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2017.07.31

3社<夏の文庫>フェア2017から 人の心の不思議、人生の重さ

―第204号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2016(平成28)年7月31日号(No.180)-160731-
「新潮社・角川書店・集英社―3社<夏の文庫>フェア2017から
人の心の不思議、人生の重さ」

Natunofea2017


本誌では、新潮社・角川書店・集英社の3社<夏の文庫>フェア2017から<人の心の不思議、人生の重さ>と題して、私なりの新しい名作を発掘しようという試みに取り組んでいます。

昨年までは、主に私自身既読の古典的な名作にこだわってきました。
しかし、そういう名作がだんだんと取り上げられなくなってきているという現状に、もうこの企画を取りやめようかと考えてきました。

しかし今年は、思い切ってそういう既存の考えを壊し、新たなアプローチを試みることにしました。
それが、これからの新しい名作を見つけ出そう、という試みです。

その結果、ある一冊の本について書いてみました。

 ・・・

詳細は本誌で!


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


*参考:
『あやかし草子』千早 茜 (集英社文庫)2014/11/20


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2017.07.15

私の読書論94-ソロー生誕200年を迎えて

―第203号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2017(平成29)年7月15日号(No.203)
「私の読書論94-ソロー生誕200年を迎えて 」

本誌では、7月12日に生誕200年を迎えたソローを取り上げています。
略伝的な紹介文と私の印象に残っている著作からの文章を引用紹介しました。

ソローについては、非常に多岐にわたる肩書が示されます。
詩人であるとか、著述家、思想家、ナチュラリスト等の肩書は平均的ですが、私の印象では「思索家」というか肩書が一番ぴったりくるような気がします。

生前に出版された著作は二冊だけ。
他に雑誌に掲載されたエッセイの類はいくつもあるようですが、彼の「仕事」の大半は、公刊されることなく綴られていた「日記」そのものでしょう。

この日記こそ、「思索家」ソローの「仕事」そのものだった、と言えるでしょう。

実際にこの日記から切り出し、原稿に仕立てたものがあるようです。

近年、これらの日記が出版されていますが、校訂に非常に時間がかかり、しかも絶対的なものとも言えないようです。
それは、彼の手書き文字が非常に読みにくいものだからだそうです。

一つは筆記用具の問題もあるのかもしれません。
羽ペンにインクで書いているようで、ノートの用紙も今ほど書きやすいものではなかったのではないでしょうか。

そして一番の理由は、手書きのスピードに湧き出る思いを書き綴るだけの速度が足りなかったのかもしれません。


ソローは、反戦・奴隷制反対といった政治的な思想家としての面は、今ではかなり高く評価されているようですが、シンプルライフ、エコライフの先駆者・提唱者としてのソローをもう少し見直して欲しい気がします。

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詳細は本誌で!


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


*参考:
●『ウォールデン 森の生活』
(Walden:or, the Life in the Wood, 1854年)

★佐渡谷重信訳 講談社学術文庫、1991


★今泉吉晴訳 小学館、2004 / 小学館文庫(上下)2016/8/5


 ●『市民政府への反抗(市民的不服従)』
(Resistance to Civil Government, 1849年)
 親族と友人により、編集・改題され没後出版
(Civil Disobedience, 1866年)

★『市民の反抗―他五篇』 飯田実訳 岩波文庫 1997/11/17


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★『歩く』山口晃訳 ポプラ社 2013/9/10


★今福龍太『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』みすず書房 2016/7/16


★『平和をつくった世界の20人』ケン・べラー、ヘザー・チェイス/著 作間和子、淺川和也、岩政伸治、平塚博子/訳 岩波ジュニア新書 2009.11.20
―ソローに始まり、ガンディー、キングといった非暴力、平和の教育・実践、多様性、あらゆる生命、地球環境を大切にする人たち20人を挙げ、それぞれの小伝と言葉を紹介する。

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2017.07.13

左利きってなんだ(18)快適左利きライフ入門(5)-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第497号

毎月第一・第三土曜日発行の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』7月1日発行第497号のメルマガのお知らせです。


第497号(No.497) 2017/7/1

「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その22―
左利きで心地よく生きるための方法(30)
左利きってなんだ(その18) 快適左利きライフ入門(5)」

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第497号(No.497) 2017/7/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その22―
左利きで心地よく生きるための方法(30)
左利きってなんだ(その18) 快適左利きライフ入門(5)」
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▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第一土曜日掲載
―その22― 左利きで心地よく生きるための方法(30)
左利きってなんだ(その18) 快適左利きライフ入門(5)
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 左利きライフについて考える5回目です。

 〈強度〉の左利きの人(要するに私自身ですが)
の生活を覗き見しながら、
 快適な左利きライフの方法を考えてみよう、と思います。

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その22―
  左利きで心地よく生きるための方法(30)
左利きってなんだ(その18) 快適左利きライフ入門(5)
  ◆ 左利きの環境を整える ◆
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今回からは――(今回こそは?)
 左利きにとって優しい環境を整える
という点について考えていこうと思います。

 ●心地よさを優先する
 ●靴とスリッパの例
 ●身体に合っていない道具の不幸
 ●生活環境を整える
 ●個人用から始めよう

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詳細は本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

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2017.07.03

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』-NHK100分de名著2017年7月

7月のNHK100分de名著は、ジェイン・オースティン Jane Austen の『高慢と偏見』PRIDE AND PREJUDICE です。

今年はジェイン・オースティン没後200年だそうです。
ということもあっての選択でしょうか。

この機会に読んでみました。
1813年に出版された小説で、しかも執筆はそれより16年も前と言います。
というと、1796年。

18世紀末もしくは19世紀初頭の作品ということで、どちらにしろ既に200年以上前の作品で、タイトルからも「古臭~い観念的な小説かな」と思っていました。

実際に読んでみますと、翻訳(小尾芙佐訳・光文社古典新訳文庫)のせいもあるのかもしれませんが、文章もすごく読みやすく、ストーリイの展開も人物の描写も明快で、楽しく読めました。

単純にみても200年以上の歴史を経たものでもあり、オースティンの文章はかなり複雑な構文で難解なものと言われているそうです。
翻訳の違いでかなり読んだ印象も異なるかと思います。
私は、この翻訳が親しめました。

 ・・・

冒頭の一節――

独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要というのが、おしなべて世間の認める真実である。/そうした青年が、はじめて近隣のひととなったとき、ご当人の気持だとか考え方などにはおかまいなく、周辺の家のひとびとの心にしっかり焼きついているのはこの真実であり、その青年は、とうぜんわが娘たちのいずれかのものになると考える。》(小尾芙佐訳・光文社古典新訳文庫

(ちなみに、最新訳ではこうなっています。)
世の中の誰もが認める真理のひとつに、このようなものがある。たっぷり財産のある独身の男性なら、結婚相手が必要に違いないというのだ。/そんな男性が近所に越してきたとなると、当人がどう思っているか、結婚について何を考えているかなどお構いなし。どこの家庭でもこの真理が頭に染みついているから、あの男は当然うちの娘のものだと決めてかかる。》(小山太一訳・新潮文庫 2014)

これを読んで、私はいっぺんにやられてしまいました。
こういう書き出しをさらっと書けるのは、やはりすごいと思います。
一見ありきたりな紋切り型に見えますが、導入部としては、やはりすごいの一言でしょう。

さらにその後に続くベネット夫妻の会話がみごとに作品世界を説明しています。
イメージがいっぺんに定着します。
(あとでふれますが、夏目漱石も引用文を示して激賞しています。)


内容は、年頃の長女と次女を始め、五人娘を持つ上層中産階級(アッパー・ミドル・クラス)の地主階級(ジェントルマン)のベネット家の娘たちの恋愛と結婚のお話です。

タイトルは当初『第一印象』と名付けられていたように、この作品は主人公エリザベスが結婚相手となるダーシー青年に対して見てとったその性格(高慢 PRIDE)と、抱いた誤解(偏見 PREJUDICE)についてのお話という意味でしょうか。
あるいは、ダーシー自身の性格(高慢)と階級差に対する考え(偏見)なのでしょうか。
もしくは、エリザベス自身のダーシーへの見方そのものが、高慢であったり偏見であったりした、ということでしょうか。

その辺は、各自読んだ上での判断ということにしましょう。

 ●結婚観や夫婦像を見る

恋愛小説のジャンルに入るかと思いますが、紆余曲折の恋愛ののち結婚にゴールインしてめでたしめでたしとなる“恋愛と結婚”の小説です。

新潮文庫版「解説」で作家の桐野夏生さんが

裕福ではないジェントリの娘にとって、結婚とは「シューカツ」である。そして、家族にとっては、少しでもいい条件のところに娘を嫁がせて、自分たちも楽をするための「ファミリー・ビジネス」なのだった。
と書いています。
確かに、ここに登場する何組かの夫婦を見ていますと、結婚のあり方というものを考えさせられます。

エリザベスは経済的にも社会的地位的にもまさに玉の輿に乗るわけですが、姉も経済的にいえばそれでしょう。
アッパー・クラス(上流階級)に属するダーシーと、アッパー・ミドル・クラス(上層中産階級)のジェントリー(地主階級)の娘であるエリザベスの結婚は、身分(階級)違いの結婚となり、多くの障害を乗り越えるためには互いの愛情と覚悟が必要でもあるのです。
姉の場合も同じです。
ダーシーは当初からその自信はあったようです。
問題は女性の側というところでしょう。

一方、エリザベスの親友の27歳の(当時としては行き遅れ?)シャーロットは、経済的な安定をとったというところでしょうか。
それぞれの結婚観に基づくものでもあるのでしょうけれど、現実的な妥協でもあるという見本でしょう。

他にも、ベネット夫妻やベネット夫人の弟夫妻、結婚したシャーロット夫妻など、いくつかの夫婦が登場します。
こういう結婚観や夫婦像を観察するのも、この作品を読む楽しみの一つでしょう。

 ●夏目漱石の『文学論』から

光文社古典新訳文庫版小尾芙佐さんの「訳者あとがき」によりますと、東京帝大英文科で講師を務めた夏目漱石もその前任者であったラフカディオ・ハーンも、オースティンを評価しています。

夏目漱石は『文学論』のなかで、オースティンの『高慢と偏見』や『多感と分別』にふれ、「Austenは写実家なり」といい、かつ「写実の泰斗なり」と書いています。

『文学論』「第四編 文学的内容の相互関係/第七章 写実法」(岩波文庫 2007)

Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技(わざ)神に入るの点において、優に鬚眉(しゅび)の大家を凌ぐ。余いふ。Austenを賞翫する能はざるものは遂に写実の妙味を解し能はざるものなりと。例を挙げてこれを証せん。》p.167
以下、第一章の冒頭のベネット夫妻の会話が原文とご自身の和訳で紹介されています。
取材既に淡々たり。表現亦洒々(しゃしゃ)として寸毫の粉飾を用ゐず。これ真個に吾人の起臥し衣食する尋常の天地なり。これ尋常他奇なきの天地を眼前に放出して客観裏にその機微の光景を楽しむ。もし楽しむ能はずといはばこれ喫茶喫飯のやすきに馴れて平凡の大功徳を忘れたるものの言なり。》p.175
Austenの描く所は単に平凡なる夫婦の無意義なる会話に非ず。興味無き活社会の断片を眼前に髣髴せしむるを以て能事を畢(おわ)るものにあらず。こう一節のうちに夫婦の性格の躍然として飛動せるは文字を解するものの否定する能はざる所なるべし。(略)――悉く筆端に個々の生命を託するに似たり。》p.176
即ちこの一節は夫婦の全生涯を一幅のうちに縮写し得たるの点において尤も意味深きものなり。ただ縮写なるが故に意味深きのみならず。(略)この一節の描写は単に彼ら性格の常態を縮図にせるの点において深さを有するのみならず、併せてその可能的変態をも封蔵せるの点において深さを有するものとす。》p.177
這裏(しゃり)の消息に通ずるものはAustenの深さを知るべし。Austenの深さを知るものは平淡なる写実中に潜伏し得る深さを知るべし。》p.178


ラフカディオ・ハーンも、オースティンの作品を高く評価しています。
「それはあまりに繊細すぎた」といい、それゆえ、

文学的教養が十分でないと彼女の小説の並はずれた長所を理解することはできない。『ラフカディオ・ハーン著作集第十二巻』野中涼・野中恵子共訳、千九百八十二年、光文社(「訳者あとがき」p.366より孫引き)

『高慢と偏見』については、
シェイクスピアの芝居のあるもののように面白い。実際、人物たちの劇的な真実といきいきしたようすは、シェイクスピア的と言っていいくらいだ》同
といいます。

 ・・・

なかなか鋭い観察眼と描写力を持つ、達者な作者の名品という感じでした。

さて、この作品を廣野由美子講師がどのように読み説いていただけるのか、楽しみです。

 ・・・

名著67 高慢と偏見

第1回 7月3日放送 偏見はこうして生まれた
第2回 7月10日放送 認識をゆがめるもの
第3回 7月17日放送 恋愛のメカニズム
第4回 7月24日放送 「虚栄心」と「誇り」のはざまで

【指南役】
廣野由美子(京都大学教授)…19世紀の英文学研究の第一人者。
【朗読】
ミムラ(女性の登場人物担当)、川口覚(男性の登場人物担当)

○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
高慢と偏見 2017年7月
2017年6月25日発売


*私が読んだ本:
『高慢と偏見〈上〉』ジェイン・オースティン/作 小尾芙佐/訳 (光文社古典新訳文庫 2011/11/10)
―唯一の女性訳者の手になる翻訳。小尾さんの翻訳は、エンタメ系小説で多く慣れ親しんでいるので、安心して読めました。


『高慢と偏見〈下〉』(同)


『自負と偏見』ジェイン・オースティン/作 小山太一/訳 (新潮文庫 2014)


*講師・廣野由美子さんのオースティンの本:
『深読みジェイン・オースティン―恋愛心理を解剖する』廣野 由美子 (NHKブックス No.1246 2017/6/22)


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