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2014.12.31

2014年に読んだ本から(前編) 娯楽(フィクション)編

―第142号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2014(平成26)年12月31日号(No.142)-141231-
「2014年に読んだ本から(前編) 娯楽(フィクション)編『マハーバーラタ』」

本誌では、今年読んだ本のうち「前編」として「娯楽(フィクション)編」を紹介しています。

読んだ本の内の「娯楽(フィクション)編」に当たる本のうち、ほぼ9割程度の書名を公開しました。
これは初めての試みです。

やっぱり自分がどんな本を読んだかを公開するというのは、恥ずかしいものです。
再読三読といったものもないわけではありませんが、大抵は初読ですから。

いい年こいて今頃こんな本を読んでいるのか、と思われるのも癪です。

他に、夏の文庫フェアで、『夜間飛行』(サン=テグジュペリは私の大好きな作家で、『星の王子さま』『人間の土地』と並んでこれが大好きで、新訳も含めて何度目か?)『ハックルベリー・フィンの冒険』(これは通しでは二度目、初読は別訳)『ホット・ロード』(マンガ、本箱の奥から引っ張り出してきた4巻本)を読んでいます。

 ・・・

さて、今年もご愛顧ありがとうございました。

また来年元気にお会いできることを祈って、本年の最後のご挨拶と致します。

では、良いお年を!


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詳細は本誌で!

*本誌で紹介した、今年の一番の作品:
【要約】
『マハーバーラタ戦記―賢者は呪い、神の子は戦う』マーガレット シンプソン
PHP研究所 (2002/12)
―全18巻の『マハーバーラタ』をイギリス人作家が要約し、読み物としたもの。専門用語の簡単な解説もあり、楽しく理解できる。

【山際素男/編訳】三一書房 全9巻 1991-98
―北方写本カルカッタ版のM・N・ダットによる英訳本からの重訳。神への賛美や決まり文句の繰り返し、重複する物語を省略。
『マハーバーラタ 第1巻』<序の巻 集会の巻> 1991/11

『マハーバーラタ 第2巻』<森の巻> 1992/05
『マハーバーラタ 第3巻』<ヴィラータ王の巻 挙兵の巻 ビーシュマの合戦と死の巻> 1993/05


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
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2014.12.29

2014年版利き手テスト:日本語版フランダースFLANDERS利き手テスト

いつも左利き関連の話題を提供してくださるガボちゃんのブログで見た情報から。

2014年版利き手テストだそうです

日本語版FLANDERS利き手テスト
「日本語版FLANDERS 利き手テスト―信頼性と妥当性の検討―」
(大久保 街亜 鈴木 玄 専修大学 Nicholls, Michael E. R. Flinders University)

↑の論文によりますと、なぜ利き手の検査が必要か、といいますと、心理学や神経科学の研究において必要だから、といいます。

それらの研究において、なぜ必要になるのか、その理由は、といいますと、第一に《利き手が脳の機能や構造と関連するため》であり、第二に《利き手は多くの心理機能に関連する》ためでもあります。
また、第三に《手の運動に関わる現象や心理機能(例えば,リーチング)に興味がある場合,実験状況の統制のため》あらかじめ調べる必要がある、といいます。


利き手の検査には様々な種類があり、そのなかで比較的少数の項目からなる質問紙形式のものが最も利用されていて、それは、《相対的に見て,高い正確さと簡便さを兼ね備える》ものだから。

従来最もよく利用され、文献に引用されてきたものとしては、《Oldfield(1971)によるEdinburgh 利き手テスト》がある。
しかし、この利き手テストには、不都合な点が見られる。
たとえば、使われる項目の中に現在はあまり使われない動作があったり、そもそもの利き手因子の解釈に問題があったり、等。

そこで、新たに、このエディンバラEdinburgh 利き手テストの問題点を考慮した、利き手テストが考案された。
それが、Nicholls et al.(2013)による「FLANDERS 利き手テスト」で、今回その日本語版ができたというのです。

字を書く,絵を描くなど片手で行う熟達化した動作を問う項目が含まれてい》て、
FLANDERS 利き手テストの成績はタッピング課題成績の左右差と高い正の相関があ》り、《また,目,足,耳の機能における左右差とも正の相関があった。これらの高い相関が示す左右差の一致は,FLANDERS 利き手テストに高い基準関連妥当性があることを示す》という。

しかしこれはオーストラリアで開発されたものであり、文化の異なる日本人の利き手測定に適切かどうか、という疑問があった。

日本人向けには、八田・中塚(1975)による「H・N 利き手テスト」がよく使用されている。
けれども、このテストは海外での認知度が低く、国際的な比較において問題点がある。

そこで、この新しく開発された「FLANDERS 利き手テスト」の日本語版を作成することにしたという。

この翻訳版を基に現代の日本人大学生を調査対象者に実施。
既存の上記二つのテストと比較する、再テストを実施する等《信頼性と妥当性について新たな検討を行った》結果、日本語版ができ上がったと言います。

難しい話は割愛し、付録として紹介されている「フランダース利き手テスト」の概要を転載しておきます。

フランダース利き手テスト(FLANDERS)

これからさまざまな場面で,あなたが左右どちらの手を使うか質問します。下に示した10 項目のそれぞれについて表の右はしにある選択肢「左」,「どちらも」,「右」の一つにマル(○)をつけて回答してください。「どちらも」の選択肢は,左右の手を全く同じくらい使う場合のみ選択してください。すべての項目に回答してください。10 項目のなかには,あなたにとってほとんど経験がないことがあるかもしれません。たとえ経験がなくとも,その場面や課題を想像し回答してください。
1 文字を書くとき,ペンをどちらの手で持ちますか?
2 食事のとき,スプーンをどちらの手で持ちますか?
3 歯をみがくとき,歯ブラシをどちらの手で持ちますか?
4 マッチをするとき,マッチの軸をどちらの手で持ちますか?
5 消しゴムで文字を消すとき,消しゴムをどちらの手で持って消しますか?
6 縫いものをするとき,針をどちらの手で持って使いますか?
7 パンにバターをぬるとき,ナイフをどちらの手で持ちますか?
8 クギを打つとき,カナヅチをどちらの手で持ちますか?
9 リンゴの皮をむくとき,皮むき器をどちらの手で持ちますか?
10 絵を描くとき,ペンや筆をどちらの手で持ちますか?


一つ弱いと感じるところは、項目の中に《たとえ経験がなくとも,その場面や課題を想像し回答》しろ、というくだりでしょうか。
過去のデータとの比較するために必要なのかもしれませんが、弱点の一つではあるように思います。

まあ、そもそもこの手の質問紙による調査の場合、本人の意識と実際の動作との整合性に疑問が感じられるケースも少なくありません。

特に、弱い左利き傾向を持つ人の場合、意識とのずれが見られることが多々あります。
自分では右利きのつもりでいるため、なんにでも右と答えてしまう傾向が。

もちろん、それらも統計学的な計算の内に入っているのでしょうけれど。

*参照:
「エディンバラEdinburgh 利き手テスト」「H・N 利き手テスト」を紹介している本
『左対右 きき手大研究』八田武志/著 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20
―『左ききの神経心理学』以降、世界で研究された成果を一般向けに読み物とした本。


その他の利き手テストについて書かれた本
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。

『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―イギリスの研究者が20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。原著"Righthand Lefthand"から英語に関する部分等を省いたという抄訳。
『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎』デイヴィッド ウォルマン/著 梶山 あゆみ/訳 日本経済新聞社 2006.7
―自身左利きの科学ジャーナリストが、左利きの謎に挑み世界を駆けるサイエンス・ノンフィクション。日本での左利きゴルフ大会や日本人研究者も登場。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2014.12.17

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第432、433号のお知らせ

遅くなりましたが、無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』11月第5土曜日発行の第432号秋季臨時増刊「既刊号一覧」と第433号のお知らせです。

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第432号(No.432) 2014/11/29 秋季臨時増刊
「既刊号一覧2014年4月-11月発行分(No.408-431)」
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2014年4月-11月発行分のバックナンバーのURL集の一覧です。
読み落としの確認、再読等にご利用ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第433号(No.433) 2014/12/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その22―
左利きで心地よく生きるための方法(5) 」
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今回は、また違った面から、利き手・利き側について考えてみました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―その22― 左利きで心地よく生きるための方法
 (5)世界がもし100人の人が立つ橋だったら
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●おさらい
 ●『世界がもし100人の村だったら』

『世界がもし100人の村だったら』池田 香代子/再話
C.ダグラス・ラミス/対訳 マガジンハウス (2001/12)


 ●「世界がもし100人の人が立つ橋だったら」
 ●利き手テストの「J」字曲線
 ●100人の人が立つ橋

【左岸】=左利き
[5 4 3] 2 2 1 1 1 0.5 0.5 {20
1 2 3 5 6 8 10 [12 15 18] {80
【右岸】=右利き

上記の仮想数値によるイメージ図
(数学科に学ぶ愛読者さんの手になる利き手グラフです)
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詳細は本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2014.12.16

左利き元教師の本、近刊『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝著

先日、友人で左利き仲間の渡瀬謙氏がメルマガ『サイレントセールスのススメ』525号で、著書『左利きの人々』
が重版され、12刷となり、累計5万部を超えていると報告されていました。


左利き関係の本は、過去に結構出版されてきましたが、大体「売れない」と相場が決まっています。
唯一売れた例外的な本といえば、今や伝説化している〈左利き短命説〉を流布する結果となったスタンレー・コレン『左利きは危険がいっぱい』(文藝春秋 1994/1)ぐらいでしょう。

左利きの人自体が少ないので、関心を持つ人が相対的に少なく、結果として読者も少ないということなのでしょう。

そういう背景の中、これだけボチボチながら売れ続けているというのは、左利きに対する社会の受け止め方の変化というものも大きな要因になっているのかもしれません。

そして何より、安価で手に取りやすい文庫本の小著であること、見開き一ページ建ての多項目短文形式の読みやすいスタイルといったハード面も大きな要因でしょう。

もう一つ私が指摘しておきたいことは、左利きの人は少数派ではあっても、滅亡することなく、次から次へと新たな世代が生まれ続けているという事実です。
そういう人たちの存在が、十年ごと数年ごとに、左利きの人も含めて、左利きに興味を持つ世代が現れてくるという現象につながっているです。


さて、そういう次世代、新世代の人たちも含めて、興味を持って読んでほしい、左利きの本がまた出版されます。
私自身まだ見ていないので、内容については詳しいことは何も言えませんが。

大阪の零細出版社からの本で、一般の書店に並ぶのか、あるいはマス・メディアで取り上げてもらえるか、まったく不明ですが、機会があれば読んでいただきたいものです。
(16日現在、アマゾンで予約受付中 ↓ 18日発売予定)

『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18


・出版社の紹介文:

右利きに矯正すべきかどうか…。左利きで生まれてきた子どもを持つ親たちが直面する悩みに、著者自身左利きであったことの体験を通して思い至った子どもへの愛情あふれるアドバイスの数々。もう思い悩む必要はありません。

・出版社のブログ:2014年12月2日近刊案内『ぼくは左きき 本当の自分であるために』(度会金孝/著)

著者の度会金孝(わたらい・かねたか)氏は、その略歴によりますと、ご自身左利きで、元・中学校教師として活躍されていた人です。
1943年生まれということで、私より11歳年上、戦後育ちとはいえ終戦直後で、それだけに左利きとしては私より“キツイ”状況で過ごして来られたものと推定できます。

目次↓を拝見しますと、ご自身の左利きとしての経験を含めて、左利きの子供たちの接し方などについて書かれているようです。


『ぼくは左きき 本当の自分であるために』目次
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はじめに
第1章 左利きあれこれ
 1 「人」という文字の深い意味
 2 利き手ということ
 3 人は、素晴らしい適応力を持っている
 4 「左利き」をめぐって
 5 手は第二の脳
第2章 わたしの体験から
 1 自分が自分ではない
 2 自分が分からなくなる
 3 呪縛に陥る――自己の否定
 4 体が悲鳴をあげる
 5 森田療法との出会い
第3章 花開く個性
 1 自分が自分であるために
 2 「矯正」はやめましょう
 3 E・フロムの言葉から
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読後の感想等は、また後日手に入れてから、報告したいと思います。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2014.12.15

私の高校時代の読書:私の読書論63古典を考える-少年少女もの(後)

 ―第140号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2014(平成26)年12月15日号(No.141)-141215-
「私の読書論-63- -古典を考える-
 入門書としての少年少女名作全集(後編)」

前回は、高校生になって、毎日本を読む<読書家>になった、と言うところまでお話しました。
今回は、その続きを少し―。

高校生になって、どういう本を読んでいたかといいますと、最初は「冒険」「探検」といったタイプの本でした。
例を挙げれば、『トム・ソーヤーの冒険』や『ハック―』、『宝島』、そして当時色々と出版されていたジュール・ヴェルヌの作品。
ほかに、『ロビンソン・クルーソー漂流記』『ガリヴァ旅行記』(これは日本でも文学作品として評価されている。)など。

そして、中学時代に学校の図書室にあった少年少女版で読んだ、一連のSFや推理小説の大人版を読み進みました。

ほかに、私は小学生時代に買ってもらった本(講談社の少年少女ものの一冊)に入っていた『雨月物語』という怪談ぽいファンタジーぽいお話が好きだったので、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)『怪談奇談』(角川文庫)や創元推理文庫から出ていた『世界怪奇小説傑作集』といった本を好んで読んでいました。

その一方で、『少年マガジン』を読んでいました。
これは中学時代から購読していました。

ここで、横溝正史『八つ墓村』のマンガ版が掲載されました。
(以下↓に詳しく述べられています。)

本格ミステリ漫画ゼミ 【第2講】 福井健太 (1/2)


これが非常に面白く、日本の作家の推理小説はそれまで読んだことがなかったので、非常に新鮮でした。
その後、角川文庫からこの本や『獄門島』が出版され、例の角川映画が始まり、一連の金田一耕介シリーズが紹介され、一大ブームが巻き起こりました。
(私は江戸川乱歩の『少年探偵団』などは子供の頃に読んだことがありませんでした。)

そして、ついに高校二年の夏休みに、その後の私の読書人生の進路を決定したといってもいい『ミステリ・マガジン』に出会います。

この雑誌はユニークな雑誌で、基本的には海外のミステリを紹介する雑誌だったのですが、当時の太田博編集長の方針で、そのミステリの範囲が非常に広く設定されていて、通常の推理小説(本格謎解きの探偵小説、サスペンス・スリラー、ハードボイルド探偵小説など)は当然ですが、それ以外に怪奇小説(ホラー)やファンタジー、「剣と魔法の国」と銘打たれたヒロイック・ファンタジー、「都会小説」と銘打たれた都会に住む人々の人情の機微を描いた普通小説なども、紹介されていました。
作家で言えば、クイーンやクリスティーといった本格推理の巨匠、短編ミステリの名手エドワード・D・ホックやウィリアム・ブルテンといった推理小説作家のほかに、H・P・ラヴクラフトのようなSFホラー系、ジャック・フィニイのノスタルジック・ファンタジーの短編、ジョン・オハラやリング・ラードナーのような現代作家、デイモン・ラニアンのように『クイーンズ・クォーラム(クイーンの定員)』にも入っている普通小説とのボーダー作家も。

英米中心(他少はフランスも)ですが、非常に広い範囲の多くの作家にふれることができました。
これは、その後の私の読書人生に大きな素地を築いてくれた、と感謝しています。


*参照:
【本誌】バックナンバーから―
2014(平成26)年5月15日号(No.127)-140515-  
「私の読書論-56-「私のおススメの古典から」(3)-人生の教科書-『ミステリ・マガジン』」
2014(平成26)年6月15日号(No.129)-140615-
「私の読書論-57-「私のおススメの古典から」(4)-人生の教科書-『ミステリ・マガジン』(2)コラム編」

『レフティやすおのお茶でっせ』記事:
2014.5.7
『ミステリマガジン』2014年6月号創刊700号と思い出のコラム
2014.5.26
私の投書が『ミステリ・マガジン』読者欄に掲載されました


*本誌で紹介した作品を収録した本:
『とっぴんぱらりのぷぅ ―田中芳樹のブックガイド―』田中芳樹/著 光文社 (2009/1/21)

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詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
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2014.12.07

買い手の気持ちに寄り添う商談術:渡瀬謙『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』を読む

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(画像:渡瀬謙さんから送られてきた本書と手紙)

友人で左利き仲間の渡瀬謙の新刊が出ました。

『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』日本経済新聞出版社

また贈っていただいたのですが、友人の本だから褒めていると受け取られるのは心外で、どうすればそういう疑惑を抱かれることなく、本書の魅力を伝えることができるのか、毎回悩んでいます。


 ●タイトルについて

最初に本書のタイトルを知ったときの印象から書きます。

従来の営業本といえば、「売る」とか「売れる」とか、「営業はどうだ/こうだ」「営業はどうしろ/こうしろ」というように、営業する側の論理を前面に打ち出したものばかりで、その辺でちょっと疑問を感じていました。
売る人目線だったり、(買う側から見ると)上から目線だったり、逆に変にへいつくばったようなものだったりで、私のような一般人(買う側の人)から見ると、「どうも…?」という感じで胡散臭く感じるものが多かったのです。

営業担当者向けの本だとは言え、普段からそういう本を読んでいると、どうしてもそういう(「売ってやる」という力づくのような)気持ちになるんじゃないか、ということです。
本来、営業というものは、売り手と買い手が対等に交渉できるような、まさに互いに話し合う「商談」と言えるようなものであるべきではないのか、と私は思うのです。

で、本書です。

タイトルを見ていただければわかるように、買い手の「買う」に焦点を当てています。

営業というのは「買ってもらってなんぼ」です。
営業担当者サイドから言えば、「売れてなんぼ」です。

しかし「売る」「売る」に固執していては、かえって売れないのではないか、と素人は思うのです。
理由は先にも書いたように、「どうも変だ」という気がするからです。

「売る」と「買う」が一致した時に、成立するのが商談でしょう。
その辺を考えて欲しいという私の思いが、本書には反映されているように感じます。


 ●著者からのメール

私のこのような感想に対して、著者である渡瀬謙さんの返事を紹介しましょう。

「売る」という姿勢について―

売り方を中心に考えるクセがついています。
もっというと売れさえすればいいというような。

対等な商談について―

商談が決まるのは、相手が「買う」と言ったときだということを、
あらためて提示したいと思っていました。
買い手の気持ちがすべてだと。


 ●本書について

本書の内容そのものは、彼の出世作『内向型営業マンの売り方にはコツがある』(大和出版)にも書かれていることなのですが、基本的にこれは、内向型の営業マンに限らず、誰にでも通用するものであり、これからの営業のあり方に関するものだということです。

『内向型営業マンの売り方にはコツがある』(大和出版 2009/02)


*参照:2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

ところが、上記の書で紹介した渡瀬流の営業のやり方は、

内容が、「できるだけしゃべらない」「しつこくお願いしない」「断られたら素直に帰る」など、従来の営業の常識(?)と反することが多く、
どうしても、上司との意見が食い違うというケースも多々あったのです。
それではせっかくやる気を出している営業マンもつぶれてしまいます。
そこで、今回は上司にこそ読んでほしいという思いで書きました。
という本なのです。


彼の告知文を以下の掲げます。

これまでの強引な商談では通用しないと感じている方へ。
口下手、あがり症にもかかわらず、
リクルートで全国トップ営業になった理由がここにあります。
トップ営業マンたちが結果を出しているのは、
この商談を無意識に行っているから。
もう、しつこくお願いしなくても、相手が「買う!」と言ってくれる、
そんな商談にぜひ切り替えてください!

本書をかいつまんで言うと、かつて“あの”リクルートで全国ナンバーワン営業マンの栄誉に輝いた実績を持つ、彼の営業における“正統”かつ“本来在るべき姿”の「商談」の方法を教示するものです。

それは、「もの静かな商談」(p.14)であり「売れる商談」(p.18)の秘訣です。


 ●目次と私の一言

【目次】
はじめに
序 章 売れる営業の共通点を見つけたら、こんな私でもトップセールスに!

(言ってみれば自慢話です。でも成功者の言葉には何かあります。)

第1章 頑張っているのにどうしても売れない営業マンは、何が悪いのか?
(頑張るポイントを間違えている、という指摘。)

第2章 4ステップ商談術をマスターすれば、どんな商談も怖くない
(アイスブレイク、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングの4段階の総論。)

第3章 ステップ1アイスブレイク
相手の警戒心を取り除くことこそ、営業が最初にすべきこと

(個別の解説の一。買う側の営業へのハードルを下げる努力を。)

第4章 ステップ2ヒアリング
本音で答えてもらうためのシンプル質問術

(個別の解説の二。彼の著書『相手が思わず本音をしゃべり出す「3つの質問」』日本経済新聞出版社 2011/7/7 が参考になります。)


*参照:2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

第5章 ステップ3プレゼンテーション
この説明だから相手の心にダイレクトに響く

(個別の解説の三。世界の四聖と呼ばれる人たちも実践していた、相手に応じて法を説くという「対機説法」で―ホントはそこまで難しく考えなくてもいいです。相手の言葉は最強の説得術。)

第6章 ステップ4クロージング
売り込まないからこそ、買ってくれる!

(個別の解説の四。迷うお客様に絞って、迷いの原因を解消する。)

第7章 この心構えが4ステップ商談術を最大限に活かしてくれる
(すべてはお客様のために、の心構えで。)

終 章 営業が変わる、お客も変わる、だから結果が出る!
(押し売りは辞めて、売り手も買い手も満足できる対等の営業の提言。)


 ●最後に

最後に、本書から私が読んで「これは」と感じた言葉を引用しておきましょう。

目の前の売上に執着しないこと。
長期的な視野を持って、じっくりとお客様との信頼を高める行動に終始すること。
》p.207

信用される営業マンは最強だ、ということですね、彼の考えでは。
ぜひ「売る」営業マンよりも、「買う」と言われる営業マンになってください。》p.217

本書を読んで、感じたこと言いたいこと、色んな思いがありますが、最後に私から読者となるであろう人たちに伝えたい一言は、本書を読んで、「信頼」を「売る」営業マンになってください、ですね。


左利き仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事
(◆印:ビジネス書/□印:口ベタ・あがり症の“内向型”営業マンのための営業本
○『左利きの人々』渡瀬けん=名義)
◆2014.3.16 なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』
◆2013.10.7 臆病は慎重!… 渡瀬謙『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』
○2013.8.19 雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3
◆2013.3.7 渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる!』
◆2012.5.23 小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』
◆□2012.2.26 克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』
○2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く
◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』
◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい
◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』
◆□2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』
◆□2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く
◆□【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 ★左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある
◆□2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」
○2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

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2014.12.03

生きるべきか、死ぬべきか-シェイクスピア『ハムレット』~NHK100分de名著2014年12月

今年はシェイクスピア生誕450年だそうで、
「NHKテレビ100分de名著」2014年12月は、シェイクスピア『ハムレット』です。

久しぶりに、『NHK100分de名著』について書いてみます。
最近は、私が未読のものが多かったとか、それ以上に、私自身の「仕事」(?)が忙しくていっしょに読書を進められないということもあり、遠ざかっていました。
今回は、『ハムレット』ということもあり、ちょっと書いておきます。


名著39 シェイクスピア『ハムレット』
第1回 12月3日放送 「理性」と「熱情」のはざまで
第2回 12月10日放送 「生きるべきか、死ぬべきか」
第3回 12月17日放送 「弱き者、汝の名は女」
第4回 12月24日放送 悩みをつきぬけて「悟り」へ
語り手:河合祥一郎


○ NHKテレビテキスト「100分 de 名著」「ハムレット」2014年12月 NHK出版 (2014/11/25)
なるようになればよい
生きるべきか、死ぬべきか――乗り越えた先に悟りがある。


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『ハムレット』の思い出といいますと、初読の時にまったくといっていいぐらいストーリーがわからなかったということですね。

『ハムレット』福田恒存訳 (新潮文庫 1967/9/27)

四大悲劇は、他の三作に関しては、楽しく面白く感動的に読んだ覚えがありました。
(本来戯曲なので、読むものではなく、演劇として楽しむものなんですが…。)

劇的な展開の『マクベス』、異端の存在<黒人(?)>を主人公にした『オセロー』には感情移入もできましたし、親子の問題を中心に展開する『リア王』も興味深く読みました。
現存の『マクベス』はシェイクスピアの書いた元々のものではないようで、シェイクスピアらしい台詞が今一つ不足な印象があるのに対して、他の二作は抜き書きしたくなる台詞がいっぱいで、さすがシェイクスピアはスゴイという印象でした。
(四大悲劇以外でも、『ベニスの商人』なんかは楽しいですし、『ロミオとジュリエット』も初読時は「なんだ?」という感じでしたが、その後再読した時は、それなりに楽しめました。他の一、二の作品もそれぞれ工夫が凝らされて、天才なんだなあと思わせました。)

ところが、先ほども書きましたように、『ハムレット』はどうもよく分からないという印象でした。

安西徹雄訳『ハムレットQ1』 (光文社古典新訳文庫 2010/2/9)を読んで、やっとストーリーの全体像がつかめた感じでした。

その後、もう一度本編を読んでみようと思いつつそのままになっていました。

今回、NHKテレビ「100分 de 名著」を見て、河合祥一郎さんの読み解きに期待したいものです。

また改めて、河合祥一郎訳『新訳 ハムレット』 (角川文庫 2003/5)を読んでみたいですね。

*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
2011年11月放送:2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
2011年12月放送:2011.12.6
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK
2012年1月放送:2012.1.5
吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK
2012年2月放送:2012.1.29
新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK
2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月
同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで
2012年4月放送:2012.4.3
紫式部『源氏物語』NHKテレビ100分de名著
2012年5月放送:2012.5.2
確かな場所など、どこにもない―100分 de 名著 カフカ『変身』2012年5月
2012年6月放送:2012.6.6
<考える葦>パスカル『パンセ』NHK100分 de 名著2012年6月
2012年10月放送:2012.10.2
鴨長明『方丈記』NHK100分 de 名著2012年10月
2012年12月放送:2012.12.5
<心で見る努力>サン=テグジュペリ『星の王子さま』NHK100分de名著2012年12月
2013年1月放送:2013.1.11
呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月
2013年2月放送:2013.2.5
待て、そして希望せよ~NHK100分de名著『モンテクリスト伯』2013年2月
2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
2013年4月放送:2013.4.11
真面目な私とあなた―夏目漱石『こころ』~NHK100分de名著2013年4月
2013年5月放送:2013.5.20
水のように生きる『老子』NHK100分de名著2013年5月
2013年6月放送:2013.6.5
生きる喜びは、どこにあるのか?『戦争と平和』トルストイ~NHK100分de名著2013年6月
2013年7月放送:2013.7.9
哲学とは、愛である『饗宴』プラトン~NHK100分de名著2013年7月
2013年11月放送:2013.11.10
「物語」に終わりはない『アラビアンナイト』~NHK100分de名著2013年11月
2013年12月放送:2013.12.11
切り離された者たちへ~ドストエフスキー『罪と罰』~NHK100分de名著2013年12月
2014年1月放送:2014.1.21
花とは何か~『風姿花伝』世阿弥~NHK100分de名著2014年1月
2014年3月放送:2014.3.4
戦わずして勝つ『孫子』~NHK100分de名著2014年3月

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2014.12.02

新発売(12月10日)学習はさみ<エアロフィットサクサ・キッズ>(グルーレス刃)

ハサミ(はさみ)の進化が止まりません。
様々な機能を付加した新製品が次々生まれています。

それはそれでいいのですが、少し気になるのが、
左手用ハサミの種類の選択肢の問題です。

たとえば、子供向けの右手用ハサミの場合、色が赤もしくはピンクと青、さらに限定色が出ているときもあるのです。
ところが、左手用は黄色のみというケースが大半です。
以前は圧倒的にが多かったものです。

左手用は、子供でも判別できるように、特定の色にするという配慮によるのですが、それでも実際のお子さんの声を訊くと、女の子ではやはり赤やピンクを欲しがる子もいるようです。

特にキャラクター物では、左手用がない場合も多く、現代的な利き手差別の一つといってもいいかもしれません。

今回12月10日に発売されるコクヨの子供向けハサミ「学習はさみ<エアロフィットサクサ・キッズ>(グルーレス刃)」でも、同様です。

右手用は青と赤数量限定品として黄緑左手用は黄色のみだそうです。

141121saxakids_lineupimg


ハサミの真価は嬉しいのですが、こういうデザイン面も、もう少し工夫をしてもらえれば、という気がします。


「学習はさみ<エアロフィットサクサ・キッズ>(グルーレス刃)」について―

ニュースリリース2014.11.21「学習はさみ<エアロフィットサクサ・キッズ>」を発売

~刃にのりがつきにくい子供向けハサミが進化~
~子供の小さな力でも刃先まで軽く切れる~

学習はさみ<エアロフィットサクサ・キッズ>の商品ページ

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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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