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2005.01.09

ニンテンドーDSの利き手設定・左利き対応について思うこと

テレビゲームの類はまったくといっていいほどやりません。初代のゲームボーイで、テトリスと将棋など何種類かのゲームをしたことがある程度です。後はパソコンで将棋とスパイダーソリテアぐらいか。

そういうわけでゲームについてはまったく無知といっていい私が書くのはちょっと問題ありかもしれません。
しかしどうしても一言書いておきたいと思います。

*
このニンテンドーDSのテレビコマーシャルでタッチペン(というのか?)でいろいろやっているのを見たときから気になっていました。
左利き(左手書き)の人はどうなんだろう、と。

するとこんな声が聞こえてきました。
利き手設定ができるのだ、とか、ゲームによって左利きを選ぶと画面が反転して、左利きの人が扱いやすくなるのだというのです。右側のABなどのボタンが十字に配置され、カーソルの十字ボタン代わりに使えるようになるとか、…。

参照―
『Nintendo DS ブログ』「ソフトインプレッション(メイドインワリオ)」2004-11-09 
『クレセンドスリー・ログ』「ニンテンドーDSは左利きも対応」2004.12.07

これが本当ならたいした進歩です。

私がゲームがへたなのは左利きだからではないか、と考えた時期もありました。
移動のための十字ボタンが左、決定などのABボタンが右、というスタイルが左利きには不向きな部分があるのではないか、という疑問です。

左利きの人のために左利き対応しようという発想は、本来は当たり前のことですが、実際には画期的なことです。
通常の機械類はたいてい右利きでの使用を前提に設計されているものです。
残念ながら左利き専用や左利き対応型の機械類というのは非常に限られています。
現実にいま例を挙げろと言われても、とっさに出てきません。私の持っているものでは、カメラ(十年以上前の京セラのサムライZ2-L)ぐらいでしょうか。
それほど希少なものです。

そこへ、このニンテンドーDSの登場です。
たかが子供のおもちゃ、まあ、おとなも遊べるとはいえ、基本的にゲーム機ですから遊びの道具です。ソフト込みでも二万円ほど。
おもちゃをバカにするつもりではありませんが、製造用の産業機器や情報機器などとは違います。
社会になくてはならないものではありません。
それにも関わらず、利き手に対応してくれるのです。これはやはり凄いとしか言えません。

*
左利き対応について言うと、これはゲーム機のような娯楽のための嗜好品だからこそできる贅沢な機能・システムなのか、それとも発想さえ変えればソフト共で高々2万円ぐらいの機械でもできるごくありふれた機能・システムなのか、どうなのでしょう。

もし仮に、娯楽のための贅沢な機能だとしても、個人の能力を最大限に引き出せる機能やシステムというのは、学業や実業の世界でこそ有用なものではないでしょうか。
今では流れ作業による大量生産方式ではなく、個別に各人がそれぞれのユニットなり、製品を作ってゆく多品種少量生産の方式が取られるように変わってきたといいます。
そういう職人的な生産方式では、各人の利き手に対応したシステムが有効になるのではないでしょうか。

あるいはおもちゃでもできるような簡単なことならば、どうして学用や実業の世界に取り入れられないのでしょうか。

結局、発想がないということでしょうか。
利き手・左利きに対応したものを作る必要性を感じる人がいない、あるいは少ないということでしょうか。
それはなぜなのでしょうか。
やはり昔の左利きに対する偏見が生きているのでしょうか。まだまだ社会が閉鎖的なのでしょうか。あるいは単に絶対数が少ないから無視されるだけなのでしょうか。

しかし、このようなゲーム機で遊んだ子供たちが大人になれば、利き手(左利き)に対応していない機械やシステムに違和感を覚えるようになり、利き手に対応すべきだ、という考えが大勢を占めるようになり、次第に利き手対応型の社会に移行してゆくのではないでしょうか。
これからの展開に期待しています。

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載して、gooブログ・テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。

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Comments

トラバありがとうございました。
私は右利きなので左利きの方の苦労がなかなか分からないのですが、社会のあるものほとんどが右利きを前提に作られていることを考えると左利きの方は絶えず不自由な思いをされているのでしょうね。
たかがゲーム機ではありますが、もしニンテンドーDSが左利きに優しい社会への第一歩になるのであれば私としては嬉しい限りです。
ニンテンドーDSもすべてのソフトで左利きの方に対応しているかと言われると答えはNo(ソフト側の対応次第)なのですが、主なキーが左右対称に付いていますので従来のゲーム機よりは対応しやすいと思います。今後も左利き対応のソフトが数多く出てきて欲しいものです。

Posted by: nintendods | 2005.01.09 at 04:26 PM

nintendodsさま、コメントありがとうございます。
右利きの方でしたか。うれしいですね。左利きの立場をよく理解されていらっしゃいます。左利き対応に関して、きちんとした意見を書いておられ、大いに参考になりました。
ハードが利き手対応できるように設計されていれば、それに応じて利き手設定を使用するゲームソフトが出てくる可能性があるわけで、それが重要なポイントだと思います。
そして、それがひとつのきっかけになって、左利きにも優しい社会になれば、最高です。

Posted by: レフティやすお | 2005.01.09 at 11:04 PM

ゲームの場合、右利き用、左利き用というのに意味があるのか少し疑問が生じます。
家庭用ゲーム機では左手でコントロール、右手でショットというのが一般的ですが、昔のアーケードゲームでは逆だったりしますし、パソコンのキーボードで操作する場合もやはり逆になりますから。

Posted by: 甘木 | 2005.01.10 at 02:37 PM

レフティやすおさんこんにちは。
トラックバックありがとうございます。
実は以前から読ませていただいています。

個人的には、ゲームのコントローラーのキー配置が、右利き、左利きのどちらに有利にできているかは判断がつかないです。ゲームのジャンルによっても違うでしょうし。

ニンテンドーDSの場合、ボタンを押す以外にも、ペンや指で画面に直接触れて操作できるようになりましたから、左利きでも左手にペンを持つ人の場合、利き手設定が欲しくなりますよね。タッチスクリーンを操作に使わないゲームの場合は、そのままでもいいような気もします。

そういえば、最近流れているニンテンドーDSのCM(宇多田ヒカルが出ているものです)では、外国人の男性が左手にペンを持って画面に何か書いているシーンがありますよ。

Posted by: ナセルノフ | 2005.01.10 at 08:11 PM

甘木さま、コメントありがとうございます。

ナセルノフさまも、コメントありがとうございます。

お二方のおっしゃるように、なるほど、その通りです。
ゲーム全般について言えば個々に様々な状況があり、利き手の設定がどうかというのは、一概に決め付けられないかもしれませんね。
ただ、家庭用ゲーム機の現状などから考えるに、このニンテンドーDSのような対応は新たな可能性を感じさせると思います。
ペンを利用する場合は、右手書きと左手書きではまったく逆の動きになる場合があります。そんなときには、利き手設定の切り替えが必要になってくると思います。
そんなゲームに親しむうちに、右利き・左利きの違いというものを身近に感じてもらえるようになればいいなと思っています。

>外国人の男性が左手にペンを持って画面に何か書いているシーンがありますよ。

いろんな人が出て来てDSでゲームしているシーンのCMでしょうか、そういわれればそういう場面があったようです。
当然ペンを使うという前提があっての、この設計だと思うのですが、ユニークなゲームが出てきて欲しいものです。
どっちの手が器用かゲームなんて、あってもいいかもしれませんね。

Posted by: レフティやすお | 2005.01.10 at 10:25 PM

左利きに対応になっているのは
多分、ここからは推測なんですが、
グローバルに展開する企業だから
コスト削減のための対応じゃないかなと思います。

日本では、左利きの方が多いと言えない状況であり、大抵の利き腕は右手であり、右手前提で
ハードウェアも設計されている。

しかしアメリカ・他の国においては、
左利きが多い所もあるのも事実。

そもそも人間は、生まれた時は、
どちらが利き腕かなどは無く、
周りの環境で使いやすいように右になっていたとか、環境の適応(母親のしつけも含む)で、
そうなっていたりする事が多いと思います。

ただ元々両利き手な訳なので、
気がついたら俺・私、左だった
そこを直して戻すか、直さないでおくかが
個性や親の方針だと思いますが。。。

これらは日本の出来事なので、諸外国に
なれば、利き腕の事情は変わってくるでしょう。

ソニーもそうですが任天堂などの
ゲームハードメーカーは、日本のほかに
アメリカ・ヨーロッパなどにも出荷しているので、とりあえずはシェアの高い右利き想定をしたハード設計で良いものの、

左利きの割合が日本より多い国もあるという事柄から左利きの人もプレイしやすいように
シェアの拡大を狙いたいのだと思います。

そして左利き専用のハード設計をするよりは、
ソフトなどで対応できるようにしたんではないかと思います。
この辺がコスト削減をして、

ハードウェアとソフトが設定によって、
どちらの手も行けるハード・ソフトを
作ることで、どこの国でもつかえるように
したかったというのが任天堂さんの目論見ではないかなぁーと思っています。

(あとは単純にソフトの言語の翻訳と
ハードの電源電圧まわりのACアダプターを用意できれば1つのハードで各国対応だとおもうし・・・・)


Posted by: takao | 2005.01.11 at 12:08 AM

当方、実は通りがかりで、よくこのサイトの趣旨を理解していないかもしれませんので
もしも、失礼な事をいっていたらゴメンなさい。

生まれた時は、どちらでも利き腕らしい。
よって利き腕は、環境や国柄によって変わってくるのではないか??

が言いたいだけで、
別に右がイケナイ、左がイケナイと言いたいわけじゃありません。(念のため)

ゲーム機器は、その国用、国用つくったり、利き手用にそれぞれ作ったりするよりも
1つのハードと1つのソフトで各国対応したほうが商業的にみてコストが安くなるのではないか?

またゲームなど娯楽だからこそ、色んな人にやって欲しいし
両方対応だったら今まで買ってくれなかった人でも使いやすいとして買ってくれるんではなかろうか?
またライバル会社には無い利点を作ることで商業的な戦略見地もあるんじゃないのか??
という理由もあるのではないでしょうか??


Posted by: takao | 2005.01.11 at 12:31 AM

takaoさま、コメントありがとうございます。
通りすがりのお客様も大いに歓迎いたします。
(特に右利きの方のご意見をいただけると、うれしいのですが。)

まず最初に一言申しますと、

>生まれた時は、どちらでも利き腕らしい。
>よって利き腕は、環境や国柄によって変わってくるのではないか??

という説は、昔の常識です。いわゆる環境因子説と呼ばれたものです。

サイドバーおよびカテゴリの左利き関連本などでご紹介している書物など、ご覧いただくとお分かりいただけると思います。
利き手の発生メカニズムはまだまだ解明されていない部分が多く、わからないことが多いのですが、人類という種は基本的に右利きになるように設計されているようです。多少の例外があり、それが左利きとなっている、と考えるようになっています。

左利きになる要因としては、遺伝的な家族性といわれるもの、あるいは妊娠・出産時などに起こるとされる脳のトラブルによるといわれる病理性のもの、との大きく二通りが考えられているようです。
ただし、文化的な環境因子で表面的な右手使いの割合は国・地域、民族・宗教などで多少の違いがあるようです。
しかし、左利きの割合は昔も今も、おおむね一割ぐらいと言われています。アメリカの調査などでは15%とか、20ないし30%とする学者もいます。
ただ、利き手調査といわれるもののなかには、単に使い手調査になっている場合があります。

利き手で誤解があるのは、ひとつは道具を使う手を利き手と考えるかどうかです。
人により教えられた道具を使う動作を全面的に利き手と解釈すると、教育的効果が非常に大きなウエートを占めてきます。右利き用の道具や機械、システムしかない状況では、みな右利きに判定されることになりかねません。

利き手とはそういうものではなく、自然な状況の中でどちらの手をよりよく使うか、より多く使うか、よりたくみに使うかなどです。

また、利き手が顕現化すること(どちらの手をよく使うかという、見た目に明らかになること)と、使うほうの手をどちらにさせるか、という時期が子供の成長の中で重なる部分があるため、利き手というものが本来は両方である、あるいは人工的に変更できるのではないか、といった誤解を生むのだと思います。
顕現化する時期の方が多少早いのですが、これは観察者によっても異なってくると思われます。

―というわけで、圧倒的に右利きが多数を占めているというのが現状です。
そのため、社会がまだ貧しかった時代は、少数である左利きに対して配慮する余裕がなかった、としても致し方ない部分がありました。
ところが、少しずつ余裕が出てきた現代の社会では、それだけでは許されない時代になってきたともいえるでしょう。また個人にも余裕が出てきたため、今まで以上に、心だけでなくものに関しても配慮する時代になってきたのです。

このゲーム機に関しては、より多くの消費者に受け入れてもらうための、売れるための要素である、商品としての差別化である、というのは事実でしょう。
しかし、それだけではなく、利き手に関わらず、より多くの人に楽しんでもらいたいという、製作者の純粋な思いやりの発露でもあると思います。

Posted by: レフティやすお | 2005.01.11 at 12:08 PM

はじめまして、こんにちは。

記事に話題を引用させていただきました。
これからも興味深いお話期待しております。

Posted by: kyo-ko | 2005.01.11 at 02:31 PM

kyo-koさま、トラックバックならびに御訪問ありがとうございます。

記事「うまれつき左利き。」拝見しました。

>たしかに右利きの人にしか楽しめないゲームだったらちょっとさみしいです。
>けれどさみしいということよりも
>左利きに対応してくれているということうれしく思いました。

DSのこの姿勢がうれしいですよね。

>これからも興味深いお話期待しております。

少しでもご期待に沿えるよう努力します。これからもよろしくお付き合いお願いいたします。

トラックバック先に書き込みに出かけたのですが、うまく行きませんでした。あれぇ?

Posted by: レフティやすお | 2005.01.11 at 10:54 PM

初めまして、記事読ませていただきました。

私はNintendo DS を持っていますが、ソフトによっては本当に見事に左利きに対応しています。
これは、任天堂の中心人物である宮本茂さん(ゲームに詳しい人ならご存知だと思いますが、マリオシリーズを生み出したゲーム界の神様といわれる人です) が完全な左利き者であり、書字から箸まですべて左なので、彼の言及があったんだと思います。
十字キーとボタンの位置も、これまでのゲーム機以上に左右対称に近くデザインされており、
左利きからみてとても好感の持てるハードになっていると思います。

Posted by: INOUEDO DS | 2005.08.03 at 06:37 AM

INOUEDO DSさま、こちらこそ、はじめまして。コメントありがとうございます。

本当に、そうです。こういう開発者自身の意識は大切ですね。そしてその意図を酌んで製品化する企業の精神というものも素晴らしいものがあります。金儲け主義に過ぎぬという皮肉な考え方をする人もいないではありませんが、それはあまりにうがった見方というべきでしょう。ここはやはり、より多くの人により使いやすくより気持ちよく楽しんでもらいたいという開発者の熱意の表れとして、素直に受け取るべきでしょう。
宮本茂さんにお礼状を出さねばいけませんね!

最近のDS用のソフトのなかで興味を持ったのが、川島隆太教授監修「脳を鍛える大人のDSトレーニング」です。テレビCMで本体を立て使いして右手書きしていましたね。
これも利き手対応はどうかと思って見ていたのですが、やはりきちんと左手書きに対応するように、左右の入れ替えができます。また記事に書いてみようと思います。

こういうところから左利きに対する配慮を社会全体が考えるようになってくれば、と願っています。

Posted by: レフティやすお | 2005.08.03 at 11:19 PM

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