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2014.09.20

左利きの憂鬱:ゴルフ場は右利き用に設計、短命説も

ネットのニュース『MSN産経ニュース/ 週末プレミアム【スポーツ異聞】』にこんな記事が出ていました。

「左利きの憂鬱 ゴルフ場は右利き用に設計、短命説も」


記事内容を簡単に紹介しますと―

スポーツ選手の左利きは得か損か-。サッカー日本代表を率いるアギーレ監督が本田圭佑(ACミラン)や田中順也(スポルティング)ら「利き足」が左の選手を多数招集したことで、新指揮官の利き足へのこだわりが話題になった。
昔から「左利きはスポーツに有利」という説があるが、すべての競技にあてはまるわけではない。例えば、ゴルフのように左利きが極端に少ない競技もある。レフティーは道具をそろえる段階から実戦まで目に見えないストレスにさらされている。左利きの憂鬱はレフティーのみぞ知る!?

・右利きを想定したゴルフコース

左利きゴルファーの落胆として、

「クラブの選択肢は極端に限られ、練習場の打席は必ず隅の方に追いやられる」。

さらに、ゴルフ場の設計者は右利きのゴルファーがラウンドしやすいように設計されている、という。
スライスが多いアマチュアのために、フェアウエー右側に壁(丘)を作るなど、OBゾーンにボールが行かないような設計になっていることが少なくない。

「左利き=短命」というカナダの研究者、スタンレー・コレンによる有名な学説がある。
八田武志著『左対右 きき手大研究』(化学同人)によると
「右利き社会用に作られたさまざまな道具が左利きには不利なことが多く、そのために右利きの人よりもストレスを経験する。そしてそのことの長い間の蓄積が寿命に関連する」
という。 単に短命というだけでなく、事故やケガの頻度が高いという説もある。
右利き社会の不便さが充満し、その影響を日常的に受けていることが根拠になっているのだが、左利きにとっては内心、穏やかでないだろう。


スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』(文藝春秋 1994/1)
八田武志著『左対右 きき手大研究』(化学同人)
 


・知られざる左利きの実態

世の中に10%近くいるとされる左利きへの無理解は、日常生活の小さな動作にもうかがえる。『左利きの人々』(渡瀬けん著、中経の文庫)は左利きの実態を紹介したユニークな本だ。

例として(1)万年筆が書きにくい(2)ハンコを押す場所(3)缶切りが使いづらい が紹介されている。


渡瀬けん著『左利きの人々』(中経の文庫)


・国内ゴルフは羽川だけ

海外のプロゴルフ界には

フィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンのように世界のトップに君臨するレフティーはいるものの、全体から見れば圧倒的に少ない。

国内においては、
1980年代「世界のレフティー」と称された羽川豊を除くと、記憶に残る左利きは皆無に等しい。

女子のプロのレフティーに至っては、

国内外のメジャー大会を制覇した左利きをほとんど聞かない。

右打ちに“転向”している可能性はあるとしても、
コース設計者の意図を克服するぐらいの最強レフティーの登場が待たれるところだ。

・女子のレフティーは少ない?

男子には「赤土の王」の異名をとるラファエル・ナダルや、同じスペインのフェルナンド・ベルダスコがいるが、

テニス界も女性レフティーはかなり少ない。1980年代から90年代前半にかけてマルチナ・ナブラチロワやモニカ・セレスが世界を席巻したが、それ以降、世界ランキングでベスト10に入ってくるような強豪は出てきてない。

結論と言いますか、締めの言葉は―

さきのテニスの全米オープン男子シングルス決勝を戦ったマリン・チリッチと錦織圭のバックハンドが「両手打ち」だったように、... 両手打ちは男女のテニス界で主流となったが、「利き腕の概念を捨てる」という姿勢にこそ世界の扉を開く鍵があるとしたら、「左対右」を対立の構図として論じるのは、もはや時代遅れということになる。
とありました。

 ・・・

以下、私の感想です。


 ●スポーツ選手の左利きは得か損か

「左利きはスポーツに有利」
これに関して言えば、対戦型のゲーム(テニスやボクシングなど)では、左のプレーヤーが希少ということで、経験不足から相手選手が不利になるという傾向はあるでしょう。

対等の力があれば、左が有利かもしれませんが、劣勢を挽回できるほどの効果があるかどうかは、疑問です。

「スポーツ選手の左利きは得か損か」
こちらについては、用具や施設の問題があります。

勝負自体は、慣れの問題ということになり、どちらとも言い難いものがあります。

しかし、用具の問題は、選択肢が少ないとか、価格が割高だとか、そもそも店に置いてない等の問題があります。
施設面では、野球のバッティングセンターにしろ、ゴルフの打ちっぱなしにしろ、施設面では圧倒的に不利なようです。
しかも、ゴルフのようにコース自体がそもそも右打ちに有利になっている、ボウリングでもレーンが右投げに有利になっている、といわれています。

こういう要素も含めれば、やはり総合的には損、という答えが出そうです。


 ●「左利き=短命」

「左利き=短命」
これは、もし純粋に「利き手/側」という要素だけを抽出して判断できるなら、たぶんその通りだろうと思います。

ただ寿命には、それ以外の要素も当然関わってきますし、実際の生活上「利き手/側」の要素だけが関係するという事態は考えられませんので、何とも言い難いものがあります。

「知られざる左利きの実態」
こちらは、全体的に見て、知られていない面が多いのは事実です。
未だに、左手で箸を使う人を見たことがない、字を書く人を見たことがない、と断言する人もいます。

実際、自分の身近に左利きの人がいない、という人も少なくないでしょう。

友人知人の少ない人なら、家族に左利きがいないという人なら、あり得ることです。
左利きは、遺伝の要素がかなりあると考えられますので。

渡瀬けん(謙)氏は、左利きの仲間で友人ですが、『左利きの人々』の本は今もボチボチ売れているようで、こういう本を通じて少しでも認知が広がれば、うれしいものです。


 ●女子のレフティーは少ない?

今活躍するレフティーが少ない理由ですが、これという答えが思い当たりません。

ただ、徐々にいろんな分野で左利きの人がその正体を現す傾向が出てきていますので、いずれそれなりに登場するのではないか、と思います。


「女子のレフティーは少ない?」
一般的に言われることですが、女子は左右の機能分化が男子よりも緩やかで、左利きの度合いが弱い人が多く、左右どちらもある程度使えるという人も少なくないそうです。

そういう場合、テニスの伊達選手のように、本人は左利きでも、まわりの人たちが右打ちだったので自分も右打ちになったという人もいるでしょう。
また、ゴルフでは用具の関係で右打ちにしている人もいるでしょう。


 ●結論について

「利き腕の概念を捨てる」という姿勢にこそ世界の扉を開く鍵がある
簡単には言えません。
サッカーやこのテニスの両手打ちのような状況的な要素が加われば、ある程度そういうことも言えるかもしれません。

しかし個別に見れば、右にしろ左にしろ偏りの度合いの強い人の方が多いので、「利き腕の概念を捨てる」というのは、難しいだろうと思われます。

野球で言えば、左右打ちの選手がいますが、やはりそれで成功する人は稀です。
ましてや、左右投げとなるとまずいません。

「状況がゆるせば」という条件付きになりますね。


「左対右」を対立の構図として論じるのは、もはや時代遅れ
そういう時代が来れば、うれしいのですが、現実はやはり難しいでしょう。

もちろん、対立しているばっかりではないので、対立以前の状況(完全無視)もあれば、左利きが頑張って、突っ張ってなんとか対立状況に持ち込んでいるケースもあるでしょう。


少なくともまだ当分は、右利き優先・優位の社会が続くでしょう。
そのなかで少しずつ改善して、多数派の右利きの人のためだけの「最大多数の幸福」ではなく、左利きという少数派も含めた「万民の幸福」を考えられる社会にかえて行ければいいなあ、と思います。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きの憂鬱:ゴルフ場は右利き用に設計、短命説も」を転載したものです。
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