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2004.10.31

将棋界の左利き

10月26日の産経新聞朝刊、将棋欄「棋聖戦」2次予選特選局第5局 丸山忠久九段対行方尚史(なめかた ひさし)七段の対戦の第3譜で、観戦記記者・斎藤哲男氏「左利きの将棋棋士」について書かれていた。
長くなるが引用してみよう。

将棋界の左利きはどうか。実践派の才人ぞろいだ。振り飛車党が多く、居飛車党も定跡形を好まない棋士が目立つ。「読みと理論の右」にたいして「感覚と勝負の左」というのが記者の分類だ。大内延介九段、鈴木大介八段、久保利明八段、山崎隆之五段らだ。本局の行方も左利きである。/右図で行方の左手がつまんだのは7筋の歩。理を越えた魔手だ。自玉の頭の歩をぶつけて戦端を開くなんて10万局に1曲もないだろう。

将棋は日本の伝統文化のひとつで、当然礼儀作法を重んじる。大きな棋戦では、棋士は和服の正装で挑む。
とはいえ、左手指しが嫌われるということは聞いたことはない。
左利きの棋士はたいてい左手で駒をつまんで指す。
ただ取った駒を置く台―駒台は盤の右側に置くことになっている。
これは左手指しの棋士にはちょっと不便で、秒読みにせかされるときなどは不利といえるかもしれない。
しかし、これもそのうち人によりどちらに置いても良いようになるかもしれない。
左利きの人は左に置いたら、と発言する解説の棋士もいるぐらいだから。少なくとも棋士の間では、左利きの左手指しに対する違和感はないようだ。

さて、左利きの棋士として私の記憶に残るのは、大内延介(のぶゆき)九段である。
もうかなり以前になる(1970年代半ば頃?)が、大内九段は一時期各棋戦で穴熊戦法を使って大活躍した。穴熊戦法の著書もある。当時、金銀香桂歩で王様をがちがちに固めるこの戦法はプロではあまり使う人は多くなかった。大捌きをしてもいきなり王手されることのないこの戦法はアマチュア向きとされていたのか、プロ好みではなかったようだ。その戦法をあえて使ったのだから、やはり、「左利き特有の感覚」と言われればそうかもしれないとうなづける。

この大内九段門下には、左利きの棋士が多い。塚田泰明(つかだ やすあき)九段、鈴木大介(すずき だいすけ)八段といった元タイトル保持者や、昨年度の新人王戦優勝の田村康介(たむら こうすけ)五段がいる。
やはり師を選ぶときに左利きということで親近感を抱くのか、性格的にその将棋に惹かれるのか、その辺はお聞きしないとわかりませんが。

80年代後半に大活躍した南芳一(みなみ よしかず)九段はタイトル計7期保持。

他には、伊藤果(いとう はたす)七段、小林健二(こばやし けんじ)九段、あたりが左利きだったと思う。
さらに、真部一男(まなべ かずお)八段、畠山成幸(はたけやま なるゆき)七段、北浜健介(きたはま けんすけ)七段、女流の斎田 晴子(さいだ はるこ)女流四段も左利きだという。

昔は日曜日のNHK教育テレビの将棋番組を見ては、左手指しの棋士をチェックしたものだ。

最後に、今、私が最も期待しているのは関西出身の久保利明(くぼ としあき)八段、昨年度のNHK杯優勝者である。ぜひ羽生世代を追撃して欲しいものだ。

こういう「左利きの将棋棋士」という記録はほとんどないのだが、貴重な資料になると思う。
最近の右脳がどうのこうのと言う研究のサンプルとしてもおもしろいと思うのだが…。

* 参照:将棋豆知識 サウスポー棋士(左手で指す方)

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2004.10.28

左きき専門店「左きき屋」

あれこれ左利きの検索をしていたら、こういう店を見つけました。
今まで気がつかなかったのはこの店の名が「左きき」だったからかもしれません。
ふだん私は「左利き」で検索しています。
最近の検索はこのような違いも何とかしてくれるようですが…。

左きき専門店「左きき屋」、2004年9月1日開店だそうです。

「自分に合った道具で幸せに・・・」というキャッチコピーが気に入りました。

10.25「クツワの左手用学童はさみ」で紹介した「きくやねっと」さんのように店舗を持ちながらネットショップもやっているというのとは違い、「アフィリエイトプログラムによって商品をご紹介しています」、ということで基本的には商品の紹介のみで、後は個別の取り扱い店とのやり取りになる様子。
なるほどこういう方式もあるわけですね。
アフィリエイトなるものは言葉は聞いていますが内容は良く知りません。というわけで、これ以上の詳しい紹介はできかねます。

将来は 『左ききの道具ならなら左きき屋』 といわれるようなサイトにしていきたいと思います。

(原文のまま)とのこと、これからも趣味と実益を兼ねながら、色々と研究を重ねて左利き用品の普及に貢献していただけるよう願っています。
楽チンさん、ぜひがんばってください。楽しみにしています。

(ブログにて「左きき屋の日記」をやってらっしゃるので、トラックバックさせていただきます。)

***
左手での使用や左利きを意識した製品、そしてそれら左右共用もしくは左利き用品を扱う店・会社もどんどん増えています。
楽しみな世の中になってきました。
もっともっと期待しています。

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2004.10.27

右利き用と左利き用のはさみ、どこがどう違うの?

今日もまた「@nifty デイリーポータル・今日のトピック」から。

現在全390クエスチョン・素朴な疑問集 (雑学のすゝめ)

というのがあり、内容を見ていると、

No.376[回答] 右利き用と左利き用のはさみ、どこがどう違うの? (2004.08.17)

というのがあるので読んで見ました。

結局のところ、右利き用の構造と左利き用の構造は、どこが違うのでしょうか?
★利き手が異なるとやはり使いにくいようです。きっと、左右を選ばないはさみもあるのでしょうが、左右の別があるはさみは、構造的にどこかが違うのでしょうね。どこが違うのかな?

既に知っていることが大半ではありますが、気になった点を一言二言書いてみます。

・「左右を選ばないはさみもあるのでしょうが」―右利き(正しくは右手)用と左利き(同じく左手)用とでは二枚一組の刃のかみ合わせが異なるので、「左右を選ばないはさみ」はありえないといえます。
(最近、3枚刃のはさみというのを見かけましたが、これはひょっとすると「左右を選ばないはさみ」となり得るかもしれません。もしご存知の方が見ておられたらご教示ください。)
持ち手部分に関しては、左右対称形であれば右手左手を選ばないものになります。

・「昔から有る裁縫用の糸切りばさみなんかで、紙を切ったりするとその違いが普通のはさみよりはっきり出ますね。」―いわゆる握りバサミというもののことだと思いますが、これは実際に子供の頃―小学校の家庭科の時間で糸を切るのに四苦八苦したことがあります。この例の挙げ方はわかりやすいと思いました。

右手用と左手用のハサミの違いは、刃のかみ合わせが逆であること。
自然に握ったときに親指側とその他の指側でかける力の方向と刃のかみ合わせの方向が一致するように作られているのがそれぞれの使い手に合わせたハサミです。
上の刃が使い手=持ち手の側にあるので、自然な持ち方で切断面を見ながら、たとえば切り取り線を見ながら切ることができます。

逆の手に持つとかみ合わせと力の方向が逆になり、上の刃と下の刃をかみ合わせるのでなく離れさせるようになり、紙を刃と刃の間にはさむだけで切ることができなくなります。

***
ある程度の年配の左利きの人の大半は、小さい頃から苦労しながら、右手用のハサミを使いこなす技を身に付けています。
左手で右手用のハサミを使う人は、刃にかける力の加減を変えて、刃と刃がかみ合う方に確度を微妙に変えて使っています。
そのため、近年のように左手用のハサミが普及するようになっても、その恩恵に預かれない人も出てきます。

右手用を使う時のクセが抜けないため、自然な方向とは逆に力を加え、刃を切れなくさせてしまうのです。
そういう人のために、わざわざ刃は右手用で満ちては左手にあわせたものを組み合わせたハサミが作られています。(「右刃左足」等という呼び名がついている―5/28「左利き用ハサミって?―『とんちんかん道具館』より」参照)

昨今は、左手用のハサミが普及するようになって小さい頃から左手用ハサミで快適に作業できる時代になってきました。

まだまだ色やデザイン的にも、また用途的にも選べる範囲は限られています。
もっと買い物を楽しめるような様々な左手用ハサミが出てくるとうれしいのですが、その点をメーカーさんでも検討していただきたいものです。

***
各種ハサミ製造販売の美鈴ハサミ(株)のホームページには「左手用ハサミ」のページがあり、「左手用のハサミには「柄左手鋏」と「総左鋏」があります。」という解説ページもあります。
ここでは先の右手用との違いの説明もあります。ぜご一読を! (こちらでは、持ち手部分のみ左手用のもの「右刃左足」を「柄左手鋏」、刃も左手用になっているものを「総左鋏」と表現しています。)
また「ハサミの雑学」という勉強コーナーがあります。

さらに、子供用左手用ハサミの老舗レイメイ藤井のサイト
文具製販事業部 > 商品Q&A > はさみ/のり/コンパス/定規 > はさみ
「Q:左利きの人は左利き用を使用した方がよいのでしょうか。」という問に、「左利きの方には左利き用のハサミをお使いになることをお勧めします。」と回答しています。

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2004.10.26

ナショナル松下電工・電動工具

一時期、個人でできる簡単リフォームというのがあちこちのテレビ番組で紹介され、ドリルやドライバーとしてつかえる電動工具が話題になっていたようです。
そこできょうはこんな話題―

@nifty「デイリーポータルZ/今日のトピック」"キレイなモデルさんが電動工具を持っている壁紙集"から。

ナショナル 松下電工・電動工具のサイトには、今月のカレンダー壁紙をダウンロードできるサービスがあります。

このモデルさんが左手に工具を持って構えています。
たいていの人は利き手で扱うことが多いので、ちょっと目を引きました。

過去の壁紙もあるので見てみますと、半分の10点中5点が左手で持つか左構えでした。
モデルさんの違いかと思って見ましたが、そのようでもありません。

単に、右手でも左手でも使えます、というデモンストレーションでしょうか。

壁紙のモデルさんのことはさておき、本体は電池式のようですので、コードが邪魔になって左手では使いにくいということもないので、これも左右共用品といえるようです。

どういう理由にせよ、このような左利きを連想させる左手使いの絵を見せてもらえるのは、左右共存社会の実現をめざす私としては非常にうれしいものです。
ぜひこれからも続けていただきたいものです。

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2004.10.25

クツワの左手用学童はさみ

週末に85周年をうたうセールを開催中の某スーパーを訪れた際、文具売り場で偶然見つけたのがこれです。

kutuwahh.jpg
「黄色の取っ手の左利き用のはさみ」です。
さっそく以前問い合わせのあった左利き用品のネットショップ「きくやねっと」のひろおさんに連絡しました。

*「きくやねっと」のひろおさん=7.26記事「朝日新聞7.24「疑問解決モンジロー/左利きは生活しにくい?」」で、登場する神奈川県相模原市の文房具店「菊屋」のチーフ浦上裕生さんのこと。
*「きくやねっと」="大きな声で応援します! <(゜◇゜)ノ 左利き! ☆いろんな左利きグッズ売ってまぁ~す☆"というインターネットで左利き用品を販売しているお店、新聞記事にもあったように、ハサミ・定規・カッターなど文具から包丁・缶切・急須などの台所用品まで色々扱っている。

実は、先週、ひろおさんから9.29の記事「サンスター文具の幼児向け左手用ハサミ」で紹介した商品の品番や、「黄色の取っ手の左利き用のはさみ」について知らないかという問い合わせをいただいていたのです。

なにやら「かわいい左利き用のハサミ」をさがして、「黄色の取っ手の左利き用のはさみ」がほしい、というお客様からの問い合わせが多いというお話です。

そのときは、サンスター文具の3点の品番と、「黄色の取っ手の左利きのはさみ」としては、『レフティやすおの左組通信』「左利きphoto gallery〈HPG3〉左手用(左利き/左きき用) はさみ・ハサミ・鋏(SCISSORS FOR LEFTHADERS) コレクション」で紹介している長谷川刃物の商品を―それしか知らなかったので―お知らせしました。

そして今回この商品、クツワ株式会社「左手用学童はさみ」品番:SS102L-380 にめぐり合ったというわけです。

これは、クツワのサイトにある
カバー付学童はさみ
本体価格380円(399円税込)
本体:H130×W62×D8mm、30g
特徴:刃とハンドルが分別できます
  :刃の先端が丸くなっており安全
  :カバー付
  :左右対称形のハンドルなので握る方向を選びません
  :名前シール付      
品番:SS102S

「左手用」版と思われます。残念ながらサイトには出ていません。

黄色い取っ手で透明の黄色いカバーがついていて、先丸で安全ですし、とってもかわいい感じに仕上がっています。
価格も右手用と同一価格になっています。

包装の裏面の「使用上の注意」を見ると、

・このはさみは左利き用です。
・左利き用ですので右利きの方がご使用される際は切りにくい場合があります。

という断り書きがあり、親切です。

同様に「右手用」にもこのような表記があるのでしょうか。(私が見た範囲では、どうも「右手用」にはこのような注意書きはないようです。)
もし昔から「右手用」にもこのような表記があれば、私が子供のときに感じたようなつらい思いはしなくてすんだかもしれません。
(* 2.26「ハサミで困った思い出」

惜しむらくは、「このはさみは左手用です。左手の自然な動きで使うように作られていますので、右手で使用する際は切りにくい場合があります。」という表記ならばもっと良かった―私の考えに沿ったものになる―と思います。一般向けの表記としては「左利き用」という方がわかりやすいだろうという考えに基づくものでしょうが…。

子供用のハサミはたいていどの会社も、「左手・ひだりて用/右手・みぎて用」の表記があり、それぞれ同一価格で提供しています。
これは慣れてしまえば一見当たり前のようですが、なかなかできないことではないでしょうか。売れる数量と比較して作って流通させる手間を考えるなら、単なる儲け主義ではできないと思います。

クツワは、左利き対応をうたった逆打ち目盛りを併記した定規を各種出していましたが、はさみも最近出したのでしょうか。それとも以前から出ていたのでしょうか。
ひとつ問い合わせしてみようと思います。

kutuwahj.jpg
*「右利き左利き両対応」の表記があるクツワの定規=右から始まる目盛りが併記されている。
左手で線を引くときは右から引くが、今何センチかいちいち引き算する必要がない。

クツワのサイト:定規のページ

今後ともこのような左手用、もしくは左利きに対応した商品―ハサミのように左右対称にできないもの、使う手を限定するものでは専用品、そうでないものにはユニバーサル・デザインの共用品を、各メーカーさんには開発し提供していただきたいものです。

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2004.10.24

「レフティやすおのお茶でっせ」ココログブックスコンテストに応募

今ココログでは、ココログブックスコンテストなるものを開催中です。あなたのココログを本にします、というコンテストです。

優れたココログを広く公募のなかから発掘し、活躍の場を提供するものです。ココログを作っている方ならどなたでもご応募いただけます。
・・・ココログブックス賞に入賞した方のココログは、プロの編集者の手により書籍化され、書店に並びます。

選考基準
・オリジナリティがよく出ているもの
・ブログならではの機能に関心が高く、コミュニケーションに積極的なもの
(すべてを満たすことが条件になるわけではありません)

さて、私のWeblog「お茶でっせ」がこの基準を満たすかどうかは別にして、もし万が一奇跡が起こり本になったとしても、残念ながら売れるかどうかは大いに疑問です。
左利きをメインテーマとする本が売れるとは思えないからです。
以前の記事にも書いたように左利きの問題に興味を示してくれる人はたいてい左利きの人か、もしくは左利きの人が身内にいるか親しい友人に持つ人ぐらいです。
購読者数となるとさらに絶対数が少なくなり、非常にコアな人たちにしか売れないでしょう。
左利きの問題は、一般的な興味の対象としては認められていないというのが現状です。

かつて比較的売れた左利きの本といえば、大手出版社が自社の週刊誌にセンセーショナルなタイトルでキャンペーンを張ったという感じの宣伝をして、大いに話題を集めた某がある程度です。
いまだにその影響が伝説のように語られています。(といえば左利きについて詳しい方は十分お分かりでしょう。また勘のいい人は「あっ」と思い当たることがあるでしょう。)

しかし私のWeblogは、オリジナリティはよく出ていると思いますので、一人でも多くの人の目に触れる努力の一環として応募してみようと思います。
左利きの問題を広く知らしめるという意味でも、ぜひチャレンジしてみるべきでしょう。

ノミネート作品にも将来的な書籍化のチャンスがあるかもしれません。

ということですので、非常に少ない可能性ではありますが、昔から左利きの本を出してみたいと考えている私ですので、ここはひとつ勇気を出して応募してみます。

皆様も応援のほど、よろしくお願いいたします。

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2004.10.20

スパゲッティを食べる時は右巻きそれとも左巻き?

今回は、日常ふと感じた疑問のお話。

スパゲッティを食べていた時のこと。
ふと気付くと、「左回り」(自分から見て反時計回り)にフォークを回してスパゲッティを巻きつけて食べていました。
「左巻き」です。
「これって、利き手に関係あるのかなぁ?」と言うのが、その時に感じた疑問です。
確かに手の動きを考えると、左利きの人では手首ならびに指の回転の向きとしてはこの方が都合が良いように思えます。

右利きの人で言うと、「右巻き」です。
ネジの回転方向を見てもわかるように、この向きの方が右利きの人には都合がよさそうです。

何気なく周りの人の様子を見ていると、左手でフォークを持つ人(多分左利きの人でしょう)は左巻きにしています。
やはり利き手に関係があるのでしょうか。

ところが右手でフォークを持つ人(多分右利きの人?)でも「左巻き」にしている人がいました。

うーん? わからなくなりました。

ネットで調べてみると―
「Kohfuh's Lab:あれやこれや068」に、

その場の3分の1が「本人から見て左巻き」で、残りは「本人から見て右巻き」でした。また、念のため利き手を確認しましたが、「利き手」と「巻く向き」の左右は無関係だったのです。

―と、ありました。

この方の調査でも「左巻き」は少数派のようです。でも「利き手とは無関係」ということですが、確かめてみる価値アリかも。

私も今度、うちのサイトのアンケートで調べてみましょうか。
さてどんな結果が出るでしょうか。
楽しみになってきました。

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2004.10.18

偕成社文庫版ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』と映画『80デイズ』

偕成社文庫版(小学校高学年以上向け)のジュール・ヴェルヌ『神秘の島』(全3巻)が、9月に出ました。


先に同文庫に収録されている『二年間の休暇』(上下全2巻―『十五少年漂流記』の名で有名な作品の原題の邦訳題名)、『海底二万里』(上中下全3巻)同様、大友徳明氏による完訳版で原書の挿絵付(ただし今回はすべて収録できなかったようです。)

ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』の邦訳書は、児童書では福音館書店版のハードカバー全2巻本があります。
過去には、集英社コンパクトブックス版(上下全2巻)―この作品を原作とする海外ドラマがNHK教育テレビで放映された際に、集英社文庫〈ジュール・ヴェルヌ・コレクション〉に『ミステリアス・アイランド』上下全2巻で収録―や、抄訳で角川文庫版『謎の神秘島』(はじめて読んだのがこれ!)がありました。


福音館書店版はきれいな本で、原書の挿絵もすべて収録されているという立派なものですが、その分お値段も張る上活字も小さめで本も重く、気軽に読むにはちとつらい感じは否めませんでした。
こちらは、一冊が700円(本体のみ、税込735円)とお手ごろですし、ソフトカバーの軽装なので気軽にどこでも読めます。挿絵も楽しめて、子供だけでなく、ヴェルヌ・ファンの大人も十分堪能できそうです。解説も丁寧で新たな発見があって楽しめます。

巻頭、嵐に流される気球に乗った男たちのやり取り―今も昔読んだときのこの場面の印象が頭にくっきり残っています。
謎に満ちた無人島に漂着した男たちの物語。いわゆる漂流ものの傑作冒険小説です。

来年は没後100年ということですので、ここまできたら、今年復刻版が出た『グラント船長の子供たち』(7.2記事「復刊された『グラント船長の子供たち』」参照)ですが、これも偕成社文庫から大友先生の手で完訳版・原書挿絵付の本を出して欲しいものです。
そうすれば、『海底二万里』『グラント船長の子供たち』『神秘の島』と3部作が出揃うことになります。
ぜひ、よろしくお願いいたします。

ちなみに現在本屋さんでは、映画『80デイズ』の封切りにあわせて、原作の『八十日間世界一周』の文庫本が映画の帯付で平積みされていたり、関連でヴェルヌの他の既刊本も併置されています。この機会にぜひ一度ヴェルヌの作品をお読みください。

子供のときに『十五少年漂流記』ぐらいは読んだことがあるという方も少なくないでしょう。見てから読むか読んでから見るか、ぜひヴェルヌの"驚異の旅"の世界をお楽しみください。

そしてもっともっと多くの作品があります。どれもこれも非常におもしろい、そしてちょっと考えさせる部分もある名作ぞろいです。
せっかくの機会ですので、豊かな空想力にあふれるヴェルヌ作品のあれこれにふれてみてください。

*** 私のおすすめヴェルヌ作品(現行本から) ***
『八十日間世界一周』岩波文庫(原書挿絵多数入り)、創元SF文庫
『地底旅行』岩波文庫(原書挿絵多数入り)、創元SF文庫、(児童書)偕成社文庫
『海底二万里』岩波文庫(原書挿絵多数入り)、創元SF文庫、角川文庫(原書挿絵数葉入り)、(児童書)偕成社文庫
『二年間の休暇』/『十五少年漂流記』創元SF文庫(原著挿絵数葉入り)(児童書)偕成社文庫
『神秘の島』(児童書)偕成社文庫


*** 私のヴェルヌ作品お気に入りベスト3 ***
1 『アドリア海の復讐』(コンパクトブックス版はなくしたけど、文庫版を持っていますが、ぜひ復刊を! ヴェルヌ版『モンテクリスト伯』)
2 『地底旅行』(最初にふれたヴェルヌ作品、巨大きのこの森を歩む一行の挿絵が記憶に焼きついている!)
3 『悪魔の発明』(昔読んだきり。本をなくしたので、ぜひ重版を!)

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2004.10.16

アンケート第6回「生まれ変わってくる時は右利きor左利き?」結果発表

報告が大幅に遅れていましたが、結果発表です。

実施期間2004.7.18-8.14(4週間)
投票総数:25

1右利きの人やはり右利き
2 〃 今度は左利き
3 〃 どちらともいえない
4左利きの人左利き(の人)14
5 〃 今度は右利き2
6 〃 どちらともいえない6

投票総数が多くないので、右利きの人に関してはなんとも言いかねますが、少なくとも左利きの人においては、圧倒的に「左利き」を選ぶ人が多かったといえます。
およそ三分の二の人が「左利き」を選んでいます。

大なり小なりそんれぞれの人が今まで歩んできた自分の左利きの人生に不便さや不満を持っていながらも、来世でも「左利き」を選ぶという事実は何を意味しているのでしょうか。

もちろん人それぞれの考えに裏打ちされたものがあるのでしょう。一概にどうこういうことはできません。
しかし、何か重いものを感じます。
自分の人生を肯定的に捉えている、あるいは捉えたい結果ではないでしょうか。
少なくとも否定的に捉えたくないという現れでしょう。

一方で、「どちらともいえない」という意見も無視できない数字になっています。
やはり現実の生活の中での左利きの不便さや左利きに対する過去の偏見や差別というものが尾を引いて、できるものならそれらと無縁な人生を望むという気持ちもないわけではない、という迷う気持ちが出ているのでしょうか。

特に、かつては左利きの子に対して、箸使いや字を書くことを中心に左手使いをやめさせて右手を使わせる行為が「矯正」*と呼ばれて、「当然のこと、正しいこと、躾の一環」として行われてきました。子供が本来もつ固有の自然な性質を無視して、人為的な変更を強要して来ました。その結果多くの子供が泣かされてきたことは事実でありながら、子供の将来のため、という言葉で擁護されて今日まで、その影響は連綿と続いています。

この行為に対する反発も左利きの人の中には少なくありません。それが左利きに対するマイナスの評価になり、来世における利き手の選択にも迷いを与えることにつながっているのではないかと考えられます。

私自身も、「左利き」に投票しましたが、これは左利きである自分自身に対する一種の「エリート意識」「選民―神に選ばれた人―意識」といったものを刺激するという側面もあります。また、単純に今まで左利きとして生きてきた自分の人生を否定したくないという気持ちの表れでもあります。

誰だって自分の人生を無意味なものと考えたくはないでしょう。
だからこそ来世においても有意義な価値ある人生、楽しい素敵な人生を望んでいるのではないでしょうか。

そこでは、もうひとつの可能性も追いかけたい気持ちもあるけれど、もう一度この人生を立派に生き抜いてみたいという気概もあるのではないでしょうか。



*注 「左利きの矯正」については、「レフティやすおの左組通信」 「私論2」を参照してください。

私は「矯正」という言葉を使わないようにするべきだ、と考えています。用語として明らかに誤りであるからです。
もっと簡単に「右手を使う」「右手使いする」といった表現で十分です。
「右手を使わせてみよう」という試行の場合は、そのまま使うか「右手使いを試みる」で良いのではないでしょうか。
「正しい」「直す」といった意味を持つ「矯正」という言葉を「左利き」に適用することは不適切なことです。
「左利き」に対する正しい理解を持たない人に、誤った印象を与えかねません。
「矯正」の言葉の意味を十分理解せずに、単に「変更」の意味で「“左利き”に対する熟語」として使っている人もみかけますが、これも問題です。
誤解を与えぬよう、言葉は正しく使いましょう。


*アンケート詳細については、「レフティやすおの左組通信」「左組通信3」をご参照ください。

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2004.10.15

恩師の投稿

もう旧聞になってしまいましたが、小学校時代の恩師の投稿が9月末の産経新聞朝刊、読者のお便り欄「談話室/高齢社会」に掲載されていました。
こうして紙上で拝見するのは3度目ぐらいでしょうか。
年賀状の交換をする以外にはまったく無作法していますので、お元気なご様子がうかがえてうれしく思いました。
教員を定年退職されてからも充実したセカンドライフを過ごしてらっしゃる様子が伝わってきて、こちらも楽しくなってきます。

本来ならお手紙のひとつでも出せばよいのでしょうが、ついつい不精してしまいます。どうもすみません。
また年賀状でご挨拶いたしますので…。

私もこのように楽しいセカンドライフがすごせる仲間ができればよいなと思いました。
これからも素敵な出来事のあれこれを紙上で拝見できることを楽しみにしています。
いつまでもお健やかであるようにと心よりお祈りしています。

*
先生の思い出は色々ありますが、中でも今の私に直結することといえば、やはり本のことでしょうか。
私が今日このように本を読むのが大好きになったのは先生のおかげです。ありがとうございました。こうして文章を書くようになったのもその延長でしょう。

授業中に読み聞かせてくださった児童文学のあれこれ。
そして夏休みにこんな本を読んでみようと渡されたプリント。
その中から父と兄が買ってきてくれた本が、今も私の本棚に残っています。考えてみれば、この本が私のその後の読書傾向を決定したのかもしれません。

さて、その本のことはまたの機会にお話しするとして、本日はこれまで。

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2004.10.12

慣れと適応は左利きの敵?

左利きの人で「左利きだからといって特に不便を感じない」という人がいます。

実際には左利きの人は、右利きの人と同じレベルで、同じ快適さで暮らすことはできません。さまざまな分野で微妙に不便を強いられています。煩雑になるので逐一例を挙げることはしませんが、ごくごくささいなことから非常に重大と思えることまで、日常の生活の中でいやというほど出会っています。
(くわしくは2.21の記事「左利きのここが不便、ここが不満」「レフティやすおの左組通信」表紙で実施している左利きアンケートの第2回「左利きで困ったこと(物理的バリア編)」、その結果発表と意見をまとめた「左組通信2」〈2004年4月〉などをご覧ください。)

(もちろん、この「右利き社会」も万全ではありません。まだまだ右利きの人にとって完全なものにはなっていないようです。右手一本で生活するには不便な要素はまだ残っているでしょう。左利きの私にとっては幸いな面もありますが…。)

とはいえ、私自身もそうそういつもいつも不便で不便で仕方ないと思って暮らしているわけではありません。
しかし、それはかなりの左利き用品を持っていること、自宅などでは左利きの自分に合わせて配置を工夫している事など、自分でできる範囲の改善を施していることがひとつ。
さらに周りの人が私の左利きを知っていること、それなりの年齢に達したことで周りの人が左利きについてあれこれ差し出口を挟むことが少ないことなど、が理由として挙げられるかもしれません。

そしてもうひとつの理由としては、日常生活においてある程度「右利き社会」に慣れていることがあるでしょう。

そこで問題になるのは、この慣れ、状況への適応です。

これは生きてゆく上でこれは非常に大切な要素ではあるのですが、行過ぎると進歩を止めることになるように思われます。
人は不自由であるがゆえに、それを克服しようと物事を改良し、文明を進歩させ、人類という種を進化させてきたのではないでしょうか。

たとえば道具―。
左利きで不便だから、なんとかしようと左利き用品を作ってきたのが、西洋の発想ではなかったか、と私は思うのです。
しかし日本人は手先が器用といわれます。それゆえに、いろんな道具を工夫するより、得意な手先の動きでカバーし、それぞれ用途に応じた道具をこしらえるという作業をしてこなかったのではないでしょうか。
いや、それ以前に形式にこだわるゆえに、周りとの調和に気を使うゆえに、自分を殺し、周りの標準に合わせてきたのではないでしょうか。利き手に合わせるのでなく、使い手を合わせて来た。(合わさせられて来た?)
右へ倣え、してきたのではないでしょうか。長いものには巻かれろ。和を持って尊しとなす。…。

また、左利きの人にこういう意見があります。

生れてきたときからそうだったから、特に不便を感じない。そういうものだと思っていたから、不便だとは思わない。
―というものです。

私はこの意見を一方的に否定するものではありません。そういう面があることは確かに事実であり、この認識も有用なものです。
しかし、ある意味で非常に不幸な人だな、とも感じます。

たとえば、洗濯機を知らない人が、たらいと洗濯板での毎日の手洗いに不便を感じるでしょうか。
ずぼらな人は、もう少し何とかならないかと思うかもしれませんが、まじめな人はこれが正しいやり方と思って、何も不便を感じないかもしれません。
しかし、洗濯機を知っている人には、つらい仕事に映るかもしれません。

同じように、右利き用の道具を使って生活することに慣れている右利きの人は、言ってみれば「洗濯機で洗濯する人」です。
一方、左利きの人は「洗濯板とたらいで洗濯する人」です。慣れているから不思議に感じない。不便さを感じない。
さて、この人は幸せなのでしょうか。不幸せなのでしょうか。

私は「貴方は不幸せな人だ」と教えてあげたい。「洗濯機をいうものがあって、これを用いればずっと楽に手をかけずに済むのだ」と教えてあげたい。

道具の持つ機能の素晴らしさ、左利きにあった道具を使うことで得られる快適さを教えてあげたい。
右利きの人たちが自分にあったものを使い、自分にあった構造の社会でいかに快適に生きているか、を。

ところが、当の右利きの人の中には、その自分が置かれている快適な状況に気付いていない人がいる。それが当たり前だと思っている人がいるのです。
先人がいかに苦労して作り上げたのかに感謝することなく、無条件に受け入れている。
一方で、そういう自分の幸運を棚に上げ、左利きの人の不平の声に対して甘えるなという人もいるのです。
なんと矛盾したことでしょう。
中には、左利きだからといって左手を使うのではなく、右手を使って慣れれば良い、という右利きの人もいます。

奢れる者は久しからず、というのですが、さてどうなるものやら。当分右利きの天下は動かないようです。

慣れ、適応は大事な人間の能力ですが、それのみに頼るのは人間として生きる方法としてはレベルが低いと思います。
自分を慣らすことより大事なこともあるということをもう一度確認しておきたいと思います。

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2004.10.09

第9回左利きアンケート「左手(左利き)用ハサミを知っていますか」のお知らせ

サイドバーでも紹介していますように、私のもうひとつのサイト「レフティやすおの左組通信」では左利きアンケートを実施しています。

10月10日から実施する今回は、左利きの友とも言うべき左利き用品の中でも最もポピュラーな左手・左利き用ハサミについての認知度調査です。

***
左手(左利き)用ハサミを知っていますか

左利き用の道具として最初に手にするものはハサミではないでしょうか。
昨今では、保育園や幼稚園、あるいは小学校などでハサミの購入に際し、右手用と左手用のどちらかを選択できるそうです。
「お茶でっせ」の記事「サンスター文具の幼児向け左手用ハサミ」や「左組通信」の「左利きphoto gallery〈HPG3〉左手用(左利き/左きき用) はさみ・ハサミ・鋏 (SCISSORS FOR LEFTHADERS) コレクション」でも紹介したように、色々な「おけいこハサミ」なるものも発売されています。
私が左利きの人のためのハサミ、左手用のハサミの存在を初めて知ったのは、箱崎総一氏の「左利き友の会」が新聞などに取り上げられて話題になった、1971年頃のことと記憶しています。
しかし、実際に手にしたのはさらに20年が過ぎた1991年のことでした。思い出話はこれぐらいにして、本題に。

貴方は左手用/左利き用のハサミを知っていますか、使ったことがありますか、持っていますか。
以下の中から最もふさわしいものをひとつ選んでお答えください。
(持っているが使っていない場合でも「3持っている」に投票してください。認知度についての調査ですので、使用状況を調べるものではありません。買った時点では知らなかった―間違って買った―場合でも「持っている」状況では、「知っている」より上の認知度と判断します。)

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。ご自身でご自分の利き手をどちらか判断した上で投票してください。

*一言言わせて、というお方は投票後に表示されます一番下の「ご意見ボード」をご利用ください。もっと言わせて、というお方は掲示板もご利用ください。貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1 (右利きの人)知っている
2 (  〃  )使ったことがある
3 (  〃  )持っている
4 (  〃  )知らない
5 (左利きの人)知っている
6 (  〃  )使ったことがある
7 (  〃  )持っている
8 (  〃  )知らない


*** 過去に実施したアンケート *** 
(結果報告、投票者のご意見へのコメントなどは「レフティやすおの左組通信」内のそれぞれの「左組通信」1~4のページをご覧ください。)

第1回 左利きイメージ調査 *〈左組〉「左組通信」〈2004年3月〉

第2回 左利きで困ったこと(物理的バリア編) 「左組通信2」〈2004年4月〉

第3回 左利きの子に右手使いを試みるか否か 「左組通信2」〈2004年5月〉

第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか? 「左組通信3」〈2004年6月〉

第5回 左利き?と思うのはどんな仕草ですか 「左組通信3」〈2004年7月〉

第6回 生まれ変わってくる時は右利きor左利き? 「左組通信3」〈2004年7-8月〉

第7回 左利きでも字は右手で書くべきか? 「左組通信4」〈2004年8月〉

第8回 左と右を間違うことがありますか 「左組通信4」〈2004年9月〉

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2004.10.08

イチロー、松井と左利き

シアトル・マリナーズのイチロー選手(大リーグシーズン最多安打新記録達成おめでとう!)も、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手(地区第一位、プレーオフ進出おめでとう!)も共に右利き(どの程度のものかは存じませんが)で左利きではありません。
では彼らと左利きの関係は?

大リーグで活躍する二人の共通点は、右投げ左打ちの選手だということです。
一般的に見て大多数の人は、右利きの人では右投げ右打ち、左利きの人は左投げ左打ちです。ところが彼らは右利きであるにもかかわらず、左打席に立ちます(守備側から見て向かって左側)。

左打ちは一塁に近い、右投手のボールの出所が見やすい(右利きが多いので当然右投手が多い)等の理由から右打席より有利といわれています。歴代のプロ野球の首位打者にも左打ちの選手が多数名を連ねています。王、張本両選手など。
そこで右利きでも左打ちをマスターして、好成績をあげる選手が出てきました。そういう選手の代表格がイチローであり松井秀喜選手です。もちろん他にも何人もの選手がいます。昨年二千本安打を達成した中日の立浪選手や二年連続パ・リーグの首位打者になった小笠原選手など。

彼らをまねて、左打ちをマスターしようとする右利きの子供たちも増えているでしょう。なかには日常の生活から徹底的に左手を使うように心がけるという場合もあります。
そういう子供たちの中には、左利きの子にあこがれを抱いたり、左利きをカッコイイと考える子もいるようです。

こうして左利きに良いイメージを抱くようになる、好都合な現象が起きつつあるのだとすれば、これは非常に喜ばしいことだと考えられます。

しかし、もう一方では、彼らが右利きであるにも関わらず有利とされる左打ちをマスターするために努力したように、左利きの人も右利きにあわせる努力をするべきだ、そして右利き優先の社会における右手使いの便利さを享受するべきだと考える人もいます。
極言すれば、やれ右利き優先社会だ、右利き偏重社会だと不平不満を言う前に、自ら進んで右手を使う努力をして自己変革するべきだ、ということでしょうか。まあ、そこまで言う人はまずいないでしょうが…。

たとえば、習字のような字を書く技術において。
字は右手で書きやすく作られている。右手で書く方が自然な動きで書ける。だから右手の方がきれいな字が書ける。
イチローや松井が努力したように、左利きの子も左手で字を書くのではなく、右手があるのだからこれを鍛えて右手で書く練習をすれば良い、というのです。

確かにイチローも松井も、あるいはその他の多くの右利きの選手が左打ちをしています。
ところが、みんながみんな左打ちをしているわけではありません。
いくら左打ちが有利とわかっていても右打ちを続ける人もいます。
そして好成績をあげている選手もいます。清原、古田、城島、中村紀、谷選手などいくらでもいます。左打ちの選手に負けず劣らず多いのではないでしょうか。
どうしてでしょうか。
また、毎年この時期になると年齢的なことや成績によって辞めていく選手がいます。そんな選手の中には成績を上げようと左打ちを練習しながらもものにできずに終わった人もいるかもしれません。

イチローや松井がすごいのは、やはりそれだけの努力に見合う才能があったからではないでしょうか。右利きだけれど左打ちができる才能を持っていたのでしょう。
そういう持って生れた才能があって、さらに努力を重ねた結果としてあれだけの成績を残しているのではないでしょうか。

誰でもイチローや松井になれる、と考える方が人生は楽しいでしょう。
しかし、みんながみんななれるものではない、というのが現実です。
人は持って生れた才能を最大限に発揮して、生きてゆくべきだと思います。
右利きは右利きとして、左利きは左利きとして。

もちろん可能性を否定するものではありません。試みることも大事なことでしょう。それは個人の自由です。本人が決めることです。

しかし、子供たちにとってあこがれの的であるイチローや松井を手本に挙げて勧めるのはどうでしょうか。
ちょっと卑怯な気がします。
単に自分に都合のいいように利用しているだけでは、とも考えてしまいます。
こういう論議に使われていることを知れば、結局、本人たちが一番困惑するのかもしれません。

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2004.10.07

人気メルマガ「親力で決まる子供の将来 」が本に

こちらでも紹介したことのある現役小学校教師の親野智可等氏の子供の教育を考える親(人)のためのメルマガ「親力で決まる子供の将来 」が本になりました。
(5.11「現役小学校教師がメルマガで取り組む左利き問題」

「『親力』で決まる!」・・・(宝島社/税込1,470円)

版元宝島社のホームページ「『親力』で決まる!」

発売記念の特典付きキャンペーン実施中だそうです。→親野智可等氏のホームページ

本ですから、いつでもどこでも好きなときに好きな場所で、読むことができます。

「本なら、データが消えることはありません。本なら、半永久的に残ります。」
「あなたにとって大切なところに線を引いて、書き込みをして、繰り返しお読みください。」
「直接言えないとき、この本を読んでもらえばよいのです。そうすれば、角が立ちません。」

とあります。まさにその通り。

「読者10000人のメルマガの本ですから、初版は即売り切れの可能性が大きいとのことです。ぜひ、キャンペーン中にお願いします。」

巻末に直木賞作家の重松清と親野智可等両氏の対談が収録されていて、そこには親野智可等氏の顔写真も掲載されていてお顔を拝見できます。

アマゾンが初回注文した分の本は既に完売したそうで、急遽追加するようです。
私の近くの本屋さんにありました。大手書店では平積みしているそうです。
一度、手に取ってみてください。

子供の教育というとなかなかむずかしいものですが、さすがベテランの現役小学校教師らしく今すぐ実行できるヒントがいっぱい詰まっています。高尚な理論も大事ですが、今実際に子育ての真っ最中の人にはこういう実技を教えてくれるものが良いと思います。

気楽に読んで、心に残ったことから始めてみれば良いでしょう。
子供の事だけではありません。まず大人が変わらなければ子供は変わりません。
私たち大人から襟を正し、真剣に人生と取り組んでゆきましょう。

*
残念ながら、「左利きを右利きにする必要は、一切ない。」の項目は今回の本には収録されていません。
次の本に期待したいものです。

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最近4ヶ月で一万件

カウンターの再設置から4ヶ月と6日(128日目)で1万件に達しました。初の5桁突入です。これぐらい一日でクリアーするサイトもあるそうですし、一時間でという場合もあるようです。上を見たらキリがないので止めましょう。

最近は一ヶ月2500件という感じです。とはいえ、半分以上は更新のない日に記録しているようで、「期待族」がカウントを上げているだけかもしれません。

アクセス解析もしてませんのでくわしい状況もわかりませんし、実際のところはまったくわかりません。

まあ、自分としてはカウントが上るのはうれしいので、気分良く更新を続けています。

本来は左利きの話題オンリーではなく、半分ぐらいのつもりでした。現時点では4分の3ぐらいが左利き関係になっています。
これからは少しずつそれ以外のものを増やしてゆくかもしれません。一度考えたことがあるのですが、将来的には、分離するかもしれません。まったく将来は不確定です。ただ、のんべんだらりであってもいいから、末永く続けて行けたらいいなぁとは思っています。

書きたいことが少したまってきました。
新カテゴリでの再編をいったん置いてとにかく新記事を書くことにします。

では、これからもお付き合いのほどを、よろしく!

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2004.10.06

トンボ鉛筆「もち方器具 はしのおけいこ 両手用」

7月26日の記事「朝日新聞7.24「疑問解決モンジロー/左利きは生活しにくい?」」で紹介した、朝日新聞7月24日朝刊「疑問解決モンジロー」の記事内で、9月から発売するとあったトンボ鉛筆「もち方器具 はしのおけいこ 両手用」「株式会社トンボ鉛筆」のホームページに出ていました。

HOME>商品情報>カテゴリで探す>学用文具→知育文具>

品名:もち方器具 はしのおけいこ 両手用  品番:NI-HELR 税込価格:472 円(本体価格 450円)。 商品説明:はしを正しく持つための練習具。はじめてはしを持つお子様も楽しく練習できます。「右手・左手」両用タイプにリニューアル。


写真を見たかぎりでは、二本の箸をつなぐブリッジの裏表で左手用右手用と使い分けるようです。薬指に固定して使う方の箸の側にも補助具がついてさらに持ちやすくなったように見受けられます。

実物を手にしていないのでこれ以上のくわしいことは書けませんが、何かの参考になれば幸いです。

9月4日の記事「幼児用「ベビーレーベル はじめてサポートおはし」右利き・左利き両用」でも書きましたが、こういう製品が各社色々と出て来ることは、心強いものがあります。
各社が競い合うことでより良い商品が生れるでしょうし、より多くの人の目にふれる機会が生まれます。
そして、左利きは左手を使えばよいのだという当たり前のことが当たり前のこととして認められるようになって行くことでしょう。

以前から出ているのはこちら―

* はしのおけいこ NI-350HES
税込価格:367 円(本体価格 350円)
商品説明:器具を使って正しいはしの持ち方、使い方が学べる練習具です。かわいいサカナとアヒルの消しゴムではしの使い方を練習しましょう。・はし・スチロール 消しゴム・合成ゴム

***
ちなみに、左手で字を書くときの鉛筆の持ち方を練習する器具「もちかたくん」の左手用も、この「学用文具」の「知育文具」のページに掲載されています。

* もちかたくん 左手用 ND-KESL 税込価格:126円(本体価格120円) 商品説明:左手用のえんぴつの持ち方練習具です。本体・エラストマー
* もち方器具 もちかたくんユビックス左手用 ND-KESYL 税込価格:367円(本体価格350円) 商品説明:えんぴつを正しく持つための練習具(左手用)。もちかたくんは、鉛筆を持つときの正しい指の位置が覚えられます。ユビックスは、筆記具を持つときの正しい角度(60度)が覚えられます。

** 過去のお箸に関する記事 **
2004.9.4 幼児用「ベビーレーベル はじめてサポートおはし」右利き・左利き両用
2004.1.25 正しいお箸の持ち方
2004.1.11 たかが箸されど箸左手(使い)用箸

追記※お箸に関する最新記事
2005.07.31 お箸の正しい持ち方に関するあれこれ  「お茶でっせ」版、 「新生活」版
―正しい箸の持ち方に関するリンク、簡単な持ち方説明、左利きにおける箸使いなど。

追記※2005.5.30、左手・左利き用お箸、しつけ箸(練習用箸)のページを作りました。
―『レフティやすおの左組通信』「左利きphoto gallery〈HPG5〉 左手/左利き用お箸・しつけ箸(練習用箸)」

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2004.10.05

書けない理由

ここ何日か記事が書けません―というか、書いてません。ネタがないというわけではなく、時間が取れない状況です。
裏返して言えば、どうしても今日書かなければならないものがない、とも言えます。

前回10.1「新規カテゴリで左利き記事を整理する」で書いたように、目下新カテゴリを適用中ですが、ついでに一部の記事で誤字など気になる部分を修正したり追加を入れたりしているため、思いの外はかどっていません。

さらに、最近の古本屋めぐりで手に入れた10冊あまりの本を読む作業もあります。半分は既読のもので、残り半分が未読。とはいえもう一度読んでみたい物もあります。

ここ数日はイチローのニュースを見てばかりいました。(イチロー選手、大リーグシーズン最多安打新記録達成おめでとう! 輝く262安打。3年ぶりの二度目の首位打者獲得も重ねておめでとうございます。)
イチロー、と松井秀両選手についても書いてみたいことがありますが…。(言いたいことの予想はつく、って? まあそうでしょうね。前からの読者の方なら、ね。)

そんなこんなでどんどん時間がたってしまいます。
新たにやりたいこともあるのですが、それもほったらかしになっています。

言い訳ばっかりでいいわけ? とか、こんな下らぬことを書いてる間に何か書けよ、と叱られそうです。

とりあえずはそういうことで…。

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2004.10.01

新規カテゴリで左利き記事を整理する

左利き関係の記事が百本を越えたので、少し整理してみようとカテゴリーを新設してみた。まだ全記事を整理して適用していないが、順次再設定してゆくので、少しはバックナンバーが見やすくなる、予定なんだけど…。

今までは「左利き」という言葉が入っていれば、基本的に「左利き」でくくってきた。さらに別のくくりをして記事を選びやすくしたい。

▼左手・左利き用品 
▼左利き関連本 
▼左利きアンケート 
▼左利きを考える 

とりあえずこんなところか。

他には ▲左手活用法 も用意しておこうか。

これでだいぶ見やすくなるかもしれない。
今後とも少しずつでも気がついたことから改良してゆきたい。

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