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2016.12.01

左利きはつらいよ特集詳報-『週刊ポスト』2016年12月9日号

一昨日、↓に報告しましたように、『週刊ポスト』2016年12月9日号で、カラー8ページの「左利きはつらいよ」特集が掲載されました。

2016.11.28
左利きはつらいよ特集『週刊ポスト』2016年12月9日号

29日火曜日、お医者さんの帰りに買ってきました。
430円。(8ページで、高いか安いか? 下に書いた『セブン』の時よりカラーだし、知り合いの裕生さんも登場ということで、納得できそう。)

『週刊ポスト』2016年12月9日号


161209shuukan_post_lh_s

(画像:『週刊ポスト』2016年12月9日号「左利きはつらいよ」特集8p)


13ページから18ページまで、カラー8ページの特集です。
ちなみに、表紙には記載がありません。
目次にも、「カラー8P特集 左利きはつらいよ……13」とあるだけ。


私の知るところでは、雑誌の特集としては、今年の夏7月の『女性セブン』2016年7月14日号左利き特集↓ 以来ということになります。
これも同じ小学館なんですよね。

2016.7.8
女性セブン2016年7月14日号左利き特集・内容紹介

p.13
表題“左利きはつらいよ”8P特集
毎日感じるこの不条理、右利きのやつにはわかるまい!
全国1300万人“日本最大のマイノリティ集団”の悲痛な叫びを聞いてくれ!

めくりにくい右開きですみません!》ともあります。


p.14-15
右利きにはわかるまい!「左利きの受難」

世の中にはびこる“左利き差別”がこんなにあった!》と場面ごとのよくある3項目が紹介されています。

◆「学校」―英語で手が真っ黒、リングノートが痛い、窓際の席で目が悪くなる
◆「スポーツ」―ゴルフの打ちっ放し、左打席で期待される、ボウリングのボール
◆「社会人」―パソコンのマウス、「紐付ペン」、合コンで不利(席が不自由、左端以外は肘が当たる)
◆「日常生活」―急須、カメラのシャッター、結婚指輪がボロボロになる

左利き100人に聞きました(20歳以上の男女)》3問
・左利きで苦労したことはありますか?
・左利きから右利きに変えるように言われたことはありますか?
・左利きで良かったことはありますか?


p.16-17
著名人の告白-我が左手との“格闘記”》 成功の陰には左利きならではの苦労があった
◆落語家・林家三平―「落語の世界では左利きは“御法度”なのです」  
◆元プロ野球選手・遠山奬志―「“松井キラー”はいつも崖っぷちでした」
◆エコノミスト・門倉貴史―「名刺交換のときに見知気きの人とは衝突しています」

p.18-19
知られざる「左利きの謎」-数々の謎の専門家に聞いてみました
◆京都大学霊長類研究所◆関西福祉科学大学学長・八田武志
Q1―右利きが多いのは人間だけ?
Q2―「左利き」に天才多い説」は本当か?
Q3―利き手はいつごろ決まるのか?
Q4―左利きはなぜスポーツに有利なのか?
Q5―「左利き短命説」は本当か?
Q6―左利きはなぜ右利きに変えられてきたのか?


p.20
唯一の味方「左利き専門店」に潜入!-品揃えは約100点!
◆神奈川県相模原市「菊屋浦上商事」・浦上裕生社長

右利き用のカッターで手を切ってしまった
逆向きの「おたま」をメーカーと開発
「左利きの男の子に告白したい」

グッズの写真を見ていますと、こちらでも過去に紹介してきた商品に交じって、最近メルマガで紹介しました〈四角く切るバターナイフ〉も置いているようです!
さすが! ですね。

*参照:
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第478号(No.478) 2016/9/17「【左手・左利き用品を考える】右用と左用の違い(6) バターナイフ 編」

『お茶でっせ』2016.9.26
左手左利き用品考6バターナイフ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第478号

貝印 KaiHouse SELECT 四角く切れるバターナイフ FA-5162

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取材・文/鵜飼克郎、清水典之、松村優子、渡部美也
イラスト/川合景二=TITAN GRAPHICS(左利き)
デザイン/KUMAGAI GRAPHIX(左利き)
撮影/太田真三、作田祥一、山崎力夫


↑ここでも、イラストやデザイン関係には、左利きの人がいるんですね。
よく左利きの人には、右脳型の職業とされる画家やイラストレーターなどが多いと言われていますけれど。


 ●「左利きの不便なもの」について

全体を通じて思うこと・感じたことを書きます。

いつもこの手の「左利きの不便なもの」に関して書いてきたことですけれど、「横書きで字や手が汚れる」や「リングノートが痛い」は、右利きでも縦書では汚れますし、リングの反対を使うときはやはり痛いでしょう。
その辺は右も左もいっしょ。

それよりも、左利きならではの不便や苦労がもっとあると思いますよ。
もっと突っ込んでみてもいいのかも……。

ありきたりなものと意外なものをミックスして欲しいですね。

簡単な例を挙げますと、先に話したバターナイフでもそうです。
使わない人はまったく縁がないかもしれませんけれど、私のように毎朝パンとトーストの人は毎日一回は使います。
無頓着な人なら気付かないかもしれませんが、左利き・左手使いの人は、裏返して使っています。
バターをすくうというより、背にのせる感じです。

こんなものは、左用を簡単に作れるはずです。
値段だってしれてるはずです。
百円ショップで、アイスキャンディーの棒のような、細長い平たい板状のものを買ったことがあります。
でも、切りにくい、使いにくいものでした。
両サイドに簡単な刃(両辺を薄くする)をつけてくれたらいいだけのことなんですが……。


私の観点から漏れていたものは、結婚指輪ですね。
なるほどという感じです。


 ●「左利き100人に聞きました」&落語と左利き&「左利きの謎」

「左利き100人に聞きました」は、ほぼみな60%ぐらいです。
「良かった」も60%というのは、ある意味「えっ」て言う感じですが、《苦労してきたからこそ、特別な意識も芽生えるようだ。》という言葉はわかりますね。
そうでも思わないと、やってられない、という気もするのです。


落語と左利きについては、↓に書いています。

2009.6.19
『落語の国からのぞいてみれば』から左利きを考える

『落語の国からのぞいてみれば』堀井憲一郎/著 講談社現代新書1947 2008.6
―江戸時代を背景にした落語から現代社会を考える本
 「第十四章 左利きのサムライはいない」(左で食べる落語家はいない/舞台のカミとシモ/左と右はどちらが偉いのか/刀を扱うときの左右のルール/社会コストの問題)

「左利きの謎」も、左利き関係の本や雑誌の左利き特集記事などのよく使われるものばかりで、【左利きライフ研究家】の私から見れば、誰でも知っていそうな、ありきたりな謎ばかりです。


 ●「なぜ右利きに変えられてきたのか?」について

「Q6―左利きはなぜ右利きに変えられてきたのか?」に関しては、《19世紀から20世紀にかけて欧米社会では、右利きに“矯正”しようとする動きがあった。》とあります。
間違いではないのですが、ではそれ以前にはなかったか、というとそういうわけではなく、近代化のなかで「右へならえ」が強調された、ということです。
反面、20世紀初頭のアメリカで、吃音等の小児神経症的な弊害が言われるようになり、左利きのままで、という考えが広まった、と言われています。

キリスト教でも、イスラム教でも、ヒンズー教でも、左利きは忌避されてきました。
仏教でも基本は同じで、東アジアでは、特に墨と筆を使った書字の影響もあり、右使いが強要されてきました。

日本でも1980年代にはほぼなくなった。》とあります。
その傾向は否定しませんが、実際には、まだ「他のことはいいが、字を書くことだけは右手で」という考えを表明する人(きれいな字の書き方の先生など)がいます。

現実に、小学校の書写の教科書を見ましても、右手書事例のみで、左手で字を書く例はいっさい示されていません。
これは上の考えを暗に支持しているようにしか見えません。
これらの教科書を作成している、その世界で権威のある先生方の考えが反映されているのでしょう。

現場では、左利きの児童の書き方について研究している先生方も目立ってきました。
市販の書き方本や民営の小児教育関連教室などでは、左利き書字例や、左利きの書き方を指導している例も増えています。
もっと頑張っていただきたいものです。


 ●「左利き専門店」について

「菊屋浦上商事」の三代目社長・浦上裕生さんは、左利き仲間の一人でもあり、登場はうれしいですね。

知らなかったこともあります。

「官庁との取引で、善く左利き商品の注文があった。例えば、ハサミ100個の納入時、右利き用が98個、2個だけ左利き用と指定される。しかし、仕入れは10個単位なので、余りは店で売り始めたんです。
というくだり。

官庁の注文から始まったというのは、意外でした。
官庁が左利きに配慮するというところが、びっくりでした。

物事何でも一律に処理する、というイメージがあっただけに。

“迫害”を受けている中でも、心強い味方はいるのである。》という締めの言葉になっています。

 ・・・

全般的に見て、まずますというところでしょう。
可もなく不可もなく。

毎年のように、雑誌やテレビの情報系・バラエティ系で、こういうちょっとした左利き特集が組まれます。

(予定した原稿が落ちて、穴埋め的にこういうものが登場するのではないか、という気もします。)

なにはともあれ、取り上げられることはよいことです。
あわよくば、さらなる展開が見られれば……、というところですけれど。

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