月7日発売予定

『左利きあるある 右利きないない』左 来人/著 小山 健/イラスト ポプラ社 2017/2/7


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(画像:本書『左利きあるある 右利きないない』、左利きに不便な道具等を語る『左利きの人々』)

この本、奥付の日付が2月10日になっていまして、これは、やはり〈左利きグッズの日〉に合わせているということなんですね。

(2月10日が〈左利きグッズの日〉になった経緯:
 2月10日⇒0・2・10(れ・ふ・と)⇒レフト(左)の日⇒〈日本版・左利きの日〉
 のちに、〈左利きグッズの日〉に改称)

2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される
―〈左利きグッズの日〉の由来が書いてあります。
 また、国際版の〈左利きの日〉INTERNATIONAL LEFT-HANDERS DAYの由来も。
 後者は、『左利きあるある右利きあるある』の「左利きトリビア(94)」に“採用”されています。


「左」利きの人だけでなく「らいと→ライト→right」右利きの人にも読んでもらおうということで、「右利きの人から見た左利き観」といったものも加えるべく、左利きの人と右利きの人の共著でしょうか。》という予想通り、本書の著者名が「左・来人(ひだり・らいと)」で、右利きと左利きの人の共著でした。
(「右利きの人から見た左利き観」的なものは、今一つかな、というところ。)

右利きと左利きのライターによるユニット。右利きの人々に「左利きの世界観」を啓蒙すべく活動している。》「奥付」
そうです。
ラストページに、
世の中のさまざまな本や/ウェブサイトを参考にしながら、/何人もの左利きの方々に取材して作ったもの[...]/「これは事実とは違うのでは?」とか/「私は、こんなことないなあ」など/色んなご意見があるのではないか[...]もし、そのようなご意見や感想がありましたら、/ぜひ編集部まで[...]
とあります。

その前のページに、参考文献と参考サイトが挙がっていて、まあ、今の人ならこんなところかという気もしますが、もう少し読んでほしい本や、見て欲しいサイトもあります。

(ちなみに、大路直哉さんの本『見えざる左手』(三五館)やフェリシモとの共著『左ききでいこう』(フェリシモ出版)は、左利きについて考えるために必読。古本で手に入ります。『CLUB LEFTY』大路さんのサイト。目新しい情報はありませんが、過去を知る意味でも必見。
 イギリスの左利き研究の権威クリス・マクマナス『非対称の起源』原題 RIGHT HAND, LEFT HAND(講談社ブルーバックス) も。左利きの人の問題だけでなく、世の左利き右利き全般についても記述。
 左利きに不便な道具等を語る渡瀬けんさんの『左利きの人々』(中経の文庫)は、同じような趣旨でもある。
 「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知るという意味では、箱崎総一さんの『左利きの秘密』(立風書房)は重要。古本屋で購入可能。etc...)


とりあえず、私のこのブログ(『レフティやすおのお茶でっせ』)を挙げてもらっていますので、ありがとうというところです。


【内容紹介】
p.4・(代表的な左利きあるあるをイラスト付きで紹介)
p.14・まえがき「左利きの世界は、実は相当新鮮である」左来人(右利き担当)
p.16・左利きマンガ「左利き創世記」
p.19・「1左利きの日常編」(79個)
p.56・column1「左利き年表」0-30歳
p.59・「2左利きを取り巻く環境編」(80個)
p.98・column2「左利きの有名人 外国人編」
p.101・「3左利きを悩ませる道具編」(71個)
p.128・column3「左利きの有名人 日本人編」
p.131・「4カッコイイ左利き編」(47個)
p.154・「おわりに」左来人(左利き担当)
p.157・「参考文献・参考サイト」
(下欄)・「左利きトリビア」1-120


それぞれのあるあるにチェックボックスが付いていて、「おわりに」に左利き度チェックがあります。

私がざっと数えたところ、277項目ありましたので、30個以上で《かなり左利き度が高い人》というのは、遠慮しすぎな数値に思います。
私はもっと多くても大丈夫な気もしますが。
(それともこれは、第一章だけのことでしょうか。
 そんなことはないよね、つながりのあるあるがあるなので、一つ外れると、何個かずっと該当しないこともあるようです。)


前の記事でも書きましたが、《ネットから拾って来たような情報だけで作られている》、と言われてもいたしかたないような内容です。

ただ、それを実際にまとめて本にするというのは、パワーがいるというものです。
何を拾い上げ何を捨てるか、またどう配列してどのように読者に提示するかというのも、一つの技術がいります。

まあ、そういう意味ではこれも一つの著述といってよいでしょう。

それで、1000円が高いか安いかは、また別の問題でもありますけれど。


左利きの人だけでなく、右利きの人に見て欲しい、という気がします。
そうはいっても、多分左利きフェチという人以外はスルーされることでしょう。

『左利きの人々』の時もそういう傾向がなかったわけでもないですし。
ある程度は仕方ないのでしょうけれど、ね。


人間、所詮自分は自分で、自分のこと、自分の関心のあることにしか注意は向かないものです。
人のことも思いやれ、といっても難しいものです。

まあ、だからこそ、人を思いやる気持ちを持て、というのですけれど。


ぼやきで終わってしまいましたが、左利き本だからといって、差別しないで欲しいものです。

多数決原理では、少数意見は廃棄されますが、少数意見を尊重するという建前になっています。
それが、民主主義の原則のはずです。

少数派を扱った本でも、いやだからこそ、ぜひ多くの人たちに手に取っていただきたいものです。


実態は、そんな大層な御託を並べるような質の本ではないので、気軽に手に取り、単純にあるあるないないと思いつつ見てやってください。


【「参考文献」以外の私のおススメ左利き本】

*利き手と左利きの科学的研究に関する本:
(日本)
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』に先立つ左利き研究の学術書。

(イギリス)
『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。原著"Righthand Lefthand"から英語に関する部分等を省いたという抄訳。


*左利きの研究+αの本:
『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館 (1998/10)
―左利きの著者による社会学的アプローチの本。明治以降の日本の社会での左利き受容、および現状と未来の考察。巻末に「左利き筆法」。

『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版
―左利きの常識を身に付ける入門書。巻末に、実用的な左利き用品カタログや「左利き筆法」、ギター、編み物のページを収録。

『左利きの秘密』箱崎総一/著 立風書房マンボウ・ブックス 1979.6
―「左利き友の会」主宰者による「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知る本。

*右利き社会での左利き生活の不便さ解説本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。


*左利き「矯正」に反対する本:
『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18
―左利きの元教師の本。自身の書字「矯正」体験と左に戻した体験を通して語る「矯正」を否定し反対する本。

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2017.01.12

『左利きあるある 右利きないない』本が2月7日発売予定

いつも様々な左利き関連情報を教えてくださるこちら↓のブログで紹介されていた左利き本が、アマゾンに出ていました。

2017.1.7
これから出る本らしいです


『左利きあるある 右利きないない』左 来人/著 小山 健/イラスト ポプラ社 2017/2/7


「あるある本」がヒットする中で、今まで《ありそうでなかった「左利きあるある」》本だそうで、

左利きの人は「あるある」と共感でき、右利きの人は新鮮さや優越感を得られ、どちらの人も読んで愉しめる一冊。

左利きの人が愉しめるだけでなく、右利きの人も《優越感を得られ》る本だそうです。

私の少しの経験から言いますと、左利きの人だけでは大きな売上が期待できないので、右利きも取り込もう、という作戦のようです。


しかし、これも私の経験から言いますと、「左利きの話題に、右利きの人はほとんど興味を示してくれない」、というのが実情です。
一部の左利きフェチと言われる人たちや、ごくごく身近に左利きの人がいる場合(共に暮らす人――我が子・パートナー・父母・兄弟が、もしくは親友・仲のよい同僚が、等)だけです。


例えば、私の「左利き活動に共感する」といってくださるある知人でも、世の中いかに右利き仕様になっているか――裏を返せば、左利きの人たちがいかに苦労しているか・不便を感じているかを描く『左利きの人々』(渡瀬けん/著)を「読んでみて」とプレゼントしても「左利きに興味はないので」と断られた経験があります。
(単に私の人間性に問題があるだけかもしれませんけれど……。)

結局、人間というものは自分中心にできていて、なかなか他人の心持やその人の苦労にまでは、気が向かないものです。

おもしろいといっても、「自分にとってどうであるか」というのが基準になります。

少数派の「左利き本」の宿命というものでしょうか。

 ・・・

本書ですが、著者名が「左・来人」で、「ひだり・らいと」と読ませるのでしょうか。
要するに、上にも書きましたように、「左」利きの人だけでなく「らいと→ライト→right」右利きの人にも読んでもらおうということで、「右利きの人から見た左利き観」といったものも加えるべく、左利きの人と右利きの人の共著でしょうか。

まだ読んでいませんので何とも言えませんが、公開された情報によりますと、「ネットの情報を集めただけの本」(昔、左利きのサイトを開設されていた、ある人ならおっしゃりそうな言葉)といった感じです。

ネット上には、多くの「左利きあるある」が披露されています。
大半は、同じことばっかりという印象です。

本書では、何かしら「おおっ」と言わせるものが登場するのでしょうか。

また、右利きの人に対するアピール・ポイント――右利きの人から見た左利き観等――はどうなっているのでしょうか。

ちょっと楽しみです。

【追記】
2017.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む


*右利き社会での左利き生活の不便さ解説本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。

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2016.11.28

左利きはつらいよ特集『週刊ポスト』2016年12月9日号

本日発売の週刊誌『週刊ポスト』2016年12月9日号(小学館)で、「左利きはつらいよ」カラー8P特集が掲載されたようです。

私はまだ未確認ですが、知人から新聞広告の写真を送ってもらいました。

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(画像:『週刊ポスト』2016年12月9日号 新聞広告部分)


ネットを調べてみますと、

雑誌の新聞 [雑誌別速報] 週刊ポスト

p.14
左利きはつらいよ/右利きにはわからない!「左利きの受難」
   ◆ リングノート、打ちっ放し、左打ち、ボウリング、マウス

p.16
左利きはつらいよ/著名人の告白-我が左手との<格闘記>
   ◆ 落語家・林家三平、元プロ野球選手・遠山奬志

p.18
左利きはつらいよ/知られざる「左利きの謎」-数々の謎の専門家に聞いた
   ◆ 京都大学霊長類研究所、関西福祉科学大学学長・八田武志

p.20
左利きはつらいよ/「左利き専門店」に潜入-品揃えは約100点!
   ◆ 神奈川県相模原市「菊屋浦上商事」・浦上裕生社長


明日でも探してこようと思います。

手に入れたら、また詳細をお知らせしようと思います。


【詳報】
2016.12.1
左利きはつらいよ特集詳報-『週刊ポスト』2016年12月9日号

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2016.07.08

女性セブン2016年7月14日号左利き特集・内容紹介

(画像:女性セブン2016年7月14日号左利き特集の1ページ目と関連本)
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7月3日に紹介しました『女性セブン2016年7月14日号』の左利き特集(*)について、
ネットにも、次々と記事内容がアップされています。

簡単に紹介しておきましょう。

(*)『レフティやすおのお茶でっせ』2016.7.3
女性セブン7月14日号に左利き特集


 ●ネットから内容紹介

・2016.07.02 左利きの人は1割強 時代・国・地域問わず常にそう
小栗旬、二宮和也、水卜麻美、剛力彩芽、北川景子らも左利き

『左対右 きき手大研究』(化学同人刊)や『選ばれし民 左利き』(インフォレスト刊)著者で関西福祉科学大学学長・八田武志さんの話

「ざっくりいうと1割強です。... 」
 1993年八田さん調査(国内大学生専門学校生1700人)左利き・男子12.8%、女子7.8%(両利きも含む)。
「利き手を決める要因は諸説あります。胎児期に左脳を損傷して右脳に依存したことによる『脳損傷説』や親や血縁関係による『遺伝説』などです。さらに、なぜ1割という一定数なのかは、謎なんです」

「...日本では1980年代頃から、左利きの子供を親が矯正しなくなりました」

・2016.07.05 はなわが語る左利きの辛さ カウンター席で客の目が冷たい

左利きのあるあるネタ『つらいぜ!ダリヒー』が話題のお笑い芸人で左利きのはなわ(39才)が、「ダリヒー」のつらいあるあるを教えてくれた。

◆字を書くと手が汚れる
◆ベースは右利き用です
◆お寿司が食べにくい
◆食事の席位置は左端
◆腕相撲大会はいつも変な空気

・2016.07.06 左利きあるある おたまもトランプも右利き用でツラい!

左利きが語る右利き用道具への不満

国や時代にかかわらず、約1割が左利きなのだという。とはいえ9割が右利きなのだから、自然と世間では右利き用の道具が多くなり、左利きの人はつらい思いをすることも少なくないという。『悲しくも笑える左利きの人々』(KADOKAWA/中経出版)著者で、自身も左利きだった渡瀬けんさんに、世間でいかに右利き用の道具が多いかを語ってもらった。

■はさみ
■定規
■包丁
■おたま
■トランプ
■パソコンのマウス


 ●内容について

詳細は、それぞれのリンク先でお楽しみください。

月曜日に買ってきました。
5ページのために、410円は安くはないですが、研究家を自称する身としては、持ってた方がいいか、という感じですね。

内容は、まあこんなもんでしょうか。

ただ表題として、《“左利き不利社会”を徹底検証 「左利きは9年早死にする」は本当か?》という点は感心しません。
昔も「左利きは9年早死にする」で、某週刊誌がセンセーションに報道したことがありました。

この情報の発信源となった元の本(**)は、一部怪しげなデータを利用しているとしても、世間で言われるほどひどい内容とはいえず、一書を通して言わんとするところは正論であったでしょう。
どちらかと言えば、最初の日本での宣伝報道の仕方や書名に問題があったと考えています。

寿命に関して言いますと、純粋に利き手・利き側の要素のみを抽出してデータを取れるならば、多分、左利きは短命なのではないでしょうか。
理由は、現状の社会はまだまだ右利き偏重の社会であり、男尊女卑ならぬ「右尊左卑」の社会であり、その中で生きていくということは、やはり色々な面で不利だと考えられるからです。

もう一つ気になったことを言いますと、「左利きの日」について、です。

8月13日の左利きの日を「イギリスの左利き支援団体『Left-Handers Club』などが提唱した」としている点。
「など」と表記しているので、一概に間違いとは言えませんが、アメリカのDean R. Campbellさんが創設した、左利きの人のための専門雑誌"Lefthander Magazine"を発行する左利きの人たちのための組織『Lefthanders International』が最初の言いだしっぺで、1976年のことです。(***)

もう一つは、2月10日を日本の左利きの日としている点。
こちらは正確には、「左利きグッズの日」です。
8月13日の「左利きの日」と趣意は同じです。

まあ、その辺でしょうか。

(**)
『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン 石山鈴子訳 文藝春秋1994/1

(***)
『レフティやすおの左組通信』「左利きの日を祝おう!」(左利きの日のページ)
8月13日は「国際版・左利きの日」

 ・・・

最後に私から一言――

強度の左利きの私から見ますと、「利き手は心につながっている」ということ。
利き手は心の延長であり、それ故に利き手を使うことは心の表現であり、自分らしさは利き手に現れるということです。

逆に利き手が思うように使えない状況とは、心を縛られるのと同じだということです。

現状の右利きに優しい「右利き偏重社会」や「右尊左卑」の思想が残る世界は、左利きの私たちにとって決して生きやすいものではないのですけれど、先人達がガンバって少しずつ改善してきた結果であることも事実です。

いつの日か利き手によって差別されることのない、右利きだけでなく左利きにも優しい左右平等な社会になればいいなあ、と願ってやみません。


*記事で紹介された、関西福祉科学大学学長・八田武志さんの著作:
『左対右 きき手大研究』八田武志/著(化学同人刊)

『選ばれし民 左利き』八田武志/監修(インフォレスト刊)


*左利き生活の不便を語る本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1


*こんな本も読んでほしい:左利きの子供のための子育て・教育ガイド本:
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
―左利きの子を持つ親で自身左利きの著者によるイギリスの有名左利き用品専門店オーナーによる、今までの日本になかった、左利きの子供を持つ親・先生へ向けた、左利きの子の生活支援のための手引書。巻末資料作成に協力させていただきました。

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2016.07.03

女性セブン7月14日号に左利き特集

女性週刊誌、女性セブンVol.25 7月14日号 に左利き特集が出ているそうです。

取材を受けたという『左利きの人々』の著者で、左利き仲間で友人の渡瀬謙氏から情報をいただきました。

ネットで確認しました。

2016.07.02 07:00
左利きの人は1割強 時代・国・地域問わず常にそう

表紙にも目次にも出ていないので、ちょっと気が付かないと思います。


『雑誌の新聞』サイトの<女性セブン>には、出ていました。

◆女性セブン [7月14日号]  
2016年6月30日(木曜日)更新

<徹底検証>「左利きは9年早死にする」は本当か?
  ◆ 八田武志、個性尊重、リスク管理、平均死亡年齢、はなわ
女性セブン(2016/07/14), 頁:131

まだ手に入れていませんので、詳細はお伝えできません。

取り急ぎ、お知らせだけしておきます。

【追加情報】
『レフティやすおのお茶でっせ』2016.7.8
女性セブン2016年7月14日号左利き特集・内容紹介


*記事で紹介された、関西福祉科学大学学長・八田武志さんの著作:
『左対右 きき手大研究』八田武志/著(化学同人刊)

『選ばれし民 左利き』八田武志/監修(インフォレスト刊)

*左利き生活の不便を語る本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1

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2016.05.26

『文房具図鑑』山本健太郎くんは左利きの小学生(当時)

以前から噂では聞いていましたが、なんと左利きというではありませんか、というわけでここでも取り上げておきましょう。

(情報源:いつものガボちゃんブログ 2016年05月24日左右性も検証してる? から)

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(画像:左利き発言・左手書き てがきびと・いろは出版・ねとらぼ より)

小学生(《この春からは中学生だけど》)文房具研究家・山本健太郎くん

平成15年5月6日生まれ。1年近くかけて手書きでつくった「文房具図鑑」がニフティの「デイリーポータルZ」で取り上げられて話題に。その後、テレビやラジオに出演するなど注目を集めている。
<出演した主なWEBサイト・番組>
ニフティ「デイリーポータルZ」、TBS「白熱ライブビビッド」、日本テレビ「スッキリ!!」「ズームイン!!サンデー」「所さんの目がテン!」、ニッポン放送「戸田恵子オトナクオリティ」

2016年3月21日
TBS 白熱ライブ ビビット

2016年3月25日発売
「文房具図鑑 その文具のいい所から悪い所まで最強解説」1500円(税抜)いろは出版


2015年10月20日
夏休みの宿題で作った文房具図鑑がすごい - デイリーポータルZ:@nifty
2015年12月29日
文房具図鑑を作った小学生、その後すごいことに - デイリーポータル Z - nifty
2016.01.28
小学生が作った“文房具図鑑”いろは出版での制作秘話を公開 スッキリ
2016年3月
小学6年生が作った「すごい文房具図鑑」は書籍になってもすごかった
2016年3月16日
コクヨ「てがきびと」 第15号「溢れる好奇心を緻密に書く人」山本健太郎


 ●《紙に引っかかる気がする》

上↑の「てがきびと」のインタヴューから――

健太郎くんは細字のペンや硬めの鉛筆なんて好きじゃないでしょ?》という問いに、
最近の子は、筆圧が低く、3B・4Bの柔らかいものを使う子が多いといい、
僕は筆圧強いんですけど、逆に3Bとか4Bとか使うのが好きなんです。ペンでも細字だと紙に引っかかる気がするし。ガッガッって書きたいの。》と返答しています。

この《ペンでも細字だと紙に引っかかる気がするし。》という発言は、やはり左手書きによるものではないか、と推察します。

いつも(このブログやメルマガ等で)書いていますように、左手で書くとどうしても左から右へ鉛筆を動かす場合に不都合な面があります。
鉛筆を押すような書き方になり、硬めの鉛筆では芯の先が紙面に突き刺さったり引っ掛かったりしがちです。
左手書き特有の問題です。

私は、芯の柔らかいものを推奨しています。


「てがきびと」のサイトに紹介されていた画像に、ハサミを紹介するくだりで、《左手用もほしい/(自分は左ききだし)》と書かれています。

本を見ていないので、他にどのような記述があるのか存じませんが、このような左利きのユーザー視点のコメントが含まれていることを期待しています。


 ●左利きの現実

もう一つ、ペンにしろハサミにしろそれぞれの製品のロゴの類がみな横書きなので、右利きの人が持つときの方向で図示されています。
この辺が、左利きの私から見ますと、通常使うときとは“逆向き”表示で、ちょっと馴染めません。
(私がサイトに画像を挙げる際には、できるかぎり、左手で持つときの方向を採用するように心掛けています。もしくは縦置きで。)

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(画像:鉛筆と持ち方補助具)

左利きの人が使用する持ち方に準じて左から右へ向って描くと、ロゴの文字が逆立ちしてしまうので、見づらいと思われるのかもしれません。

でも、それが左手使いの左利きの人たちの“現実”なのです。
そういう事実を右利きの人たちに知っていただきたい、という気持ちがあります。

右利きの人たちの常識をひっくり返したいものです。

もし次回があれば、そういう左利きユーザーの視点をいっぱい取り込んだものにしていただきたいものです。

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2016.02.05

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii1月発行分第460,461号のお知らせ

先月のメルマガのお知らせです。

第一・第三土曜日発行の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』1月発行分、第460号、461号。


◆第460号◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第460号(No.460) 2016/1/2「新年特別号:新春放談&
<左利きプチ・アンケート>第10回<LYグランプリ>2016」
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 新春放談:今年こそ左利きの本を!
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2005年9月末の創刊から11年目のお正月になったようです。

もう以前から何度も書いてきましたが、ホントにホント、今年こそ、なんとか左利きの本を出したいものです。

過去、色々なパターンで考えて来ました。
それぞれに面白いと思ってきたのですが、なかなか「これぞ決定番」的なイメージが整わずに来ました。

今でもいくつかのパターンはあります。

でもその中で、今一番の構想は、「青少年向けの左利きライフ入門」的なものです。

 ●「青少年向けの左利きライフ入門」的な著作
 ●「生命」
 ●「生活」
 ●「人生」


◆第461号◆
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第461号(No.461) 2016/1/16「新年特別号:新春放談2&
<左利きプチ・アンケート>第10回<LYグランプリ>2016」
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 新春放談:今年こそ左利きの本を! その2
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実は、10日から風邪をひいてしまい、予定の原稿が書けていません。

申し訳ありませんが、新春放談の第二弾ということで、前回書きました左利きの本について、もう少し書いておきます。


◆第460,461号◆

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【第10回<LYグランプリ>2016 読者大賞アンケート】
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2月10日<左利きグッズの日>を記念したイヴェントで、

2015年、最も活躍した、最も話題となった、記念すべき
<左利きの人・物・事>を顕彰するものです。

左利きライフ研究家・レフティやすおが選ぶ候補のなかから、
読者アンケートによる投票で決定します。

以下の九つの候補から一つを選んで、
項目の下のURLをクリックして投票してください。

【第10回<LYグランプリ>2016 読者大賞アンケート】

1・左利き作家ギュンター・グラス氏死去
2・左右対称形共用カメラ二代目「Canon PowerShot N2」
3・左右共用スマホ組み合わせ一眼カメラ「OLYMPUS AIR A01」
4・左右両用持ち方鉛筆「トンボ鉛筆 Yo-i もちかた」
5・左右共用「セシール 楽々ボクサーブリーフ」
6・左利き漫画と「左利きさんのための編み物サイト」
7・書字等の動作における利き手の差に関する基礎的研究
8・日テレ『嵐にしやがれ』二宮和也の左利きの大変さ
9・もっとほかにあるやろ!(例:SB監督・工藤公康氏)

※ 現在の結果を見るのは、こちら

 *このアンケートは、2015.12.5-2016.2.10頃まで実施します。

 ・・・

詳細は本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2015.04.14

左利きのノーベル文学賞独作家ギュンター・グラス氏死去

「ブリキの太鼓」(1959)等で有名なノーベル文学賞受賞のドイツの代表的作家で、ナチス・ドイツの親衛隊(SS)に所属していたことでも知られる、ギュンター・グラス氏が13日、北部リューベックの病院で死去したという。87歳。
ご冥福をお祈りいたします。

*参照:
ノーベル文学賞受賞の独作家、ギュンター・グラス氏死去 写真あり


グラス氏は左利きでも知られ、〈自発的に不器用な右手を訓練する会で奮闘する左利きの若者たち〉の話「左ぎっちょクラブ」という短編も書いています。

*「左ぎっちょクラブ」収録の短編集:
ギュンター・グラス著『僕の緑の芝生』飯吉光夫訳 小沢書店(1993/10)

一部を引用しましょう。

僕らの綱領には、右手が左手と同じになるまで、決して怠けぬこと、と書いてある。/この箇条がどれほど力強く決意にみちていようとも、こんな申し合わせはまったくのナンセンスである。こんなことできようはずがない。僕たちのクラブの最右翼はもうしばらくここから、こんな条件は削りとって、代わりに、われわれはわれわれの左手を誇りに思う、われわれは生まれつきの左ぎっちょを恥と思わない、とでも書き直すべきであると主張してきた。》p.45-46
左手使いとしての僕たちの屈辱感がどれほど深い根を持つものかを十分に知っていた。家庭や学校やそして後になって軍隊での時期、僕らはいつも、この小さいかたよりを―かたよりというのは、他の広く分布したまともさに対してであるが―じっと我慢してこらえて来なければならなかった。それは子ども時代の握手に始まる。》p.46
《ダメよ、そっちのお手々でなくて、こっちのお手々よ。ちゃんとした方のをね! よい子のお手々の方をね、おりこうさんの、なんでも器用にやる、まちがわない、正しい方のお手々をね!》》p.46
僕たちのクラブの左利きの娘たちはあるとき、夜なべの仕事をしながら、僕たちの緑色のクラブの旗にこう刺繍したのだった―心臓は左側で搏つ。》p.52

1958年に発表された小説ということですが、ドイツでも昔は左利きが忌避され、右手使いに変えるべきとされていたことが分かります。


同じこの短編集に収録されている「手巻き煙草」という作品の冒頭にも、《僕は煙草を手で巻く。僕はぎっちょである。》とあります。

*参照:
第233号(No.233) 2010/10/16「名作の中の左利き(10)「左ぎっちょクラブ」ギュンター・グラス」

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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2015.03.23

[左ききの友]『ku:nel[クウネル]』2015年1月号

遅くなりましたが、やっと報告です。
市の図書館から借りて来ました。
4ページの記事に800円もかけるのはどうかと思い、立ち読みで済ませていました。

2014年11月20日発売の『ku:nel[クウネル]』2015年1月号(vol.71) 


掲載の左利き記事、

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「会報[左ききの友]2014年(平成26年)11月20日(木)」

p.57・大変なんです、日々の食卓
 ―ひねって、ねじって、いただきます。
(イラスト:“キング・オブ・不便”な急須、天丼の海老フライの向きをかえる、握り鮨を置く角度を直してくれる気のきいたお店)

[下段]「左手放談」第1回ゲスト・八田武志さん(関西福祉科学大学学長、『左ききの神経心理学』医歯薬出版1996、『左対右 きき手大研究』化学同人2008、『「左脳・右脳神話」の誤解を解く』化学同人2013 などの著者)。

p.59・ティーカップも、トランプも 素晴らしき哉、左きき帝国!
 ―イギリスの左利き用品専門店〈エニシング・レフテハンデッド〉の父で先代店主同様、左利きの3代目店主キース・ミルソムさんの談話(奥様は左利きで左利きの子を持つ、左利きの子育てガイド本『左利きの子』東京書籍 2009の著者)
(写真:かつての店舗、左用髭ガード付ティーカップ、左用トランプ、左用ワイン・オープナー、右開きリングノート、左用鉛筆削り、左用メジャー)

[下段]「レフ子の旅」秋田市・左手子(さでこ)

p.61・歴史は左手から生まれた~サウスポー偉人列伝~
 (イラスト年表:アレクサンダー大王、ジャンヌ・ダルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ナポレオン・ボナパルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ビリー・ザ・キッド、夏目漱石、マハトマ・ガンディー、ポール・マッカトニー、バラク・オバマ)

[下段]すてきにレフトハンドメイド 第1回「木べら」ふかいな「カツン!」にさようなら。
 ―木工作家・須田二郎さんによる、100円ショップで手に入る道具を使って左用木べらを自作する方法

p.63・すこやかレフティー ストレスフリーの改札抜け術
 (写真:ボールを蹴る足、きき目が左の近藤良平さんによる通り抜け術―不知火型、失敬!型、プリティー型、シェー型)

[下段]「今夜、左党のバーで」文・『酒とつまみ』創刊編集長の大竹聡さん(実母と娘も左利き)
 ―「洋酒博物館」マスター北村聡さんの左利きシェーキングのお話

以上、概要です。


 ●個々の発言について

p.57・大変なんです、日々の食卓
 冒頭の記事の導入部の言葉、右利きの人は、改めて「右きき」と書かれることもないだろうと言い、

私たち左ききにはそれが日常。「あ、左ききだ」に始まり、「器用だね」「変わってる」はては「なんで直さなかったの?」と畳みかけられるのは日常茶飯事。そしてマイノリティーゆえの不便は、そう、“茶飯事”に集中しているのです。
と続きます。
かなり控えめに書かれていますが、私の実例を言えば、「左利きは頭がおかしい」「バカ」「左手で字を書いているのを見ると気持ちが悪くなる」等々。

[下段]「左手放談」第1回ゲスト・八田武志さん

実は、氏の父は矯正を受けた元左きき。自身にもややその傾向があり、きき手は「遺伝的のうさが強い人は直さない方がいいとの立場を取っている。」
とあります。
氏の著書『左対右 きき手大研究』の中で、実は左利きの要素があると述べておられました。
左利きは《右ききとは違った発想が、ユニークなものを生みだす可能性はあ》る。歴史的に淘汰されなかったのは、《均一な組織だと弱いから》で、一部にユニークな存在が必要だからだろうと。
そして、必要なことは、《「社会に余裕があること」》で、
「世の中が豊かなら『左ききの人は不便だろう』と思いやり、そのためのサービスや商品を考え出す人が登場する。そうした多様性を共用する社会に、もっともっとなっていくべきですね」

p.59・ティーカップも、トランプも 素晴らしき哉、左きき帝国!
 ミルソムさんの話の中では、《「イギリスの小学校では、1950年代くらいまでは矯正するのが当たり前でした。左ききの子が左手を使おうとすると、教師が定規で手を戦うこともあったそうです。そういう経験をした父親には、おそらく思うところがあったのでしょう」》といい、《「左ききには、型にはまらない人が多い。あと、同士愛が強いのも特徴だと思いますね」》とも。

p.61[下段]すてきにレフトハンドメイド 第1回「木べら」
 左手での作業を写真で示してある。
通常の右手用の木べらを使おうとすると、裏遣いすることになり、どうしても鍋底にそわないので、カットされた先端部分や本来のヘラの持つ曲線が役に立たないのが神経を苛立たせ、不満がたまるものです。

p.63[下段]「今夜、左党のバーで」
 バーテンダーの技術として、左利きの例を挙げています。
両手を使うシェーキングは、どちらが上でも難しくはないけれど、大筆は右手でもなんとかなるが、小筆で名前を添え書きするのはできない毛筆と同じで、《「細かい作業はきき手じゃないとうまくいきません」》という。また、混ぜるときバースプーンを左手に持ちグラスの内側をステアする回転方向が逆だという。

それぞれになるほど、という感じです。

ただ、それで、という気もするのです。

例えば、「p.63・すこやかレフティー ストレスフリーの改札抜け術」は、面白く楽しく乗り切ろうという意気込みなのは理解できますが、もう一つ笑い飛ばすことができませんでした。

「p.61・歴史は左手から生まれた~サウスポー偉人列伝~」にしても、左利きの特集といえば、必ずといってもいいほどに登場するコーナーですが、そうは言っても、所詮は右利きの人にも偉大な人たちはいるわけで、単に比率の問題なのです。
要するに、左利きの人の中にも優秀な人はいるし、ダメな人ばっかりじゃないというだけです。
比較的多いように感じるだけ。

近年のアメリカ大統領の例を除けば、圧倒的に左利きが優位というわけではないのです。


 ●未来に生まれる子供たちのためにも

ただ言えることは、少数派であるとはいえ、決して今生存している人だけの問題ではない、ということです。
今後も左利きの人たちが生まれ続けることは事実です。
そして、それらの人たちもまた同じ問題に直面するという事態が発生します。

だからこそ常時誰かがどこかで問題化してゆかねばいけない、ということなのです。

左利きの問題で大事なことは、右利きの人たちと同様の権利が確保されることであり、その日常生活が右利きの人に負けない程度によりよく改善されることなのです。
そこで、機会あるごとにこういう企画が為されることが重要だと思うのです。

第一回といった表現もありますので、今後もこういう記事が掲載されると期待し、応援してゆこうと思います。


*参考:
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』八田武志/著 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20
―『左ききの神経心理学』以降、世界で研究された成果を一般向けに読み物とした本。


『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2015.01.08

なぜ「矯正」はダメか?度会金孝著『ぼくは左きき 本当の自分であるために』を読む

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昨年紹介しました↓

2014.12.16
左利き元教師の本、近刊『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝著


左利きの元中学校教師が自己の左利き体験と、教師としての経験からなぜ左利きの子への「矯正」(右手使い指導)がいけないのかを説く本、度会金孝『ぼくは左きき 本当の自分であるために』を読みました。

『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18

一読、温かい気持ちになりました。
少なくとも私は。
左利きで悩んだ経験のある、左利きにコンプレックスを抱いていて、こういう風潮―いつまでたっても、左利きの左利きの子供に対する「矯正」(右手使い指導)がなくならない、少なくともそういうことを考える風潮が底流にあるという社会状況―に対してどうにかしなければ、と感じている者にとっては。

(なぜ「矯正」と鉤かっこ「」をつけて表記しているのかといいますと、それが不当、不適切な表現であるからで、その辺の理由についても軽く触れられています。)


 ●左利きの「矯正」を否定する本

本書は、端的にいいますと、「苦闘の左利き自分史」+「退職教師の懐古談」といった側面を交えた〈左利き「矯正」(右手使い指導)に反対する本〉です。

左利きの子供への「矯正」(右手使い指導)の是非に関して、自らの左利き体験と中学教師としての経験を踏まえて、なぜ「矯正」をしてはいけないのかという理由、そして「左利きの子供は左利きのままで」と説くその理由を解説しています。

簡単に触れておきますと―

なぜ「矯正」をしてはいけないのか?
一番の理由は、初等教育において大切なことは「自己肯定感を育む」ことで、それを阻害するという点にあります。

「自己肯定感」とは、「自分は生きている価値のある人間だ」「自分は人の役に立てる人間だ」といった認識です。
単純に「自信」と呼んでもいいでしょう。

「自信」のある子は、何事にも果敢にチャレンジしてゆきます。

人生の初歩段階で出会う些細な事柄の大半は、自信を持ってチャレンジすれば、できるようになるものです。
そういう小さな達成感の積み重ねがさらに大きな自信となり、人間をたくましくして、大きな問題とも取り組めるようになるのです。

本当に子供の将来を考えるなら、近視眼的な考え方でなく、もっと長い目でとらえて指導に当たるべきだ、ということでしょう。


 ●〈なまくら四つ〉

著者は、左利きの子供は「矯正」するのが当然のことという社会風潮の中で、本人もそうしなければという強い「刷り込み」を与えられ、結果として《人一倍、自分に自信を持てなくて、劣等意識に苛まれていた》(p.62)といいます。

字を書くことも右手で覚えたものの、書痙となり、字が書けなくなります。
仕方なく左手で書き始めたものの、小さいころから使っていない左手は、利き手でありながら、思うようにはならず、苦労を重ねることになります。
他にもギターを右手で始めるものの、弦を弾く高度なテクニックを身につけることができず、やめてしまいます。

著者は、この自分のようなどっちつかずの両利き(両使い)の状態を、相撲のことばでいう〈なまくら四つ〉と表現します。
右手は使えるといっても、右利きの人のそれには遠く及ばず、かといって左利きといいながら、左は使ってこなかったので、これも左利きの人のそれには及ばず、というわけです。

(私はこれを「両利き」に対して、どちらも中途半端の「両利かず」と呼んでいます。)

一見成功したように見えても、「矯正」にはこういう問題点が多々あるのです。


 ●「矯正」を考える人たち

生来右利きの人、もしくは右使いに馴染めた結果“右利きになった”と考える人が「矯正」を考えるのではないか、と思います。
そういう「矯正」を考える人たちは、子供の幸せを思う気持ち―親心から出たことといいながら、右手を使うか左手を使うかという選択については、単なる機能の問題としての良否ではなく、それ以外の要素を念頭に置いて考えているのではないか、という気がします。

単に機能面だけから見れば、右であれ左であれ、子供が使いよいと感じる方を選択すればいいのです。
しかし、それ以外の要素が絡んできますと、そういう単純な問題ではなくなるのです。

著者は「矯正」とは、《右利きを標準とする、それへの順応を強要する》(p.207)だと言います。

そして本来、機能面からどちらを使うかを検討すればいいの問題なのに、社会的な《妙な価値判断》を持ち込んでいるのだ、と。

理屈にもならない理屈、偏見、俗説、迷信、勝手な思い込み等々、これらを総動員して「矯正」を正当化しようとします。》(p.83)

そこで問題が起きてくるのだ、と。

なるほどその通りですね。


元々人間の身体の標準形は、右利き設計なのでしょう。
要するに、人類が女性の身体構造を基本に、性別により男性はその身体が男性化するように。
人体には基本となる標準形というものがあるのでしょう。
左右性に関して言えば、例えば心臓が左寄りにあり、そのため左肺が二葉で右が三葉であるように。

そういう意味で右利きである標準的な人から見れば、右利きを標準とする社会は、理想の社会であり最善の社会であり、最適化された社会と言えるのでしょう。

しかし、その裏で、そうではない標準から外れる人にとっては、これはやはり問題なわけです。

従来のような最大多数の最大幸福を目指す時代ではないと思うのです。
これからの時代は、万民の幸福を目指して欲しいと思うのです。


そういう社会の在り方に変える努力をする時代になっている、と私は考えています。


 ●左利きであることはアイデンティティー

昔自分で書いた文章ですが、最近また目を通す機会があり、そうだよね、と改めて紹介しておくことにします。

「利き手の違い」などというものは、一見些細なことに思われがちなのですが、実はそこには、「人間としてのアイデンティティー」といったものまで含まれているような気がしているのです。 「利き手は心につながっている」と感じています。 だから、「利き手を使う」ということは、まさに「その人らしさにつながる行為である」と思えるのです。
―メルマガ『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』 2011(平成23)年1月31日号(No.51)-110131-東洋から西洋へ『茶の本』岡倉天心

右利きの人は、利き手をもってアイデンティティーと感じることはまずないのではないか、と思います。

それは、日本に暮らす日本人が日本語を話すことにアイデンティティーを感じないだろうことと同じです。
それでももし外国に行けば、あるいは日本にいても外国人の中に一人ポツンと入れば、変わることでしょう。

それと同じことで、いかに郷に入れば郷に従えと言われても、自分のアイデンティティーとなっている事実を変えることはできません。

自然な姿で生きて行くことが一番大事なのだ、と私は思っています。

右利きの人が右利きで自由に生きて行けるように、左利きの人も左利きのままで自由に生きて行ければ、と願っています。

 ・・・

少し話がそれてきましたが、本書を読んで感じたこと考えたことを書いてみました。

ぜひ、左利きの「矯正」云々抜きでも、左利きに関心のある人だけでなくそうでない人も、教育や子育て等に関心のある人も読んで頂ければと思います。


*左利きの子供のためのガイド本:
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
―左利きの子を持つ親で自身左利きの著者によるイギリスの有名左利き用品専門店オーナーによる、今までの日本になかった、左利きの子供を持つ親・先生へ向けた、左利きの子の生活支援のための手引書。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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