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2004.02.12

チャーリー・ブラウンの思いやり

「ピーナッツ」といえば、あのチャーリー・ブラウンとスヌーピー以下、こどもたちしか登場しないアメリカの今は亡きチャールズ・M・シュルツ氏の描く新聞連載マンガだ。このマンガに関する本、1993年新潮社刊、広淵升彦著『スヌーピーたちのアメリカ』のなかで興味を引いた部分がある。

地元のフットボール・チームが時間切れ寸前に逆転勝利をあげる。興奮したライナスがチャーリーに話すと、彼は「相手のチームはどう感じたかな?」と答える。
明らかに、ライナスのように勝ったチームのことを興奮して話すのが、「マジョリティー/多数派」。チャーリーのように負けたチームのことを思うのは、「マイノリティー/少数派」だ。

ここで著者は言う。
「チャーリー・ブラウンの敗者への思いやりは、…これこそ人間としての基本的なやさしさであり、いたわりの気持ちである。…屈折を味わったことのない人、弱者への想像力のない人は、ともに人生を語るに値しない相手ではないか。彼らは弱者への想像力が自分に欠けていることが、人間としての自分の重大な欠陥、時に致命的な欠陥だということに気づいてもいないのだ。」

今の世の中ではマイノリティーに属する「左利き」である私は、さまざまな場面で悲哀を味わわされることになる。しかし、このマイノリティーの悲哀を知っていることで、人よりも傲慢でなくなったり、少しは人の気持ちを考えてみようという気になったりする。通り一遍に考えるのではなく違う角度から物事を見ることができる、広い視野を持つ人間いなれた、と思っている。
十数年前から「左利き問題」に取り組んでいるが、世間一般ではまだまだ相手にしてもらえない。自らは「マジョリティーである」ということに安心してしまっている人がいる。マイノリティーというだけで、お荷物や邪魔者扱いする人がいる。
しかしこれからの世の中において、「マイノリティー」の問題は避けて通れない。あらゆる紛争の種がここにある。「マイノリティー」を一方的に封じ込めたり、蹴散らしたりできた時代は終わった。これからはいかに共存していくかが問われている。

ひとりでも多くのチャーリー・ブラウンが現れることを望んでならない。

スヌーピーたちのアメリカ (新潮文庫)
広淵 升彦

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Comments

レフティやすおさん、はじめまして!
<本棚からしあわせの輪をひろげていく>本棚の魔女です(^^)。

たまたまこちらで、チャーリー・ブラウンのこのセリフについてのいろんな思いをわかちあえることができて、魔女さん本当にうれしいです。

勝負はともあれ、誰かへのおもいやり、痛みをかかえたひとへの想像力、そんなもの、大切にしていきたいですよね。

Posted by: 本棚の魔女 | 2005.03.31 at 01:22 AM

本棚の魔女さん、こちらこそ初めまして、コメントありがとうございます。トラックバックもちょっとありがとう。

基本的には、応援してるチームが勝てば素直に喜べばいいのですよ。それがファンの自然な感情なのだから。
勝負には勝ち負けがつきものなのだし、努力して手に入れた栄冠はたたえられるべきです。敗者も相手の勝利を祝う気持ちが大切です。

でも、一人ぐらいはこういう人がいてもいいはず。
また、単なる傍観者ならもっと広い視野で見るべきじゃないか。水を差すのは、水臭いかもしれないが、ちょっと冷水(冷静)に見る見方もあり、でしょう。 (^^;)

社会というものは人と人との関係で成り立つものなのだから。
勝者を祝い、敗者をねぎらう。そこに人としての心の交流が生れるのです。

まあ、精一杯持てる力を出し合って戦った者同士なら、勝者という恵まれた立場に立った者は、おのずから感謝の気持ちが湧き、その恵みを分かち合う思いやりが持てるようになると思います。敗者も相手を心からたたえる気持ちになれるでしょうね。

Posted by: レフティやすお | 2005.04.02 at 12:25 AM

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