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2012.11.30

第7回<LYGP>2013へ向けて(2)~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii340号

先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第340号のお知らせです。

 ・・・

第340号(No.340) 2012/11/24
「第7回<LYグランプリ>2013 へ向けて(その2)」
は、
「2012年左利きの人・物・事 を振り返る」の2回目として、前回の【人:部門】3件【物:部門】1件に続いて、【事:部門】3件を紹介しました。

このブログでも取り上げて紹介したことのある、以下の3件です。

【『レフティ生活 万年筆編』】
2012.2.8
左利きでも万年筆は使えます。『レフティ生活 万年筆編』―左手書字の研究

【無印良品、プロジェクト ハートフル・左利き】
2012.4.4
Project01左利き~空想無印cuusoo muji商品化企画の試み
2012.7.20
無印良品プロジェクト ハートフル・左利き

【ガスト、スープ用のお玉(レードル)の形状改善】
2012.10.1
ガストのスープ用オタマが左右両注ぎ用に!

詳細は本誌で。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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クリスマス・ストーリーをあなたに

―第94号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~ アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から


本誌では、アガサ・クリスティーのクリスマス・ストーリーとクリスマスに関する詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック『ベツレヘムの星』から、「水上バス」を中心に紹介しています。

本誌でも書いていますように、ディケンズの『クリスマス・キャロル』以降、欧米の作家は、生涯に一つはクリスマス・ストーリーを書く、といわれています。
クリスティもまた、ミステリでも『ポアロのクリスマス』『クリスマス・プディングの冒険』というクリスマスにまつわる小説を書いています。

そして、本書のように純粋なクリスマス・ストーリーも発表しています。

クリスマス・ストーリーの一つの基本パターンは、『クリスマス・キャロル』にもみられますように、クリスマスという愛と善意の季節に、奇蹟を交えて人の心を改心させるような出来事を描いたものと言えるでしょう。
ほかには、クリスマス及びサンタクロースの起源を描いたもの、キリスト生誕にまつわる秘話といった趣向のものがあります。

 2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-『クリスマス・キャロル』善意の季節


当然キリスト教や聖書についての基本的な知識があるほうが楽しめます。
そういう点では、日本人には多少不利な面があります。

しかし、そんなに難しい教義にまつわる話などは出て来ませんし、仮に出てきたとしても、無視して気軽に楽しめばよいと思います。

例えば、村上春樹訳のカポーティの「クリスマスの思い出」「あるクリスマス」などは、少年のクリスマスの思い出を語ったもので、非常に抒情的な作品に仕上がっています。

 2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節『あるクリスマス』カポーティ
 
『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳 文春文庫(2009/6/10)
 「クリスマスの思い出」「あるクリスマス」を含むイノセンスな少年たちを描いた短編集


推理小説やSFでも、優れた作品があり、かつては日本でも翻訳物のアンソロジーが何点か出ていたものでした。
最近は、翻訳ものの出版は冬の時代といった感じで、ほとんど目にすることもなくなり、さびしく思います。

かつてはこの季節に、クリスマス・ボックス (講談社文庫)とかクリスマスの木といった作品が出版され、そこそこ売れたものでした。
その証拠に、古本屋さんではこれらの単行本や文庫本を今でもよく見かけます。


*本誌で取り上げた本:
『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)


『ポアロのクリスマス』アガサ・クリスティー/著 村上啓夫/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003)
 ご存知名探偵ポアロもの。クリスマス・イヴの殺人事件。
『クリスマス・プディングの冒険』アガサ・クリスティー/著 橋本福夫〔ほか〕/訳 ハヤカワ文庫(2004)
 英国の古風な楽しいクリスマスを描く表題作を含む短編集。
『火曜クラブ』アガサ・クリスティー/著 中村妙子/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003)
 「クリスマスの悲劇」を含むミス・マープルものの短編集。
  


*本稿は、アメブロ『レフティやすおの作文工房』より「クリスマス・ストーリーをあなたに」を転載しています。
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2012.11.22

左利きの意識とハサミの話【左利きライフ研究家のできるまで】第4回

大変長らくお休みしていました、【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第4回です。

この文章は、第一回でも書いていますように、私の発行する無料メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(第39号 2006/7/15 ~ 第112号 2007/12/15)での連載記事「レフティやすおの左利き活動万歳/私にとっての左利き活動」(全19回)を基に、ホームページ『左利きを考える レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き人生 少年時代」等の記事を交えたり、新たな情報等を付け加えたり、加筆修正したものです。

なぜ左利きの活動を始めたのか、という左利きライフ研究家としての私の原点となる部分と言えます。


できれば週一ぐらいで書き綴り、今年中に終了させるつもりでした。

ところが、情報をプラスアルファするなど新味を出したいとの思いから、付け加える文章に手こずり、三日坊主ならぬ“三回坊主”になっていました。

今回やっとこ集中してまとめ上げました。
今後も、どう展開するかわかりませんが、精一杯努力いたしますので、よろしく!

 ・・・

【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第4回

第3回では、幼稚園時代の左腕骨折事故にもかかわらず、“左利き一筋”だった思い出を書きました。
今回は、小学校低学年時代だろう?ハサミの思い出を中心に―。


 ●左利きの意識

私自身は「自分が左利きである」ということを特に意識することもなく育ってゆきました。
なにしろ、私の左利きは小学校の担任先生によって“公認”され、以来何かにつけて「左手を(主として)使う」ということは、当然のことだったからです。

「自分が左利きである」という認識について、少し補足説明しておきましょう。

別に私が「自分自身が左利きである」ということを意識していなかった、とは言い切れません。
なぜなら、何かにつけて「この子ぎっちょやな!」的な会話は、始終身の回りで行われていたでしょうから。

ただ、それを正確に「右利きと左利きとの性質の違い」として認識していたかどうか、という意味においての話です。

単に、まわりの人が自分ことを話しているのを聞いて、「(他の人たちとは違う人間として)自分のことを左利きと呼ぶんだな」と理解した程度のことだったのでしょう。


すなわち、右利きと左利きの違いを正確に知って「大半の人たちとは異なる性質を持つ存在としての自分」を認識していたというわけではない、ということです。

言葉としての「右利き」「左利き」というものは知っていても、具体的にそれがどういうことなのか、何を意味するのかはよく理解していなかった、というわけです。

他の人たちは、右手で箸を使い、右手で字を書くのに対して、自分は左手で箸を使い、左手で字を書く、といった事実は認識していたかもしれません。

それは、他人が目ざとく一番に指摘することだったからです。
親戚やら級友たちが、大人も子供も同様に。


左利きの意識という意味で、右利きとの違いを認識していなかった例として一つあげてみましょう。

たとえば、ハサミです。

これは当時としては、ごく普通のことだったのかもしれません。
一般に普及している、世間で売っている、誰もが日常的に使っているハサミが、実は右手用のものであったという事実です。

いまでこそ、ハサミには右手用と左手用の二種類あるということは、大抵の人が知っていることでしょう。

しかし当時は、まったくそういう違いに気付いていませんでした。


 ●ハサミは右手用・左手用の二種類

ここで少し脱線しますが、「左手用ハサミ」について書きておきます。

ハサミの話題は今までにも数々書いてきました。

【私のハサミ体験談】
・2004.2.26 ハサミで困った思い出
(8年ほど昔に書いた文章ですので、一部訂正しておきます。
  それは、ハサミの価格に関してです。
  確かに、プロ用等の特殊用途のハサミは、割高ですし、どこでも買えるわけではありません。
  しかし子供用は、右左同じ価格でスーパー等で手に入ります。
  一般用もデザイン等は選べませんが、比較的安価に手に入ります。
  大抵の100円ショップでも手に入ります。
  その点は大いに改善されています。 )

【左手用ハサミの構造や呼称に関する紹介記事の例】
・2004.10.27 右利き用と左利き用のはさみ、どこがどう違うの?
・2004.5.28 左利き用ハサミって?―『とんちんかん道具館』より

【ハサミの商品紹介記事の例】
・2011.2.10 Raymayレイメイ藤井ペンカット:右手左手両対応携帯ハサミ
・2004.2.22 百円ショップの左手用ハサミ
・2011.12.23 左手・左利きに優しくない!?学童用はさみ「スコッチ キッズシザーズ」住友スリーエム
・2004.9.29 サンスター文具の幼児向け左手用ハサミ

『レフティやすおの左組通信』
〈HPG3〉左手用/左利き(左きき)用 はさみ・ハサミ・鋏(SCISSORS FOR LEFTHADERS)コレクション
表記について―「左手用」か「左利き用」か

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
レフティ・グッズ・プロジェクト<左手・左利き用品を考える>
◆「左手でも切りやすいハサミ」とは?<1>-<7>
・第1回第298号(No.298) 2012/2/4
・第2回第302号(No.302) 2012/3/3
・第3回第307号(No.307) 2012/4/7
・第4回第311号(No.311) 2012/5/5
・第5回第315号(No.315) 2012/6/2
・第6回第320号(No.320) 2012/7/7
・第7回第324号(No.324) 2012/8/4

etc...

それらにも書いてきましたが、改めて簡単に触れておきます。


 ●右手用と左手用のハサミの構造

ハサミには、右手用左手用の二種類があります。

これは「右手用」「左手用」ではなく、「右利き用」「左利き用」だろうと思っている人もいらっしゃるかも知れません。
しかし、ハサミの業界では「右手用」「左手用」という呼び方が正しいようです。

一番よくわかるのは、子供用のハサミです。
必ず「右手用」「左手用」と明記されています。

もちろん何事にも例外と言うものはあるもので、一部には便宜的な呼び方として、「このほうが一般の人にはより分かりやすいだろう」という理由で、「右利き用」「左利き用」としているメーカーさんもあります。

しかし、大抵は「右手用」「左手用」です。
それは、「右/左手に持って使うことを前提に設計したもの」、という意味合いがあるのでしょう。

ですから、それぞれのハサミは、それぞれに指定された通りに、それぞれの手に持って使うべきものなのです。

では、実際にどの点が違うのか、と言いますと―
(1)刃の噛み合わせ
(2)持ち手の形状
です。

最大のポイントが、この「(1)刃の噛み合わせ」です。

ハサミの構造は、それぞれ片刃になった二枚の刃を切断面を重ね合わせ、支点を中心に刃をすり合わせるようにスライドさせて切ります。

自然にハサミを手に持って構えたとき、ハサミは垂直方向に刃が並びます。
そして、上から見たとき、上から下りる刃が右側にあるものが、右手用です。

その逆に、上の刃が左側にあるのが左手用です。


(左手用を自分の手元から見た断面)

 ┃  (上の刃が左側にある)
――――(紙)
  ┃ (下の刃は右側にある)


ハサミを持つ手の力のかかり方は、本来ならこの刃と刃を合わせる方向に働きます。

しかし、逆の手でハサミを使いますと、刃に伝わる力の掛かり方も逆になります。
刃と刃を引き離す方向に働き、刃と刃の隙間が大きくなります。

すり合わされる上の刃と下の刃の隙間が大きく開くと、その隙間に紙を挟んでしまって切れません。


 ┃⇔┃(上の刃と下の刃の隙間が大きく開く)

 ┃ / (上の刃が左側にある)
  / ┃(下の刃は右側にある)

 ┃| (上の刃が左側にある)
  |┃(下の刃は右側にある)
  ↑
 (刃と刃の間に紙が挟まる)

刃と刃の間がしっかり密着していると、紙はきれいに切れます。

 ↓ ―(紙)
 ┃┃(下の刃)
― ↑
  

今のハサミはこの刃と刃の合わせがしっかりしているので、逆の手で使った場合でもある程度“切れる”のです。

しかし、ガタつきの大きなものでは、逆の手で使おうとしますと、開きが大きくなってしまい、切れません


当時の私は、右手用と左手用と構造の違いも知らず、自分の使っているハサミが右手で使うことを前提として設計された右手用ハサミであることも知らず、その右手用ハサミを左手で使っているからうまく使えないのだと気付かず、ただただ自分は単に不器用で(普通の=右手用の)ハサミがうまく使えないのだ、と考えていました。

 ・・・

そんな日々のなかで左利きを意識させられるのは、何かの時に他人(大半は大人)から左利きであることを指摘されるときでした。

ただ、左利きであることを意識せず、と書きましたが、これは日常生活の表面で、という意味で、心の奥―深層心理的には、左利きであることマイナスの要素として、引け目を感じていました。

この辺の感覚は、今の若い人の中には理解しにくい人もいるかもしれません。


とにかく、「左利き=マイナス」、「左利き=良くないこと」、「左利き=できれば隠しておいた方がいいこと」といった意識は刷り込まれていました。


【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】過去の記事
2012.6.11 第1回
2012.6.19 第2回 幼少時の記憶から
2012.7.5 第3回 利腕を骨折しても…

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2012.11.21

名作~推理小説編13~『カリフォルニア・ガール』~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii339号

先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第339号のお知らせです。

 ・・・

第339号(No.339) 2012/11/17 「名作の中の左利き~推理小説編13~左利きにご用心『カリフォルニア・ガール』」は、
■名作の中の左利き■~推理小説編13~の13回目はT・ジェファーソン・パーカー『カリフォルニア・ガール』を紹介しました。

右手を負傷した左利きの反撃をうっかりして喰らってしまったケースを取り上げてみました。

右利きの人は、相手が左利きと知っていても、時についうっかりしてしまうことがあるようです。

左利きの人は、案外相手の利き手のことは考えていると思います。
少なくとも、右利きの人よりは無頓着ではない、という感じがしますけれど…。


詳細は本誌で。

*本誌で取り上げた本:
『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー/著 七搦理美子/訳
早川書房(2005/10/14)
ハヤカワ・ミステリ文庫(2008/3/7)
 

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2012.11.16

ウィリアム・ブルテン(ブリテン)を知っていますか?

昨今は、翻訳小説は冬の時代とも言われているようで、しかもこのような一昔どころか、ふた昔以上過去の作家という感じの人ですから、まあ、知らない人の方が多いでしょう。

簡単に紹介しますと、アメリカの短編推理小説作家。
日本では、1960年代後半から80年代にかけて、翻訳ミステリ誌『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)』『ミステリ・マガジン(HMM)』(ともに早川書房)、『EQ』(光文社)で、名探偵もののパロディ<~を読んだ男>シリーズや老高校科学教師<ストラング先生>シリーズの短編推理小説で人気を博した作家です。

そして、2007年に日本オリジナルの短編集『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』(論創海外ミステリ)、2010年『ストラング先生の謎解き講義』(論創海外ミステリ)の2冊が出版され、往年のファンにとっては長年の飢えが満たされたというわけです。

◆<ウィリアム・ブリテン>表記◆
『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』 (論創海外ミステリ)
ジョン・ディクスン・カーを読んだ男
エラリー・クイーンを読んだ男
レックス・スタウトを読んだ女
アガサ・クリスティを読んだ少年
コナン・ドイルを読んだ男
G・K・チェスタトンを読んだ男
ダシール・ハメットを読んだ男
ジョルジュ・シムノンを読んだ男
ジョン・クリーシーを読んだ少女
アイザック・アシモフを読んだ男たち
読まなかった男
ザレツキーの鎖
うそつき
プラット街イレギュラーズ

『ストラング先生の謎解き講義』 (論創海外ミステリ)
ストラング先生の初講義
ストラング先生の博物館見学
ストラング先生、グラスを盗む
ストラング先生と消えた凶器
ストラング先生の熊退治
ストラング先生、盗聴器を発見す
ストラング先生の逮捕
ストラング先生、証拠のかけらを拾う
安楽椅子探偵ストラング先生
ストラング先生と爆弾魔
ストラング先生、ハンバーガーを買う
ストラング先生、密室を開ける
ストラング先生と消えた船
ストラング先生と盗まれたメモ

 


私にとっては、1971年の『ミステリマガジン』1971年11月号(16巻11号 通巻187号)掲載の「ストラング先生グラスを盗む」(<ウィリアム・ブルテン>表記。日本初紹介の<ストラング先生>もの)に始まり、何編かの<ストラング先生>ものを楽しんだものでした。
(偶然ですが、『ストラング先生の謎解き講義』の解説で、訳者の森英俊さんも4つ年下なのに、私とほぼ同時期に『ミステリ・マガジン』の読者としてこの作品を読んでいたというのです。私は高校2年の夏からの『ミステリ・マガジン』読者でした。)

その後<~を読んだ男>シリーズの一編を読み、さらにシリーズ中でも第一の名作といわれる「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を『世界ミステリ全集〈18〉37の短篇 (1973年)
』で読んだものでした。
(この作品は、『密室殺人傑作選』早川書房/ハヤカワ・ミステリ文庫HM(2003/04/15)、ハヤカワ・ミステリ(1971/11/15)にも収録されていますほど、著名な作品です。)

【収録作一覧】
ある密室(ジョン・ディクスン・カー)
クリスマスと人形(エラリイ・クイーン)
世に不可能事なし(クレイトン・ロースン)
うぶな心が張り裂ける(クレイグ・ライス)
犬のお告げ(G.K.チェスタートン)
囚人が友を求めるとき(モリス・ハーシュマン)
ドゥームドーフの謎(メルヴィル・デヴィッスン・ポースト)
ジョン・ディクスン・カーを読んだ男(ウィリアム・ブルテン)
長い墜落(エドワード・D・ホック)
時の網(ミリアム・アレン・ディフォード)
執行猶予(ローレンス・G.ブロックマン)
たばこの煙の充満する部屋(アンソニイ・バウチャー)
海児魂(ジョゼフ・カミングズ)
北イタリア物語(トマス・フラナガン)


当時の『ミステリ・マガジン』では、エドワード・D・ホックの<怪盗ニック>シリーズなどと並ぶ人気シリーズでした。
(その割にはあまり紹介されなかった気もしますが…。)

「木は森へ隠せ」、目に付くところほど気付かない、人間の思い込みといった心理的なトリックをうまく活用した、密室ものや消失トリックなど不可能犯罪を扱った、小気味の良いという表現がぴったりな感じの本格推理物ですが、それだけではない魅力があります。
それは何と言っても、高校教師であるがゆえに、容疑を受けた生徒を救う名推理や時には生徒により危害を受けた教師仲間を、そして自身の嫌疑を晴らす名推理を、人情味あふれる人間性に裏打ちされた事件解決に導くところにあります。

先生とともに登場する脇役も親しめる人物たちです。

例えば、先のホックの編集になる密室アンソロジー『密室大集合』ハヤカワ・ミステリ文庫HM(1984/03/31)にも選ばれている「ストラング先生の博物館見学」(アンソロジーでの表題は「ストラング先生と博物館見学」)では、博物館見学に訪れた先生率いる生徒たちの一団が、展示品の中では一番の値打ちの黄金の仮面の盗難事件に遭遇します。
運悪く生徒に嫌疑がかけられますが、先生の名推理で真相が解き明かされ、仮面は取り返えされ、無事生徒の疑いも晴れます。
 

【収録作一覧】
山羊の影(ジョン・ディクスン・カー)
クロワ・ルース街の小さな家(ジョルジュ・シムノン)
皇帝のキノコの秘密(ジェイムズ・ヤッフェ)
この世の外から(クレイトン・ロースン)
鏡もて見るごとく(ヘレン・マクロイ)
七月の雪つぶて(エラリイ・クィーン)
ニュートンの卵(ピーター・ゴドフリー)
三重の密室(リリアン・デ・ラ・トーレ)
真鍮色の密室(アシザック・アシモフ)
火星のダイヤモンド(ポール・アンダースン)
子供たちが消えた日(ヒュウ・ペンティコースト)
魔術のように(ジュリアン・シモンズ)
不可能窃盗(ジョン・F・スーター)
ストラング先生と博物館見学(ウィリアム・ブルテン)
お人好しなんてごめんだ(マイクル・コリンズ)
アローモント監獄の謎(ビル・プロンジーニ)
箱の中の箱(ジャック・リッチー)
魔の背番号12(ジョン・L・ブルーン)
奇術師の妻(J・F・ピアス)
有蓋橋事件(エドワード・D・ホック)


一方、<~を読んだ男>シリーズも、時に<女>だったり<少年>だったりと変化があり、なんと<読まなかった男>まで登場するぐらい独創的です。

このシリーズは、おおむねそれぞれの名探偵ものの小説の読書中毒者が偶然出会った事件で探偵役を試みるという趣向です。

カーを取り上げた一編「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」は、密室ものの巨匠カーの信奉者がカーのトリックを越えようとする一編です。

このシリーズは、それぞれのファンにはおなじみの作品が語られたり、いかにもそれぞれの名探偵にふさわしいところが取り入れられ、楽しいパロディのシリーズとなっています。


ところが、これだけの人気を博したシリーズであったにもかかわらず、この2冊の作品集が登場するまで本にまとめられることがなかったのです。

一つには、掲載誌・出版社が変わり、著作権の問題等があったのかもしれません。
それと、短編小説はあまり売れない、とも言われます。

そういった問題があったのでしょう。

しかし、それにしても…、という気がします。

実はこの時期の『ミステリ・マガジン』によく掲載された作家の短編小説にはおもしろものがたくさんありました。
推理小説で言えば、ホックの作品(これらは次々と日本オリジナルの短編集が編まれました。)、このブルテンの作品。
他に推理小説だけではなく、当時結構人気を博していたシリーズに“異色作家短編集”というものがあり、これらに収録された作家及び作品と同系列のもの、いわゆる異色作家の異色短編といったもの(例えば、イーリイ、ガーシュなど)も含めて。

これらの短編は、一時、早川書房から『ミステリ・マガジン』傑作選という形で出ると予告されたこともありました。
しかし、いっかな出る気配がないままに、立ち消え。

その後各社から個別の短編集が出始めたのが、この21世紀に入ってからというところでしょうか。

このブルテン(ブリテン)にしてもそうですね。
まあ、今はこうして本になったので、それはそれで良いとも言えますが…。

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2012.11.15

自分のための自分だけの読書ガイドを見つけよ!

―第93号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年11月15日号(No.93)-121115-   私の読書論-39- 読書の決まり(その2)


前回に引き続き、以下↓の本を基に書いています。

『ペナック先生の愉快な読書法―読者の権利10ヶ条』
ダニエル・ペナック/著 浜名優美 木村宣子 浜名エレーヌ/訳 藤原書店 第2版(2006/10)


(本誌定期購読(無料)のお申し込みは、サイドバー上部の「レフティやすおの楽しい読書」からどうぞ!)


そして、最後に書いていることは、

<自分のための自分だけの読書ガイドを見つけよ!>

ということです。


私の場合は、どういうものを参考にしたかと言えば、学校の教科書にある文学史や科学史などの年表に出てくる書物
これが一つでした。

次に、それに類したなんとか文学史といった本に付された年表や書物一覧
それと、人類の文化史的な本の巻末に付されていた文学・科学等の人類史的な年表といったもの。
他に、なんとか事典の巻末年表や一覧等です。

そこから、新潮文庫やその他の大手の文庫の解説目録というのを本屋さんで見つけてもらってきて、それを先の年表や書物一覧にあるものと突き合わせるようにして、買い求めるなり図書館で借りるなりしては、読み進めて行きました。

その過程で、実際に本屋さんや図書館の棚にある本を見ながら、実物を手にとりペラペラと内容を確認しながら、これなら自分でも読める、読んでみると価値がある、と思ったものを選び出しました。

一方で、一度読んでみて気に入った本の著者の他の著作をたどったり、それらに関連した本を芋づる式に読む、といったことをしました。

また、新聞や雑誌の書評欄・広告欄などを利用することもありました。
例えば、SFや推理小説といったエンタメ系の小説や評論・エッセイ等の場合、『ミステリ・マガジン』や『SFマガジン』といったものを定期購読しては、そこで評判のいいものを探して読んだりしました。


私が体験的に言えることは、何でもかんでも手当たり次第に読む乱読よりは、このように一定の基準を設けて、順繰りに読んでいく方が正解ではないか、と思っています。
(まあ、何をもって「正解」と呼ぶかは、難しい問題ですが…。)

物事に関して一定の理解を得るために、また自分なりの人生観・世界観・価値観をつくるためには、それが一番近道であり、正道のような気がします。


*本誌で紹介したガイド本:
『世界を変えた100冊の本』マーティン・セイモア=スミス/著
BEC、別宮貞徳/訳 共同通信社 (2003.12)

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2012.11.14

伝統と左利き:茶道(2)~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii338号

先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第338号のお知らせです。

 ・・・

第338号(No.338) 2012/11/10 「左利きとマナー(10) 伝統と左利き:茶道(2)」は、
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲―その19― 左利きとマナーの10回目「伝統と左利き:茶道(2)」をお送りしました。

前回に引き続き、日本の伝統的な芸道の一つ茶道における左利きの問題について考える二回目です。
今回も、裏千家 高山宗真氏のブログ「緑水庵」でのお話を基に考察しています。

 ●小堀宗実氏の著作『茶の湯の不思議』から
 ●左利きの場合も同じ
 ●右勝手に流れるだけが「美」と言えるのか?
 ●時代とともに変化しても良いのでは?

詳細は本誌で。

*参考:
遠州茶道宗家十三世家元、小堀宗実氏の著作、
『茶の湯の不思議』日本放送出版協会 生活人新書(2003)


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2012.11.07

左利きが使いやすい定規(2)三角定規~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii337号

(画像:「クツワ 三角定規 左利き用」)
Kutuwasankaku_2


先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第337号のお知らせです。

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第337号(No.337) 2012/11/3 「レフティ・グッズ・プロジェクト<左手・左利き用品を考える>第9回 定規を考える(2)三角定規」は、
レフティ・グッズ・プロジェクトLGPJ<左手・左利き用品を考える>の9回目「左利きが使いやすい定規を考える<2>三角定規」をお送りしました。

私が持っている、2005年10月に購入した「クツワ 三角定規 左利き用」を例にとって考えてみました。

*参照:『左組通信』
「左利きphoto gallery〈HPG6〉左手/左利き用文房具(筆記具・定規・その他)」

 ●三角定規の基本的な使い方
 ●使い方の指導は?
 ●三角定規は選択できるのか?
 ●左利き用三角定規は優れもの
 ●なぜ不便なものという勘違いをしたのか?

詳細は本誌で。

(画像:レイメイ藤井のサイトより「はしゼロメモリ三角定規」)
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*本誌参考商品:
・はしゼロメモリ三角定規 10cm APJ132 レイメイ藤井
・はしゼロメモリ三角定規 12cm APJ209 レイメイ藤井
・KUTSUWA クツワ STAD メタクリル三角定規


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2012.11.02

11月1日は古典の日

一日遅れましたが、昨日、11月1日は、「古典の日」でした。

「古典の日」とは、2008年11月1日に京都で宣言された、源氏物語千年期を記念した、時空を超えた人類の叡智の結晶である古典に親しもうという記念日です。

「11月1日」という日付の由来は、『源氏物語』のことが最初に『紫式部日記』に記されたのが、寛弘5(1008)年11月1日ということで、この日に決めたというものです。
「「古典の日」について」

「古典の日に関する法律」(下↓に引用)も制定され、単に日本の古典文学のみならず、広く世界中の古典作品に範囲を広げて、あらゆるジャンルの古典を対象としています。

第二条 この法律において「古典」とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想の分野における古来の文化的所産であって、我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、優れた価値を有すると認められるに至ったものをいう。

最近「もう古典を読め!古典を読め!」などという教養主義はやめようという学者さんもいらっしゃるようです。

確かに「古典の文学作品を読め」といった文学作品に限ってしまう、文学偏重であるならば、私も反対です。
一口に古典と言っても色々あります。
先に挙げた「古典の日に関する法律」の中に記されているように。


で、話を戻して、「古典を読め」というのはやめようという発言に対しての反論です。

がしかし、昔から温故知新という言葉があるように、古典を忘れて今はないだろうと思います。

第一、人間というものはほとんど進歩していないものです。

おいしいものを腹いっぱい食べたい、少しでも楽をしたい、お金が欲しい、若くてきれいな異性に惹かれる、他人よりも偉くなりたい、他人を自分の思い通りに操りたい、他人よりも善く思われたい、キラキラ光るもので身を飾りたい、他人様の為になる人間になりたい、他人様に役立つことをしたい、etc...。
人の思いというものは、なんら変わっていません。
古典にみんな書かれている、描かれているものです。


現代の私たちはそれら―古典に示されているような、古今東西の人間の英知の集積の上に立って行動しているだけなのです。
自分のオリジナルなんてホントはまずない、と言っていいでしょう。

それは科学技術に関しても同じだと思います。
今日、科学技術は全く新たな世界を切り拓いているように見えますが、それは人類の英知の光がまだ届いていなかったために我々には見えなかっただけで、昔からそこに在ったものにすぎません。


古典なんて面倒なだけじゃん、という人もいるでしょう。

でも、ホントはそれがすべてなのだ、と言っていいのです。
古典に始まり古典に終わる、なんて言う言い方をすれば、古い人間と思われるかもしれません。
でも、よーく考えてみれば、そういうものなのですね。

昨日があって今日があり、明日があるのです。


私は、毎月メルマガ『古典から始める 楽しい読書』を発行しています。
難しいことは分からないし、分析的な読み方もできない半端ものの人間ですので、単なる古典の紹介、こんな本がありますよ、読書はおもしろいですよ、私はこんなふうに本を読んでいますよ、と勧めるものにすぎません。

しかし、自分でこういうものを始めることで、何かしら勉強になっているように感じています。
ただの錯覚かもしれませんが、まったくの無駄な努力ではないように思います。

少なくとも、人生に楽しみができたことだけは事実です。
色んなものにふれる楽しみです。

文学はもちろんですが、音楽や美術や演劇や建築やその他諸々も、全て何かしらどこかしらつながっているものだと知りました。

ぜひ、皆様もこの機会に古典に親しむように心がけて欲しいものです。
できれば、サイドバーにある私のメルマガに登録していただければ、毎月二回メールが届きます。

それをきっかけにして、私とともに、古典に親しむ人生を送っていただければ、嬉しく思います。
きっとあなたの世界が広がりますよ。

*参考:
古典の日に関する法律について - 文化庁
古典の日に関する法律(条文)(PDF形式(1.32MB))
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古典の日に関する法律

(目的)

第一条 この法律は、古典が、我が国の文化において重要な位置を占め、優れた価値を有していることに鑑み、古典の日を設けること等により、様々な場において、国民が古典に親しむことを促し、その心のよりどころとして古典を広く根づかせ、もって心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「古典」とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想の分野における古来の文化的所産であって、我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、優れた価値を有すると認められるに至ったものをいう。

(古典の日)

第三条 国民の間に広く古典についての関心と理解を深めるようにするため、古典の日を設ける。
2古典の日は、十一月一日とする。
3国及び地方公共団体は、古典の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。
4国及び地方公共団体は、前項に規定するもののほか、家庭、学校、職場、地域その他の様々な場において、国民が古典に親しむことができるよう、古典に関する学習及び古典を活用した教育の機会の整備、古典に関する調査研究の推進及びその成果の普及その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

附 則
この法律は、公布の日から施行する。

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