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2015.10.31

中国の古代思想を読んでみよう(2)四書五経を読む

 ―第162号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2015(平成27)年10月31日号(No.162)-151031-
「古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(2)四書五経を読む」

本誌では、「四書五経」のごく簡単な概略の説明読むことの意義について書いています。

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◆ 伝統文化を再認識し、原理を現代に生かす ◆
 古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(2)
  四書五経を読むということ
--

わが国においては、「四書五経」には中国の儒教の経典という面だけではなく、中国の文化そのものの代名詞となっている、というのです。
現実に私たちが日常使用する言語生活において、これらの書を出典とする言葉や故事来歴、ことわざが多数あり、それらを抜きにしては語れないと言っても過言ではない状況です。

また、道徳的にも処世的にもこれらの書から学ぶべきものが多数あり、現代においても十分通用する原理が語られている、と思われます。

ちなみに、
「四書」とは―宋代に朱子によって編成された経書『論語』『孟子』『大学』『中庸』
『大学』と『中庸』は、『礼記』の中の31篇と42篇を独立させたもの。

「五経」とは―前漢の武帝(前141-前87在位)の時代、建元5年(前136)董仲舒(とうちゅじょ)の献策を受けて、五つの経書を認定し、太学(国立大学)に五経博士を置き、高い地位を与えられた経書『易(経)』『書(経)』『詩(経)』『礼(経)』『春秋(経)』

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


*本誌で参照した本:
『四書五経入門 中国思想の形成と展開』竹内照夫 平凡社ライブラリー320 2000.1.24
―「四書五経」の概説書としては唯一のもの。1981.2刊平凡社・東洋文庫・第二版の文庫化。初版1965。

『五経入門 中国古典の世界』野間文史 研文出版・研文選書119 2014.3.20
―中国の古典文化を学ぶ人のための経書の概説書。易(周易・易経)書(尚書・書経) 詩(毛詩・詩経) 礼(儀禮・禮記・周禮) 春秋(公羊伝・穀梁伝・左氏伝)。

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2015.10.17

クリスティー原作ドラマ「トミーとタペンス」NHKテレビで放送

NHKテレビの「トミーとタペンス<全6回>」が明日18日から始まりますね。

この情報は、クリスティ・ファンクラブの数藤会長からの報告で知りました。

NHKのサイト「トミーとタペンス」から―

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トミーとタペンス<全6回>

アガサ・クリスティー原作のおしどり夫婦が活躍する探偵ドラマ。
日本初放送!

「秘密機関」(3話完結)
「NかMか」(3話完結)

今年2015年、生誕125年を迎えるミステリーの女王アガサ・クリスティーが生みだし、エルキュール・ポワロ、ミス・マープルと並んで愛される
「おしどり探偵」ことトミーとタペンスの夫婦が活躍するミステリー・ドラマ。

1950年代のイギリス。
第二次世界大戦後の復興から東西冷戦の時代に、冒険好きの妻タペンスと彼女を支える夫トミーが難事件に挑む。
50年代のおしゃれなファッションとノスタルジックな雰囲気のなかで、ユーモアを交えながらハラハラドキドキのドラマが展開する。
イギリスで制作され、BBCで放送したばかりの作品を日本初放送!
1作品を3回に分けて放送します。(2作品全6回)

原題:Agatha Christie’s Partners in Crime
制作:2015年 イギリス


・トミーとタペンス(1)[新]<全6回>「秘密機関(1)」
列車で乗り合わせた女性が行方不明に。トミーとタペンスは事件の謎を追うが…。

第二次世界大戦後の1952年。
ロンドン在住の夫婦、トミーとタペンスはパリに出かける。
帰りの列車の中で乗り合わせた若い女性が食堂車に行った後、タペンスは銃声と悲鳴を聞いたような気がした。
女性はそのまま戻らなかった…。
不審に思ったタペンスは、女性が残した1冊の本を手掛かりに行方を調べようとするが、次々と危険な目にあう。

トミーとタペンス(2)「秘密機関(2)」
失踪した女性、ジェーンの行方を調べ始めたトミーとタペンスはスパイ事件に巻き込まれて…。

トミーとタペンス(3)「秘密機関(3)」
ブラウンが誰かを探り当てたトミーとタペンスは、暗殺の標的である国務長官のもとへ急ぐが…。

トミーとタペンス(4)「NかMか(1)」
トミーは軍情報部幹部のおじから極秘任務を命じられる。

トミーとタペンス(5)「NかMか(2)」 スパイの正体を調べるため潜入捜査を始めたトミーとタペンス。次々と起こる事件に翻弄される。

トミーとタペンス(6)「NかMか(3)」[終]
スパイNの要求は核兵器とソ連の政治犯との交換。期限は2日しかない。
--

以上、六回放送のようです。


原作では、「秘密機関」は、第一次大戦後、二人の年齢を合わせても45にもならないという若い二人が再会し、仕事のない戦後の生活の中で出会った冒険のお話です。

「NかMか」は、第二次大戦中、戦争のため、息子とも娘とも離れた、中年になった二人が、ドイツのスパイを探る冒険に誘われるお話です。

クリスティーもまた、戦時下では、祖国のためを思う愛国者だったということでしょうか。

それとも家族を思うがゆえ、だったのでしょうか。

しかし、話の内容は、男女カップルの冒険ものとはいえ、ミステリの女王らしいちょっとした謎解きありの楽しめるものになっています。

「NかMか」は、トミーとタペンスものの中では唯一未読で、実はごく最近読んだばっかりだったので、偶然に驚いています。


<トミーとタペンス>もの
1.秘密機関 (長編)
 戦後再会した二人の青春冒険もの


2.おしどり探偵 (短篇集)
 冒険好きの若い二人トミーとタペンスのベレズフォード夫妻が探偵事務所を開き、ホームズやポアロなど名探偵たちのマネをして事件を解決する


3.NかMか (長編)
 中年になった二人のスパイ冒険もの


4.親指のうずき (長編)
 「トミーとタペンスはどうしていますか」の読者の声に応えて書かれた、老年期に入った二人の冒険で、クリスティー晩年の傑作


5.運命の裏木戸 (長編)
 生前のクリスティーが最後に書いた作品
 正直始めて読んだ時、さすがのクリスティーも衰えたか、と思わせた作品で、タイトルがタイトルだっただけに…。
 登場人物がみな、80、90代というのビックリしましたが、書いた時クリスティー自身が80代ですから、これも当然かも


(ポアロ最後の事件『カーテン』とマープル最後の事件『スリーピング・マーダー』は、第二次世界大戦頃に書かれ、死後公開のこととして保管されていた原稿)

 ・・・

昨日16日、
『ポワロ』の声・熊倉一雄さん死去 88歳
の報が入ってきました。

テレビの<ポアロ>ものもスーシェさんが全作を演じ終え、熊倉さんのポアロもそれに伴い、おしまいになったのでした。

まあ、待っていたわけではないでしょうが、結果的には、あの仕事を終えてからのこの日ということで、感慨深いものがあります。

ご冥福をお祈りいたします。

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2015.10.15

画像で見る私の過去の左手書字例

左手書字について、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』で書いています。
(登録→ 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

そこで、左利き歴60年ぐらい、左手書字歴50数年の私の手書き文字の変化について、過去のメモの文字から画像を抽出して検討してみましょう。

高校生時代の文字とその後20代に入ってからの文字を比較しています。


(画像:1972年と1978年の読書メモから)
151015kakomoji_19721978_s


画像の上段(一行目)の1972年の黄色の四角で囲んだ
「果」という文字を見ていただきますと、
横画が「右下がり」になっています。

しかし、下の画像の1978年読書リスト
「果」は、横画が皆ほぼ水平になっています。

写真では、罫線が山なりの「右下がり」に写っていますので、
実質「右上がり」の横画といってよいでしょう。


また他の文字も、
上段の文字は青色の斜線で示しましたように、
横画が「右下がり」のものばかりです。

上の画像の下段の文字と比べても、
違いがわかるでしょう。

上段(一行目)は、一文字一文字が皆「右下がり」で、
昔の「のこぎり屋根」(|\|\|\)状の工場のように
なっています。
それに対して下段(二行目)は、ほぼ水平の横画で、
下の画像の「1978年読書リスト」の文字と同じです。

上段(一行目)の「大友」の「大」と、
下段(二行目)の「大久保」の「大」の文字を比べてみても、
その違いが分かります。

 ・・・

左手書字の特徴として、横画が「右下がり」になるといわれています。
逆に右手書きの特徴が、「右上がり」の横画だ、といういい方もできます。

この右手書きの特徴を、(逆手にとって)きれいな文字の特徴と認定しているのが、現行の書の基準と言えるでしょう。


*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2012.04.14
AKB48あっちゃん前田敦子の直筆画像に見る左手書字の特徴

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長い(分厚い)本を読む~わが読書人生から~私の読書論72

 ―第161号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2015(平成27)年10月15日号(No.161)-151015-
「私の読書論72-長い(分厚い)本を読む ~わが読書人生から~」

本誌では、「長い(分厚い)本を読む」ことについて書いています。

「物としての本」の持つ“重さ”「質量」が、そのままその本の著作としての「重さ/質(量)」なのだと思っています。

私自身、電子書籍というのが好きになれないのは、単に慣れの問題だけではないと思っています。
電子書籍の場合、端末そのものの重さしかないわけで、大長編であれ短編であれ皆同じなわけです。

ドストエフスキーの大長編の本を手に持って読むときは、本の重さがあり分厚さがあり、そのページを一枚ずつめくって何百ページ目かに到達した時の充実感、読み終えたときの達成感というのは、実際に“手応え”として体感できるのです。
それが読書の別の面での喜び、楽しみにつながっているものなのです。

ということで、今回はおしまい。

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
--

*本誌で取り上げた本:
F.M.コーンフォード『ソクラテス以前以後』(岩波文庫)


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2015.10.07

処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月

NHK『100分de名著』10月は、2014年11月「菜根譚」の再放送です。

名著38「菜根譚」
第1回 10月7日放送 逆境を乗り切る知恵
 《誰もが陥る「逆境」にどう立ち向っていくか?
第2回 10月14日放送 真の幸福とは?
 《新しい「幸福論」を再構築しようとしている
第3回 10月21日放送 人づきあいの極意
 《およそ人とかかわるあらゆる局面で、どう振舞ったらよいかを具体例とともに細かく指南している
第4回 10月28日放送 人間の器の磨き方
 《「自分の心を見つめること」「ゆとりをもつこと」「中庸」「高い志」などを、人間的な成長に不可欠なものとして提示する

ゲスト講師 湯浅邦弘(ゆあさ・くにひろ) 大阪大学・大学院教授

「プロデューサーAのおもわく。」より

「菜根譚」が時代をこえて読みつがれるのはなぜでしょうか。中国哲学が専門の湯浅邦弘大阪大学教授は、その理由を、「洪自誠が本流から外れて不遇をかこったからこそもちえた冷徹な視点があり、そこから時代を超えた普遍性、鋭い人間洞察が生まれた」と語ります。/ 番組では湯浅邦弘さんを指南役として招き、「菜根譚」の世界を分り易く解説。様々な言葉を現代社会につなげて解釈するとともに、そこにこめられた独特の【幸福論】や【交際術】、また、現代にも通じる【人格の磨き方】をひもといていきます。

○NHKテレビテキスト
「100分 de 名著」「菜根譚」2015年10月
湯浅邦弘


【ゲスト講師・湯浅邦弘さんの『菜根譚』の入門書】:
1.『菜根譚 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』角川ソフィア文庫 2014/10/25
―本文主体の入門書。前後集357条中主要な136条を選んで、現代語訳・書き下し文・原文・解説を付け、書き下し文の漢字にはすべてルビ(振り仮名)を付けて読みやすくしている。要所にコラムも配置し、全体の解説も付けて初心者にもやさしく紹介している。

2.『菜根譚―中国の処世訓』中公新書 2010/2
―背景解説を含む入門書。『菜根譚』の時代背景、内容の思想の解説、中国の処世の書の歴史紹介。


【原典全訳】
1.『菜根譚』洪自誠/著 今井 宇三郎/訳 岩波文庫 1975/1/16
―原文・書き下し文・語釈・現代語訳。初句を抽出した一覧目次。

2.『菜根譚』中村 璋八, 石川 力山/訳 講談社学術文庫 1986/6/5
―儒学・道教の中村、仏教・禅宗専攻の石川両氏による語義が充実した訳書。内容を端的にまとめた目録を目次とする。


(底本のテキストの違いにより、条の区切りが異なり条数が違ったり配列のずれがあり、講談社学術文庫版では、前集は岩波文庫版と同じ222条ですが後集が134条となっています。
 “湯浅”角川版は、他のテキストを参考に一部文字を改め、条の区切りは結果的に岩波版と同じになったという。)


 ●『菜根譚』について

湯浅邦弘さんの『菜根譚 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』の解説によりますと―

『菜根譚』は、明代の末の頃の人で儒家を自称する洪自誠による儒・道・仏の三教融合の思想に基づく処世訓です。
中国では儒家であっても道教(老荘思想)や仏教を排するものではなく、重要な思想とされているそうです。
そうは言っても儒家としての道徳心を基本としており、道教や仏教を批判する条もあります。

『菜根譚』は、前後二集、それぞれ222条と135条、都合357条からなり、前集は主に儒家の思想に見られる常識的な道徳を説き、後集は老荘思想や仏教の色合いのある俗世を超えた深遠な境地を説いています。
それぞれの条は、みな二行から数行と短い簡潔な文章からなっており、それぞれは独立したもので、どこからでも読めるものとなっています。
内容としては、著者の体験――実際の生活の中から、および読書から得たよりよく生きるための知恵を語る処世訓です。

湯浅さんの上記の本では「洪自誠の読書生活」と題された後集54条にこうあります。

明け方の窓の下で『易経』を読み、松葉の露で句読点を打つための朱墨を擦(す)る。昼間は机の上に仏典を置いて語り合いながら、宝磬(ほうけい)を打って音色を竹林の風に響かせる。/【読み下し文】易(えき)を暁窓(ぎょうそう)に読(よ)んで、丹砂(たんしゃ)を松間(しょうかん)の露(つゆ)に研(みが)く。経(きょう)を午案(ごあん)に談(だん)じて、宝磬(ほうけい)を竹下(ちくか)の風(かぜ)に宣(の)ぶ。

それだけに、単なる知識の受け売りではなく、真実味のある教訓となっているのでしょう。

日本でも中世以降、多く読まれてきたといいます。
近年でも有名人の愛読書として、『松下幸之助の菜根譚』や『野村克也の『菜根譚』』といった本が出ているそうです。

湯浅さんは「あとがき」で、人生は思い通りにならないもので、そういう逆境の時にこそ言葉が支えになるもので、そんなときどんな心の持ち方が必要か、また逆境に陥らないために普段ならどのような心構えが必要かを教えてくれるのが『菜根譚』で、《逆境に立ち向かう古典》だと書かれています。


 ●気になった条

私の気になった条をいくつか紹介しておきましょう。

「君子の心と才知」

君子の心の持ちようは、青天白日のごとく、すべてを他人にさらけ出すようにする。また君子の才能や智恵は、珠玉を包み隠しておくがごとく、他人には容易に知られないようにする。(前集三)
人付き合いでは、心はオープンに、才能はあからさまにしない。

「人生を磨く砥石を」

耳にはいつも聞きづらい忠言や諫言を聞き、心にはいつも受け入れがたいことがあって、それではじめて、道徳に進み、行動をただしくするための砥石となるのである。もし、言葉がすべて耳に心地よく、ことがらがすべて心に快適であれば、それは、この人生を自ら猛毒のなかに埋没させてしまうようなものである。前集五
「良薬は口に苦し」。
自分に厳しく、自己を制御するところに成長がある、というところでしょう。

「一歩を譲る」

世の中を渡っていくのに一歩を譲る気持ちが大切である。一歩を退くのは、のちのち一歩を進めるための伏線となる。人を待遇するのに少し寛大にする心がけが望ましい。他人に利を与えるのは、実は将来自分を利するための土台となる。(前集一七)
「譲り合う心ひとつで事故はゼロ」というところでしょうか。
あるいは、「情けは人のためならず」というところでしょうか。

「方と円の生き方」

治世にあっては四角張って生き、乱世にあっては丸く生き、末の世にあっては、四角と丸の生き方を併用しなければならない。善人を待遇するには寛大に、悪人を待遇するには厳格に、普通の人を待遇するには寛大・厳格を併用するのがよい。(前集五〇)
世の中の状況に合わせて言動を変え、人によっても変える、臨機応変に対応せよと言う。

「徳を養う三つの心がけ」

人の小さな過失を責めたてず、人のプライバシーをあばかず、人の過去の悪事をいつまでも覚えていない。この三つのことを守れば、自分の道徳心を養い、また、危害を遠ざけることができる。(前集一〇五)
湯浅さんの解説
三つのことを守れない人は、他人を許すという道徳心を養うことができず、他人からも、仕返しを受けることとなるのです。》p.103

正にそういうことでしょう。

また、“自身の気を制御せよ”(前集三八)とも言います。
気を平静にしておけば、災難も自分を侵すことがない、と。

前集は、見方によれば功利的な感じもなくもないのですが、一歩を譲るとか控えめにとか、あるいは中庸、分をわきまえるといった道徳的な教訓という傾向があります。
まさに処世の言葉そのもの、と言っていいでしょう。


 ●心に響いた条

次は、一番と言ってもいいほど好きな、心に響いた条を―

「喜びの心」

暴風雨の日には、鳥や獣でさえも悲しそうである。天気晴朗の日には、草木でさえもうれしそうである。これにより、天地に一日も和気がなくてはならず、人の心に一日も喜びの精神がなくてはならないことがわかるのである。(前集六)》p.26

本当に天気がいい日は気持ちもいいものですし、心にもそういう「和気」が欲しいものです。

「長続きする幸せ」

苦しんだり楽しんだりして修練し、その修練をきわめた後に得た幸福であって、はじめて長続きする。疑ったり信じたりして考え抜き、考え抜いた後に得た知識であって、はじめて本物となる。(前集七四)》p.83

苦しんで得た、考え抜いた知識こそ本物だ、というのは実感のある言葉です。

「彼岸に至る」

人生の幸不幸の境目は、みな人の心が作り出すものである。だから釈迦もいう、「利欲に向かう心が強すぎると、さながらそれは燃えさかる炎の海。貪欲に心がおぼれてしますと、さながらそれは苦しみの海。心を少し清浄にすれば、火焔も池となり、はっと目覚めれば、苦界を渡る船も彼岸に至る」と。心持ちが少し異なるだけで、こうも境界が異なってくる。よくよく考えなくてはならない。(後集一〇九)》p.210
人生はすべて、心の持ち方だという。
人生の幸不幸の境界を作り出しているのは、他人や周囲のものごとではない。自分自身の心のあり方である。人は、禍福が外からやってくると思っているかもしれないが、実は、禍福を招いているのは、わが心である。》湯浅邦弘『菜根譚―中国の処世訓』中公新書 p.241

その心ですが、本来は自然なままであれば、もっといいのですよね。

「心に適う」

たまたま気持ちにぴったり合ったところ、それこそが佳境となり、人の手を加えない天然の物であってこそ、真のはたらきが見られる。もしわずかでも人工的な作為を加えれば、趣は減ってしまう。唐の詩人は白楽天も言っている。「心は無事の時が楽しく、風は自然に吹いてくると爽やかである」と。なんと味わいがあることか、この言葉は。(後集八三)》p.203
ありのままをありのままに楽しめれば、本当にいい気分になれるものです。

他にも色々ありますが、きりがないので、今辺で。

 ・・・

再放送ですが、前回の放送は見そびれているので、今回は楽しみにしています。

*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
1 2011年11月放送:2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
2 2011年12月放送:2011.12.6
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK
3 2012年1月放送:2012.1.5
吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK
4 2012年2月放送:2012.1.29
新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK
5 2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月
6 同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで
7 2012年4月放送:2012.4.3
紫式部『源氏物語』NHKテレビ100分de名著
8 2012年5月放送:2012.5.2
確かな場所など、どこにもない―100分 de 名著 カフカ『変身』2012年5月
9 2012年6月放送:2012.6.6
<考える葦>パスカル『パンセ』NHK100分 de 名著2012年6月
10 2012年10月放送:2012.10.2
鴨長明『方丈記』NHK100分 de 名著2012年10月
11 2012年12月放送:2012.12.5
<心で見る努力>サン=テグジュペリ『星の王子さま』NHK100分de名著2012年12月
12 2013年1月放送:2013.1.11
呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月
13 2013年2月放送:2013.2.5
待て、そして希望せよ~NHK100分de名著『モンテクリスト伯』2013年2月
14 2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
15 2013年4月放送:2013.4.11
真面目な私とあなた―夏目漱石『こころ』~NHK100分de名著2013年4月
16 2013年5月放送:2013.5.20
水のように生きる『老子』NHK100分de名著2013年5月
17 2013年6月放送:2013.6.5
生きる喜びは、どこにあるのか?『戦争と平和』トルストイ~NHK100分de名著2013年6月
18 2013年7月放送:2013.7.9
哲学とは、愛である『饗宴』プラトン~NHK100分de名著2013年7月
19 2013年11月放送:2013.11.10
「物語」に終わりはない『アラビアンナイト』~NHK100分de名著2013年11月
20 2013年12月放送:2013.12.11
切り離された者たちへ~ドストエフスキー『罪と罰』~NHK100分de名著2013年12月
21 2014年1月放送:2014.1.21
花とは何か~『風姿花伝』世阿弥~NHK100分de名著2014年1月
22 2014年3月放送:2014.3.4
戦わずして勝つ『孫子』~NHK100分de名著2014年3月
23 2014年12月放送:2014.12.3
生きるべきか、死ぬべきか-シェイクスピア『ハムレット』~NHK100分de名著2014年12月
24 2015年4月放送:2015.3.29
自分を救えるのは自分自身である-NHK100分de名著『ブッダ 最期のことば』2015年4月
25 2015年5月放送:2015.5.5
何もないことを遊ぶ『荘子』-NHK100分de名著2015年5月
26 2015年6月放送:2015.6.2
運命と人間―ギリシア悲劇/ソポクレス「オイディプス王」NHK100分de名著2015年6月
27 2015年7月放送:2015.6.30
ラフカディオ・ハーン/小泉八雲『日本の面影』NHK100分de名著2015年7月
28 2015年8月放送:2015.8.5
自然淘汰による進化「生命の樹」-ダーウィン『種の起源』NHK100分de名著2015年8月
29 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
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