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2015.03.23

[左ききの友]『ku:nel[クウネル]』2015年1月号

遅くなりましたが、やっと報告です。
市の図書館から借りて来ました。
4ページの記事に800円もかけるのはどうかと思い、立ち読みで済ませていました。

2014年11月20日発売の『ku:nel[クウネル]』2015年1月号(vol.71) 


掲載の左利き記事、

141120ku_nel20151vol714ps

「会報[左ききの友]2014年(平成26年)11月20日(木)」

p.57・大変なんです、日々の食卓
 ―ひねって、ねじって、いただきます。
(イラスト:“キング・オブ・不便”な急須、天丼の海老フライの向きをかえる、握り鮨を置く角度を直してくれる気のきいたお店)

[下段]「左手放談」第1回ゲスト・八田武志さん(関西福祉科学大学学長、『左ききの神経心理学』医歯薬出版1996、『左対右 きき手大研究』化学同人2008、『「左脳・右脳神話」の誤解を解く』化学同人2013 などの著者)。

p.59・ティーカップも、トランプも 素晴らしき哉、左きき帝国!
 ―イギリスの左利き用品専門店〈エニシング・レフテハンデッド〉の父で先代店主同様、左利きの3代目店主キース・ミルソムさんの談話(奥様は左利きで左利きの子を持つ、左利きの子育てガイド本『左利きの子』東京書籍 2009の著者)
(写真:かつての店舗、左用髭ガード付ティーカップ、左用トランプ、左用ワイン・オープナー、右開きリングノート、左用鉛筆削り、左用メジャー)

[下段]「レフ子の旅」秋田市・左手子(さでこ)

p.61・歴史は左手から生まれた~サウスポー偉人列伝~
 (イラスト年表:アレクサンダー大王、ジャンヌ・ダルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ナポレオン・ボナパルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ビリー・ザ・キッド、夏目漱石、マハトマ・ガンディー、ポール・マッカトニー、バラク・オバマ)

[下段]すてきにレフトハンドメイド 第1回「木べら」ふかいな「カツン!」にさようなら。
 ―木工作家・須田二郎さんによる、100円ショップで手に入る道具を使って左用木べらを自作する方法

p.63・すこやかレフティー ストレスフリーの改札抜け術
 (写真:ボールを蹴る足、きき目が左の近藤良平さんによる通り抜け術―不知火型、失敬!型、プリティー型、シェー型)

[下段]「今夜、左党のバーで」文・『酒とつまみ』創刊編集長の大竹聡さん(実母と娘も左利き)
 ―「洋酒博物館」マスター北村聡さんの左利きシェーキングのお話

以上、概要です。


 ●個々の発言について

p.57・大変なんです、日々の食卓
 冒頭の記事の導入部の言葉、右利きの人は、改めて「右きき」と書かれることもないだろうと言い、

私たち左ききにはそれが日常。「あ、左ききだ」に始まり、「器用だね」「変わってる」はては「なんで直さなかったの?」と畳みかけられるのは日常茶飯事。そしてマイノリティーゆえの不便は、そう、“茶飯事”に集中しているのです。
と続きます。
かなり控えめに書かれていますが、私の実例を言えば、「左利きは頭がおかしい」「バカ」「左手で字を書いているのを見ると気持ちが悪くなる」等々。

[下段]「左手放談」第1回ゲスト・八田武志さん

実は、氏の父は矯正を受けた元左きき。自身にもややその傾向があり、きき手は「遺伝的のうさが強い人は直さない方がいいとの立場を取っている。」
とあります。
氏の著書『左対右 きき手大研究』の中で、実は左利きの要素があると述べておられました。
左利きは《右ききとは違った発想が、ユニークなものを生みだす可能性はあ》る。歴史的に淘汰されなかったのは、《均一な組織だと弱いから》で、一部にユニークな存在が必要だからだろうと。
そして、必要なことは、《「社会に余裕があること」》で、
「世の中が豊かなら『左ききの人は不便だろう』と思いやり、そのためのサービスや商品を考え出す人が登場する。そうした多様性を共用する社会に、もっともっとなっていくべきですね」

p.59・ティーカップも、トランプも 素晴らしき哉、左きき帝国!
 ミルソムさんの話の中では、《「イギリスの小学校では、1950年代くらいまでは矯正するのが当たり前でした。左ききの子が左手を使おうとすると、教師が定規で手を戦うこともあったそうです。そういう経験をした父親には、おそらく思うところがあったのでしょう」》といい、《「左ききには、型にはまらない人が多い。あと、同士愛が強いのも特徴だと思いますね」》とも。

p.61[下段]すてきにレフトハンドメイド 第1回「木べら」
 左手での作業を写真で示してある。
通常の右手用の木べらを使おうとすると、裏遣いすることになり、どうしても鍋底にそわないので、カットされた先端部分や本来のヘラの持つ曲線が役に立たないのが神経を苛立たせ、不満がたまるものです。

p.63[下段]「今夜、左党のバーで」
 バーテンダーの技術として、左利きの例を挙げています。
両手を使うシェーキングは、どちらが上でも難しくはないけれど、大筆は右手でもなんとかなるが、小筆で名前を添え書きするのはできない毛筆と同じで、《「細かい作業はきき手じゃないとうまくいきません」》という。また、混ぜるときバースプーンを左手に持ちグラスの内側をステアする回転方向が逆だという。

それぞれになるほど、という感じです。

ただ、それで、という気もするのです。

例えば、「p.63・すこやかレフティー ストレスフリーの改札抜け術」は、面白く楽しく乗り切ろうという意気込みなのは理解できますが、もう一つ笑い飛ばすことができませんでした。

「p.61・歴史は左手から生まれた~サウスポー偉人列伝~」にしても、左利きの特集といえば、必ずといってもいいほどに登場するコーナーですが、そうは言っても、所詮は右利きの人にも偉大な人たちはいるわけで、単に比率の問題なのです。
要するに、左利きの人の中にも優秀な人はいるし、ダメな人ばっかりじゃないというだけです。
比較的多いように感じるだけ。

近年のアメリカ大統領の例を除けば、圧倒的に左利きが優位というわけではないのです。


 ●未来に生まれる子供たちのためにも

ただ言えることは、少数派であるとはいえ、決して今生存している人だけの問題ではない、ということです。
今後も左利きの人たちが生まれ続けることは事実です。
そして、それらの人たちもまた同じ問題に直面するという事態が発生します。

だからこそ常時誰かがどこかで問題化してゆかねばいけない、ということなのです。

左利きの問題で大事なことは、右利きの人たちと同様の権利が確保されることであり、その日常生活が右利きの人に負けない程度によりよく改善されることなのです。
そこで、機会あるごとにこういう企画が為されることが重要だと思うのです。

第一回といった表現もありますので、今後もこういう記事が掲載されると期待し、応援してゆこうと思います。


*参考:
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』八田武志/著 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20
―『左ききの神経心理学』以降、世界で研究された成果を一般向けに読み物とした本。


『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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