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2014.12.07

買い手の気持ちに寄り添う商談術:渡瀬謙『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』を読む

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(画像:渡瀬謙さんから送られてきた本書と手紙)

友人で左利き仲間の渡瀬謙の新刊が出ました。

『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』日本経済新聞出版社

また贈っていただいたのですが、友人の本だから褒めていると受け取られるのは心外で、どうすればそういう疑惑を抱かれることなく、本書の魅力を伝えることができるのか、毎回悩んでいます。


 ●タイトルについて

最初に本書のタイトルを知ったときの印象から書きます。

従来の営業本といえば、「売る」とか「売れる」とか、「営業はどうだ/こうだ」「営業はどうしろ/こうしろ」というように、営業する側の論理を前面に打ち出したものばかりで、その辺でちょっと疑問を感じていました。
売る人目線だったり、(買う側から見ると)上から目線だったり、逆に変にへいつくばったようなものだったりで、私のような一般人(買う側の人)から見ると、「どうも…?」という感じで胡散臭く感じるものが多かったのです。

営業担当者向けの本だとは言え、普段からそういう本を読んでいると、どうしてもそういう(「売ってやる」という力づくのような)気持ちになるんじゃないか、ということです。
本来、営業というものは、売り手と買い手が対等に交渉できるような、まさに互いに話し合う「商談」と言えるようなものであるべきではないのか、と私は思うのです。

で、本書です。

タイトルを見ていただければわかるように、買い手の「買う」に焦点を当てています。

営業というのは「買ってもらってなんぼ」です。
営業担当者サイドから言えば、「売れてなんぼ」です。

しかし「売る」「売る」に固執していては、かえって売れないのではないか、と素人は思うのです。
理由は先にも書いたように、「どうも変だ」という気がするからです。

「売る」と「買う」が一致した時に、成立するのが商談でしょう。
その辺を考えて欲しいという私の思いが、本書には反映されているように感じます。


 ●著者からのメール

私のこのような感想に対して、著者である渡瀬謙さんの返事を紹介しましょう。

「売る」という姿勢について―

売り方を中心に考えるクセがついています。
もっというと売れさえすればいいというような。

対等な商談について―

商談が決まるのは、相手が「買う」と言ったときだということを、
あらためて提示したいと思っていました。
買い手の気持ちがすべてだと。


 ●本書について

本書の内容そのものは、彼の出世作『内向型営業マンの売り方にはコツがある』(大和出版)にも書かれていることなのですが、基本的にこれは、内向型の営業マンに限らず、誰にでも通用するものであり、これからの営業のあり方に関するものだということです。

『内向型営業マンの売り方にはコツがある』(大和出版 2009/02)


*参照:2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

ところが、上記の書で紹介した渡瀬流の営業のやり方は、

内容が、「できるだけしゃべらない」「しつこくお願いしない」「断られたら素直に帰る」など、従来の営業の常識(?)と反することが多く、
どうしても、上司との意見が食い違うというケースも多々あったのです。
それではせっかくやる気を出している営業マンもつぶれてしまいます。
そこで、今回は上司にこそ読んでほしいという思いで書きました。
という本なのです。


彼の告知文を以下の掲げます。

これまでの強引な商談では通用しないと感じている方へ。
口下手、あがり症にもかかわらず、
リクルートで全国トップ営業になった理由がここにあります。
トップ営業マンたちが結果を出しているのは、
この商談を無意識に行っているから。
もう、しつこくお願いしなくても、相手が「買う!」と言ってくれる、
そんな商談にぜひ切り替えてください!

本書をかいつまんで言うと、かつて“あの”リクルートで全国ナンバーワン営業マンの栄誉に輝いた実績を持つ、彼の営業における“正統”かつ“本来在るべき姿”の「商談」の方法を教示するものです。

それは、「もの静かな商談」(p.14)であり「売れる商談」(p.18)の秘訣です。


 ●目次と私の一言

【目次】
はじめに
序 章 売れる営業の共通点を見つけたら、こんな私でもトップセールスに!

(言ってみれば自慢話です。でも成功者の言葉には何かあります。)

第1章 頑張っているのにどうしても売れない営業マンは、何が悪いのか?
(頑張るポイントを間違えている、という指摘。)

第2章 4ステップ商談術をマスターすれば、どんな商談も怖くない
(アイスブレイク、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングの4段階の総論。)

第3章 ステップ1アイスブレイク
相手の警戒心を取り除くことこそ、営業が最初にすべきこと

(個別の解説の一。買う側の営業へのハードルを下げる努力を。)

第4章 ステップ2ヒアリング
本音で答えてもらうためのシンプル質問術

(個別の解説の二。彼の著書『相手が思わず本音をしゃべり出す「3つの質問」』日本経済新聞出版社 2011/7/7 が参考になります。)


*参照:2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

第5章 ステップ3プレゼンテーション
この説明だから相手の心にダイレクトに響く

(個別の解説の三。世界の四聖と呼ばれる人たちも実践していた、相手に応じて法を説くという「対機説法」で―ホントはそこまで難しく考えなくてもいいです。相手の言葉は最強の説得術。)

第6章 ステップ4クロージング
売り込まないからこそ、買ってくれる!

(個別の解説の四。迷うお客様に絞って、迷いの原因を解消する。)

第7章 この心構えが4ステップ商談術を最大限に活かしてくれる
(すべてはお客様のために、の心構えで。)

終 章 営業が変わる、お客も変わる、だから結果が出る!
(押し売りは辞めて、売り手も買い手も満足できる対等の営業の提言。)


 ●最後に

最後に、本書から私が読んで「これは」と感じた言葉を引用しておきましょう。

目の前の売上に執着しないこと。
長期的な視野を持って、じっくりとお客様との信頼を高める行動に終始すること。
》p.207

信用される営業マンは最強だ、ということですね、彼の考えでは。
ぜひ「売る」営業マンよりも、「買う」と言われる営業マンになってください。》p.217

本書を読んで、感じたこと言いたいこと、色んな思いがありますが、最後に私から読者となるであろう人たちに伝えたい一言は、本書を読んで、「信頼」を「売る」営業マンになってください、ですね。


左利き仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事
(◆印:ビジネス書/□印:口ベタ・あがり症の“内向型”営業マンのための営業本
○『左利きの人々』渡瀬けん=名義)
◆2014.3.16 なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』
◆2013.10.7 臆病は慎重!… 渡瀬謙『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』
○2013.8.19 雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3
◆2013.3.7 渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる!』
◆2012.5.23 小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』
◆□2012.2.26 克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』
○2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く
◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』
◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい
◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』
◆□2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』
◆□2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く
◆□【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 ★左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある
◆□2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」
○2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

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