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2004.06.18

『左利き用ボールペン字練習帳』再び

6/3の『左利き用ボールペン字練習帳』(日本文芸社)の記事で、実物を見ずに、元になった「右手で書く人が練習しやすいようにと工夫して作った『きれいな字が書ける。ボールペン字練習帳』岡田崇花(日本文芸社 2004年3月刊)」を見て、それぞれのページが「右ページがお手本、左ページが練習帳」と入れ替えたものを想像した上で、当て推量で「十分使えると思う」と書きました。

先日、実際にこの本を手に入れました。
実物を見たところ、やはり左手書き練習帳としては問題となる部分がある、と感じました。
それは、練習帳の部分で、特に一字ずつ練習するページです。
ここでは、「左から順に3段階に練習を進めてゆく」ようになっています。
bpji3.jpg
それぞれ、薄くお手本の字が印刷された行、字のバランスがわかるように真ん中に破線の入った行、白紙の升目の行です。

右手で書く場合は、「左から右へ」書き進める方が自然で便利です。先に書いた文字が見えるし、手も汚れません。
元本では、その点を押さえて、あえて通常の縦書きの本とは異なる「左綴じ」の横書きの本と同じ製本になっています。
しかし左手書きの場合は、その逆で「右綴じ」の方が良いのです。そしてページを入れ替えることでその形は守られています。
bpji1.jpg

ところがページ内は「左から右へ」のままです。ここも「右から左へ」の方が良いわけです。
この点がマイナス・ポイントです。
bpji2.jpg
例=上段:問題のあるページ、下段:気にならないページ

欲を言えば、全体の流れも、通常の縦書きと同じ「右から左へ」の方向で進んでゆく方が、左手書きには自然で良いと思います。

さらに、前回書きましたように、将来的には書名を「左利き用」でなく、汎用の「左手用」に改めて欲しいものです。

そして、以上のことを、私は日本文芸社に連絡してみました。
すると、企画提案をした書籍編集部のY氏からお返事をいただきました。

要約すると―

・最初は『左手用』というタイトルで企画を出した。
・最初から、左利きの方がきれいに書くためのコツなどを指南した本ではない。
・別に利き手がどちらであろうが、左手で書くための本として出した。左利きだけど、字は右手で書く、という人もいる。

・元になった本が、(利き手に関係なく)右手で書くときに練習しやすいということを「売り」にした。
・このメリットは(利き手に関係なく)左手で書く人にも享受してもらわなければ、と思った。

・会議でタイトルは「左利き用」に。その方が、ストレートに伝わるのではないか、と右利きの人の発言で。

・この本は、元本がなければ存在しなかった企画で、元本を再利用する、ということで低コストに。
・低コストでなければ、企画として成立しなかった。

・指摘の箇所は、刊行早々に著者の知り合いの左利きの方に指摘された。
・左右を入れ替えるときに、もう少し配慮があればみなさんに自信を持ってお勧めできた。

・このままだと版を重ねることはない。
・この本が売れなければ「やはり左利き用は需要がないのだ」ということになり、当社で左利きの企画が通ることはないだろう。
・そして、この本が実績となり、他社でも企画は通りにくくなる。

―という、悲観的な内容で、さびしく思いました。

しかし、「一部使いづらい面があり、改良すべき点はある」というだけで、決して致命傷ではないと思います。
M自動車ではありませんが、欠陥を隠すのはマイナスになります。
失敗を逆手に取るというのはなんですが、正直に欠点を認めた宣伝をされてはいかがでしょうか。
「日本初の試み」なのですから、失敗があってもおかしくないでしょう。

皆さん、「ベスト」ではないかも知れないけれど、この画期的な企画にエールを送りましょう!

ぜひ一冊買って、一度試して見てください。

頭で考えるだけではわかりません。
私の意見が本当かどうか、ぜひご自分の目と手で確かめてください。
私一人の意見が、すべての左手書き(左利き)の人を代表する意見ではないでしょう!

各自のご意見を日本文芸社までお送りください。ぜひお願いいたします。

*2008.4.30追記* 左手書字について―
・『左利きを考える レフティやすおの左組通信』
「左手で字を書くために―レフティやすおの左利き私論4―」
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
「左手書字の研究―実技編」(2008年より第三土曜日発行分に掲載)

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Comments

その後、「お茶でっせ」の記事にそって、「正直に欠点を認めた宣伝はいかが?」という意見を申し述べてみましたところ、

「お話を参考に、セールストークを作成して雑誌の読者プレゼントなどに出してみようと思います。」

というお返事をいただいています。

ご健闘をお祈りします。

Posted by: レフティやすお | 2004.06.26 at 03:45 PM

通りすがりのものですが、
私も左利きのもので、この本を買いました。

「左利き用なんて他にない」ので買ってみましたが・・・
練習してて字がみえないっつーの!。

まあ、とってつけたような左利き用の本でした。

ちなみに、私自身、右でも左でも文字がかけますが
なんか左のほうが調子いい感じです。

ちなみに、簡単な文字であれば同時に書くことができるようです。

私自身、左利きで生まれてとても幸せです。

Posted by: 両利きの人 | 2005.04.02 at 06:20 PM

両利きの人さま、初めまして、コメントありがとうございます。
確かに、その通りです。想像力の欠如というか、浅はかさというか…。
でも、左利きの人向けの物を作ろうという、その心意気だけは買ってあげたいと思います。
ですから、これをたたき台にいいものを作って欲しいとお願いしています。

もしよろしければ、ぜひその意見を版元さんに聞かせてやってください!
反響がないと改善もされません。
担当者氏は責任を感じておられるのですが、会社を動かす決め手が欠けているようです。
相手の良心に訴えるためにも、きつくお灸をすえてやらねばなりませんものね。それができるのは、身銭を切って購入した者だけです!

>私自身、左利きで生まれてとても幸せです。

私も同じです。もしまた生れてくるなら、そのときもやっぱり左利きですね。
嫌なこともあるけれど、今回のコメントのようにうれしいこともそれ以上にありますから。

Posted by: レフティやすお | 2005.04.03 at 12:01 AM

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